昨年よりパワーアップ！キタサンブラックが6つ目のG1制覇から海外へ
2017/6/21(水)
大阪杯、天皇賞と4歳のトップホースを退け、G1連勝を飾ったキタサンブラック。その危なげないレースぶりからも、3連勝の可能性は極めて高いと言わざるをえないが、宝塚記念の結果だけでなく、その後の動向にも焦点が集まるところ。昨年3着の舞台でのリベンジ、そして、凱旋門賞挑戦もウワサされる今後の展望を含め、清水久詞調教師を直撃した。
－：改めてということになりますが、天皇賞(春)連覇、おめでとうございました！キタサンブラック(牡5、栗東・清水久厩舎)の強さをここでも見せつけられた一戦だったと思いますが、天皇賞当日の気配や雰囲気を教えていただきたいのですが、先生の眼からどのように映りましたか？
清水久詞調教師：ありがとうございます。天皇賞(春)は落ち着いていましたし、何も不安もなく、良い状態でしたね。
－：当日は(武豊)ジョッキーやオーナーと乗り方などの細かな打ち合わせはされたのですか？
清：いや、天皇賞に限らず、ジョッキーにはそんなに……。競馬の作戦は全てお任せなので。競馬については、跨ってもらったら「そこからはお任せします」というスタンスなのでね。
－：ちなみに、レース当日の先生の心境というのはいかがですか。かなり落ち着いているようにお見掛けしますが？
清：とにかくホッとしたというか、無事に当日迎えられるというのが一番で、そこで一安心ですね……。競馬場で馬の様子を見て、間違いなくイレ込んだりするところがないので、確認のため馬の様子を見て、落ち着いているなと。あとは競馬を迎えるだけですね。
－：緊張感や不安になることはありますか？
清：もちろん緊張感はあります。でも、不安になるところはないですね。
－：いつも動じずにいらっしゃるなと。
清：できるだけそういう風に装っている部分もありますけどね(笑)。
－：天皇賞(春)のレース後の様子、この中間の気配はいかがでしょうか？
清：おかげ様でレース後どこも痛めることもなく、競馬の疲れをしっかりと取ってあげるという、そこのケアだけのために少し休養を与えてあげてあげました。この宝塚記念から逆算して、こちらの思い通りに立ち上げることができました。
－：今年は年始からG1を3連戦することを表明されていましたが、大阪杯が新設G1とはいえ、最近の競馬では幾らか珍しいローテだと思います。目標にされる立場でありながら、G1に挑み続け、結果を残せる。G1を連戦してもへこたれないといいうますか、そのタフさはどこから生まれるものなのでしょうか？
清：やっぱり生まれ持ったモノというか、すごい身体能力をしているのでしょうね。
－：並外れていますよね。生まれ持ったタフさに気付いたのはいつ頃でしたか？
清：使う毎に感じるようになりましたよね。歳を重ねても、調教をしっかり積んでも全然痛めるところもなく、疲労の回復も早かったですからね。尚且つ競馬に行くとしっかりと結果が出ていたので、走る毎にビックリさせられていました。
－：当たり前な質問ですが、今まで関わってきた他の馬たちとは違うわけですよね。
清：そうですね。やっぱり今までの馬とは違いますね。厳しいトレーニングでもしっかり応えてくれますし、その後も休むこともなく、継続できて競馬を使えている。そこは並外れていますね。
－：今朝(6月14日)の追い切りの雰囲気はいかがでしたでしょうか？
清：ええ、1週前なので強めにやりましたが、雰囲気も良かったですし、指示通りの時計で上がってきましたし、動きも良かったです。このひと追いで変わってくると思いますよ。順調ですね。気になるところは何もなく、あとは10日ほど無事に過ごせれば。
調教パートナーである黒岩騎手が騎乗し、CWでの併せ馬。6F79.1－12.4秒をマークしている。
－：先生のコメントを拝見していると、常に順調さが伝わってくるのですが、今まで状態面で「今回はちょっと状態が良くないな」なんて思った時はありましたか？
清：ないですね。強いて言えば、休み明けの競馬の時に、1回叩けば上積みがあるな、という程度でのモノで。もともと馬格もありますし、良化がゆったりしていることもあるのでしょう。今の体からすれば、3歳の頃などを振り返ると、さすがに幼かったですよね。まだ、子供子供していました。
－：5歳を迎えた今年。大阪杯前の立ち写真を見せていただいた時もまだ変わってくる、パワーアップするのだなとビックリしました。
清：そうですね。今年になって更にパワーアップしていますし、去年の宝塚記念とは全然違いますのでね。
