【出走回避】3歳クイーンマンボ成長の余地残して新女王の座へ
2017/10/29(日)
-:角居厩舎でこの勝負服と言ったら、サンビスタという大先輩がいますが、こんなに早く同じダートでテッペンを狙える逸材が出てくるというのは。
前:そうですね。サンビスタは若い時にソエとか、痛いところが一杯あったので、デビューしてからしばらく足踏みをして、なかなか勝ち上がれなかったですけど、この馬(クイーンマンボ)は本当に順調に来ているので、気性も良いですしね。向こう(サンビスタ)はカッとしやすくて気性も悪いというか、こっちはノンビリしているんでね。
-:調整しやすいタイプですね。
前:そうですね。最初はメンコをしたり、色々としていたのですが、段々と一つずつ外れてきましたね。
-:今となっては何も。
前:いらなかったんじゃないですかね。扱いやすいですね。
-:そういう中で、優等生的なこの馬に何か注意していることはありますか?
前:ちょっと馬が怖いんですよね。競馬では関係ないらしいのですが、普段歩いている時に馬を怖がるので、それでバタバタとしてケガをしないように、それくらいですね。
-:重箱の隅をつつくくらいですね。
前:そうですね。本当に欠点という欠点がないですね。大人びていますね。競馬場に行っても大人しいですしね。
-:JRAの所属馬はお昼にレースをすることが多いじゃないですか。地方交流だと、ナイターとか照明とか、トレセンではナイター照明にも慣れていると思うのですが、普段と違うレースの日のナイター照明に気を使う馬もいるじゃないですか。その辺はいかがですか。
前:考えたことがなかったですね。あんまり気にしていないですね。
-:過去に負けた馬でも「初めてのナイターで……」というコメントもあったと思うんですが。
前:夜に坂路を乗っていると、普通にトレセンで生活していれば慣れてくるんじゃないですかね。あんまり人間が構え過ぎると馬って何か……。臆病な人がやると臆病になると聞いたりもしますが、そういうことじゃないですかね。(元騎手で担当者の)嘉堂さんが度胸の塊みたいな人なので、あんなに臆病だったのに、馬もこんな風になってきました、ハハハ。サンビスタもそうでしたね。最後はやっぱりドッシリしてきましたね。
-:その辺はボスも分かって担当させているということですね。
前:分かっていますね。パドックは本当に大人しいですね。「乗り役が乗ったら、ちょっと気合いが乗るようになったかな」と言っていましたね。ちょっとメンコを外して、やっと気合いが乗ってきたかなと。
-:競馬の時はそれくらいであって欲しいですね。
前:そうですね。返し馬もメッチャ大人しいみたいですしね。
-:前川さんと言ったら、自転車で自分も鍛えているという。
前:一応ダイエットをしていますけどね(笑)。
-:自分も日々体を動かしていると、日によって動きが良い日とか、ちょっと重いなとか、自分が調子が良いと思っているのに、疲れやすかったりだとか、色んなコンディションの変化を感じると思うのですが、そういうのは馬をやる上でも参考になるところはありますか。
前:やっぱりありますね。トレーニングはやっぱりしたらしただけ身になると思うので、それをいかに壊さないように積み重ねていくので、休みも必要だし、絶対に攻めることも必要だなと思いますし、そういうのが役に立っているかなと思います。壊さないように……。でも、壊さないようにだけじゃ、なかなか出来ないのじゃないかなと思いますね。
-:自分がしんどくて、今日はちょっと行きたくないなという日も行こうかということですね。
前:そうですね。
-:そういう意味では、馬は決められたスケジュール通りに天候に関係なく運動をしているから、けっこう大変ですね。
前:大変ですね。僕は趣味ですけど、こっちは仕事なのでね。アスリートなので、大変だと思います。痛くても、治療をしてもらって走らなきゃダメですしね。
-:デビューして、体的な部分で今までどこが一番変わりましたか。
前:本当に一回り以上大きくなっていますね。丸い女の子っぽい体をしていたのですが、ちょっと筋肉が表面に見えてきたというか。
-:メリハリが付いてきたということですね。
前:そうですね。
「根性勝負とかになれば、強いと思うんですよね。最後まで途切れないで、切れる脚ではないけど、長くずっと脚を使えるというのが良いところだと思います
-:どこまで行くんでしょうか。
前:まだまだ成長の余地があるし、楽しみなのは楽しみなのですがね。無理させずにゆっくり育てていけば良いかなと思うのですがね。
-:僕らファンからしたら、最近のこの悩ましい雨で二通り考えておかないとダメだと思うんですよ。パサパサのダートなのか、雨が降ったダートなのか、クイーンマンボにとってはどっちが良いですか。
前:あんまり関係ないですね。どっちでも良いんじゃないですか。前からむしろ雨は良かったですよね。嘉堂さんは雨男なので、行く度に雨だったので、雨は別に大丈夫なんですよ。あとは中央のダートは大丈夫。地方のパサパサのダートはどんなものかなというくらいですかね。でも、根性勝負とかになれば、強いと思うんですよね。最後まで途切れないで、切れる脚ではないけど、長くずっと脚を使えるというのが良いところだと思いますけどね。
-:この状態だと、圧倒的な人気にも応えられそうですね。
前:どうですかね。ダートのレースで圧勝になることも多いじゃないですか。それが本当の力差なんかと言えば、それはまたね。
-:でも、ホワイトフーガも弱い馬ではないしね。
前:そうですね。相手は一線級でしたしね。
-:地方のファンが同じくらいのオッズで支持をして、ほぼ同じくらいの評価をしていた馬を8馬身ちぎる訳ですからね。
前:言っても、本番はみんな色々と必死になってやってくると思うので、もちろんウチもですけど、油断せずに。
-:今回も強い内容を見せれたら良いですね。
前:強い内容になれば良いですけどね。
-:多分ファンは期待していると思いますが。
前:(ヒダカ・ブリーダーズ・ユニオンの)会員さんが一番期待しているんじゃないですか。
-:会員さんは多分ドッシリとした気持ちで競馬場に向かわれると思いますが。
前:そうですかね。
-:最後に、ファンにメッセージをお願いできますか。
前:まだまだ幼くてかわいい女の子ですけど、これから強くなるところをお見せ出来たらなと思うので、ぜひJRAにも、金曜日は大井競馬場にも来ていただいたらなと思います。
-:パドックは、嘉堂さんの雄姿を。
前:見てもらってください。
-:楽しみにしています。ありがとうございました。
プロフィール
【前川 和也】 Kazuya Maekawa
トールポピー、アヴェンチュラで姉妹GⅠ勝利。菊花賞馬・デルタブルースがオーストラリアのメルボルンCに出走した際は、担当の瀧川助手がハットトリックの海外遠征と重複したため同馬の調教を担当。歴史ある海外GⅠの勝利に貢献した。馬乗りとしてはまだまだ未完成で角居調教師には今でも怒られる、と話す。馬にはあまりベタベタしない主義と言うが、見てとれるほどの馬好き。