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地方競馬代表としてワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)にする、船橋の中野省吾騎手。JRAのトップジョッキーや、香港のJ・モレイラ騎手らとの対戦にも「自信はある」と言い切った。将来的に長期的な海外挑戦を視野に入れていることも堂々と宣言。さらなる高みを目指すため、WASJを飛躍の一歩にするつもりだ。

芝とダートで乗り方の違いは「ありません」

-:これでいよいよワールドオールスタージョッキーズへの出場が決定し、札幌競馬場で4戦に騎乗されるわけですが。

中:いま25歳ですが、人間、良い時も悪い時もあると思います。それを自分の意識で良い方向に持っていきたいです。波があるのは分かっているので、その波をどこで持ってくるかという、波の調整とかも必要ですね……。これは人にはできない考えだと思います。

-:自信はありますか。

中:あります。大丈夫です。なので、今から加速して行きます。来年は出られるか分からないので、ハハハ(笑)。

-:予選は1、2、1、1着でしたが、本戦はどんな戦いになると思いますか?

中:僕の覚醒している時って、絶対に誰にも負けないと思うんですよね。もうこれ以上はないだろうと思う。だって、実際にモレイラが乗ったヴィブロスの映像も観てみたんですよ。完璧かと言われれば完璧ではないじゃないですか。

-:モレイラも言うほどじゃないと。

中野省吾

中:それ言っちゃったら怒られますね、ハハハ(笑)。

-:じゃあ、モレイラよりも上に行ける自信はありますか。

中:あります。ちゃんと調整をしていけば。園田の時くらい調整バッチリで挑めば。

-:モレイラの名前も出ましたが、出走メンバーが発表されまして、何か意識する人とかは。

中:いません。僕には分かりません。JRAに行って、勝負服を見ても誰が誰だか分かりません。それを覚えろと言っても覚えることが多すぎて覚えられないですし、中途半端に覚えるのならば覚えない方が良いです。

-:じゃあ、世界のトップ相手と言えど、別に普段と変わらないということですね。

中:ハイ。それが一番ですよ。

-:でも、世界のトップジョッキーは見た事もない必殺技を使うかもしれないですよ。

中:空中プレーとかが出てくるんですか、ハハハ(笑)。

-:世界のトップは信じられないことができるんだ、みたいなね。

中:人それぞれ必殺技がありますからね。鉛マジックとかですか?鉛を抜くマジックとか、スゲェなぁ。

「意識すべきことを意識しなくてもやれるように、WASJに向けてその乗り方をしていきます。そうなれば意識じゃなくなるので、考えることも余裕ができるわけですから」


-:WASJに向けて何か準備していることとか、研究していることはありますか。

中:意識すべきことを意識しなくてもやれるように、WASJに向けてその乗り方をしていきます。そうなれば意識じゃなくなるので、考えることも余裕ができるわけですから。

-:コースという点では、札幌競馬場で乗るのは今回が初めてになりますけど、イメージはありますか?

中:むしろ、教えて下さい!

-:芝自体は盛岡と中山しか乗ったことはないですよね。

中:変わらないですよ。大丈夫です。車にタイヤが付いているのと一緒です。馬に脚が付いているだけですから。

-:どこで走ろうとやることは一緒だと。

中:(キッパリと)ハイ。

中野省吾

-:芝とダートで乗り方を変えることはありませんか?

中:ありません。芝になると、馬の走り方は首が上がる、下がるとあると思うのですが、それは返し馬をした時点で分かることじゃないですか。だから、「乗り方を変える」と言いますけど、それで首が高くなったのならば、首が高い馬なりの乗り方、下がったのならば、下がった馬なりの乗り方があるので、芝になって首が下がった、じゃあ首が下がった馬の乗り方をするだけ。多分、みんなそれを勘違いして、芝とダートの乗り方はちょっと違うと言っているんですよ。

-:それは、一般的に芝の方が首は下がるということですか?

中:その馬によって走り方が変わるというだけです。なので、僕はそれによって変えるだけなので、みんなは勘違いしているんだなと思っています。僕は芝なんて3回しか乗っていないですけど、一応、感じ取ったつもりです。

-:例えば、ダートの方がある程度前に行かなきゃいけないけど、芝ではちょっと下げた方が良いみたいなことはないのですか?

中:これまでのレースは、芝はどこを走れば良いか分からなかったし、有力馬でもなかったので、内に行っておこうと感じでした。盛岡ではその前に芝のレースもなかったので、観ようにも観られないし。札幌でも迷ったらインコースを通ってくるでしょう。

「馬の限界速度を知ってあげることですかね。たとえば人間も走る時に、低速と全速力の2種類があるとしたら、ジョギングは低速じゃないですか。この疲れないで走り続けられるスピードの限界がどこかを知ってあげることです」


-:話題は変わりますが、南関東で若手の中では急激に成長してきてチャンスを掴みましたが、自分が何で上がって来られたのかを教えて下さい。

中:魔法です。……どうなんですかねぇ。

-:ちょっと言い辛そうですが、何を心掛けてそんなに勝てるようになったとかがあれば。

中:僕はメディアでは絶対に感謝の言葉を口にしないです。それこそ「関係者の皆様ありがとうございます」みたいなことは言いません。そこは日本人なので、わざわざ言葉にして伝えなくても日本は察する文化ですから……。日本人らしく生きてきたからですかね。

-:感謝の気持ちをメディアに出さないのが日本人らしいわけじゃないですから(笑)。

中:あえてメディアでは言わないのですが、本当に周りのおかげだというのは分かっています。もちろん、日々感謝の思いは思ったままそのままには伝えていますよ。

-:そういうことではなく、技術的なことで、ですよ。

中:勝てるようになった理由……。

中野省吾

-:だって昔は下の方だったわけですよね。短期で笠松に行ったり、高知に行ったりもしていたわけですし。

中:勝てるようになった理由。僕が色々隠し持っていると思いますか?

-:じゃあヒントだけでも教えて下さい。

中:馬の限界速度を知ってあげることですかね。たとえば人間も走る時に、低速と全速力の2種類があるとしたら、ジョギングは低速じゃないですか。この疲れないで走り続けられるスピードの限界がどこかを知ってあげることです。それ以上のスピードになれば消耗してしまいます。

-:疲れないジョギング状態のMAXを維持しようということですね。

中:はい。

-:なるほど。全速力になった時点で疲れちゃいますからね。

中:低速から高速で走って、一杯一杯になったので低速に戻ります、という時の低速はすごく遅いんですよ。

-:それは脚が上がっている状態ですからね。ジョギング状態のMAXはどこか把握するということですね。

中:そうですね。スタートして全力で位置を取りに行っちゃったら、低速がとんでもなく遅くなるというのもよくあることです。

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