
ジャパンCでついに宿敵撃破 G1連勝で新王者へ シュヴァルグラン
2017/12/20(水)
-:今朝(12月14日)の追い切りを見させていただきましたが、3頭併せの内からちょっと遅れているような動きだったのですが、いかがでしたか?
大:若干ヨーイドンみたいな感じの部分もありましたね。どちらかと言うと、そういうタイプではないので、ゴールのちょっと先を目標に調教をしたといますか、その後もしっかり追っています。最終的にゴール付近でエタリオウ(2歳500万下)に追いついたのかな。そういった意味では、道中の遅れというのは気にならないし、しっかりとやれているし、馬もそれなりに反応していましたしね。それこそ雪が降って、ちょっと馬が重たく感じているなというのはあったので。
-:この追い切りを経て、来週に向けてグッとコンディションが上がるのを見込めそうですか?
大:順調ですね。息の入り方もすぐにケロッとしていましたよ。本当はゴール後もう少しやっても良いかなと思ったのですが、前にいっぱい(馬が)固まっていたし、かと言って、別に足りないわけじゃなかったので。あとは直線に入った時に、前にフラフラしている馬がいたので、初めは併せ馬ができないなと思ったんですよね。横からの映像じゃわかりづらいかもしれませんが、2頭と1頭で割れちゃうと思ったんですよ。すぐに進路を切り替えて、内に入って前の馬が気付いて、内に入ったからまた進路を切り替える形になるロスもあったんですよね。でも、そういうところを気にせずにしっかりやれたというのは、順調に来ているということですね。
一番奥を走っているのがシュヴァルグラン
「中山競馬場の難しいところなのですが、(馬房に)敷くのが藁なんですよね。普段はチップの厩舎が向こうに行くと体重が増えたりするのは、藁を食べてしまうということなんです」
-:今回の予想体重というのは、輸送前でどれくらいですか?
津:先週末で480キロですね。
-:前回と同じくらいですかね。
津:そこは中山のまた難しいところなのですが、中山競馬場は(馬房に)敷くのが藁なんですよね。普段はチップの厩舎が向こうに行くと体重が増えたりするのは、藁を食べてしまうということなんですよね。粗飼量をコントロールしている厩舎は特にそうですね。
-:なるほど、そういうこともあるんですね。
津:それを消化するために水を飲むので、滞留する水の量が増えて、体重として出てくるんですよね。海外でラシックスを使って利尿するということはそこですよね。水抜きですからね。
-:東京と輸送時間は1時間くらいしか違わないですよね。
津:輸送自体は大人しいですね。
-:目標は前走くらいで出られるようにという考えですか?
津:そうですね。去年の経験もあるので、どこまでコントロールできるかというのはありますよね。
-:G1馬となって初めてのレースですが、他陣営からのマークが変わってくるんじゃないですか。
大:どうでしょうか……。それでもあの馬のレースセンスが良いから、良いところで競馬ができると思いますけどね。キタサンブラックもどう出るかは分からないですが、枠次第でお互いに似たような位置取りになるでしょうからね。別にキタサンブラックがいなくたって、もともと僕たちでシュヴァルグランの良さというのはこうだ、というのがハッキリとイメージがあるので、G1馬になろうと、競馬場が替わろうと、競馬は変わらないんじゃないですか。コース形態が違ったりするので、もちろん多少の作戦は考えますけどね。
津:いかにあの馬の良さを出すか、というところですかね。
-:そう考えると、シュヴァルグランにとってはスローよりも平均ペースの方が良いですか。
大:平均以上の方が絶対に良いですよね。
-:毎年ファンにとっては悩ましいレースで、普段競馬をされていない方も参加されるし、悩みどころです。
津:コース自体も予想しにくいレースですよね。
大:枠も影響してくるし、秋使ってきた3戦目の馬がいて、2戦目の馬がいて、どうかというのがね。
津:そうそう。3歳も入ってくるし。
-:3歳馬というのは同じハーツクライ産駒でスワーヴリチャードという馬が、この間アルゼンチン共和国杯で強い勝ち方をしました。ハーツクライ産駒というのはやっぱり3歳よりも4歳、4歳よりも5歳という成長曲線を描くと思いますか。
津:やっぱり多い気がしますね。
大:基本的にハーツ産駒は緩い馬が多いので、やっぱり歳とともに良さが出てくるのでしょうね。
津:早くから活躍しているハーツは、あまりいないですよね。
-:一般のファンに”緩さ”と言っても伝わりにくいのですが、”伸びしろ”と言っても良さそうですか?
大:伸びしろじゃないですね。やっぱりパワーがシッカリ伝わりきらないですよね。体幹の強さじゃないですかね。
-:体がまだ柔らかすぎるということですか?
大:例えば、グッと踏ん張ったけども、どこかピタッとしないと、勢いとしてしっかりと前に伝達しないじゃないですか。だけど、しっかりと決まっていれば、グッと来たらそのままグッと行けるじゃないですか。
-:最初にグニャッとしている馬の方が伸びしろがあるのかなと思ったのですが。
津:そこが解消されていくかどうかですね。
大:緩いまま終わっていく馬もたくさんいますからね。
-:ただ緩いだけの馬もいるだろうし、それが締まっていって、成長とともに抜け出たところが押されるように変わっていく馬も少ないでしょうからね。
大:ただのクニャクニャなのか、そこにエネルギーを感じられるかどうかというところでしょうか。ウチだとアドマイヤミヤビが正しくそうでしたね。ものすごく緩いのですが、エネルギーや捌きの強さがあって、これは走るなとはみんな感じていましたね。
-:シュヴァルグランの”緩さ”というのは、今はかなり解消されてきたと。
大:いや、正直やっぱり緩いですよ。緩いけど、トレーニングによって締めているという感じですね。
-:それはデビューから触っていられて感じることですか?
津:そうですね。体重自体はそれほどでもなくても、やっぱり筋肉の強さというのはやっぱり変わってきているのかな。緩さゆえに重くなると端的に動けないというのが、たぶん出ると思うんですよね。強い筋肉がガチッと付いていれば、多少の重量でも行けるけど。
-:なかなか興味深いですね。まだ、これからもっと良くなる可能性も秘めている訳ですね。
大:まあ、そうですね。現状、あの馬の形というのは見えているし、やっぱり長所というのは段々ハッキリしてきているので、あとはコンディショニングと引き続き日々の鍛錬で、どこまで行けるかだと思いますけどね。





