森裕太朗ロングインタビュー(後編) 目標とする先輩、自身の素顔、3年目に誓う目標とは?
2018/3/1(木)
-:ファンに向けて、いま所属している鈴木孝志厩舎についても教えていただけますか?
森:スタッフの雰囲気がいい厩舎ですね。先生も優しい人で、あんまり口出しはしないですし「自分のやってみたい風にやってみなよ」と言ってくれるので。僕も色々な厩舎に行かせてもらったりしていますけど、本当にケガした後も置いてくれていたので、ジョッキーになれたのも先生のお陰だと思っています。
-:森騎手の騎乗馬で鈴木厩舎といえば、個人的にはよくナイスドゥを買わせてもらいました。
森:ナイスドゥも勝てなかったなぁ……。あれは痛いです。
-:あと一歩ですものね。
森:新馬を勝ったら「阪神ジュベナイルフィリーズに乗せてやろう」と思ってくれていたらしいのですが、結局チャンスを棒に振ってしまいましたね。
▲3月からはフリーとなる森騎手だが、鈴木孝厩舎の勝負服をまとって
-:今後ファンに向けて、どういうところを見て欲しいでしょうか?
森:ダート戦や差し、追い込みが得意です。人気がない馬でも持ってこられるよう精一杯乗りたいです。自分は1800ダートも得意だと思っているので、特にそこを注目して観ていて欲しいなと思います。競馬場でいえば、本場は乗りやすいかなと思いますね。阪神も好きですが、特に京都ですかね。
-:今後の明確な目標はありますか?
森:まだ重賞に出たことがないので、重賞に出させてもらえるような馬に乗れるように上手くやっていきたいし、そういう馬に巡り合ったら、放さないように勝っていきたいですね。あとは去年のダブルスコアですね。一昨年が11勝で、去年が23勝だったので、今年は46勝くらい勝てるように、頑張ってステップアップしていきたいですね。
-:46勝というと、1週に1つは勝たないといけないようなペースですから、騎乗停止になっている場合じゃないですね。
森:そうですね。去年は(騎乗停止に)ならなかったので。自力で減量は取りたいですね。
-:ちょっと若者らしい話も伺うと、今は、1週間のスケジュール、休みの日の過ごし方はどうしていますか?
森:日曜日の競馬終わりは食事に出掛けることが多いので、月曜日はゆっくりしています。何をしているという訳ではないですね。食事に行くなら、入学した同期の31期が多いですね。先輩なら松若先輩。
-:ちなみに、お金の使い方はどうしょうか?
森:う~ん、特に使っていないですけどね。使っているのはご飯くらいですね。あとは道具と厩舎に配るジュースと。ジュースだけでもけっこうお金が掛かるので。
-:確かにかかると聞きますねえ。趣味はありませんか?
森:趣味はないです。強いて言えばカラオケです。ミーハーではないですよね。流行っているからやるということはなくて(笑)。競馬も、観るよりはやる方が好きなので。
-:観るのよりも乗るのが楽しいということですね。
森:昔の空手もそうでしたし、野球もそうですし、色々な習い事をやっていたのですが、やっぱり自分で体を動かすのが好きですね。自分でやるのは好きなのですが、プロ野球選手の話になると知識的にダメですね。草野球もやりますが。
-:良い意味で、今の若者っぽくないですよね(笑)。落ち着きというか、自分のペースがある。これからも大変なことも沢山あると思います。昔はケガだらけでしたが、今は騎手になってよかったですか。
森:そうですね。なって良かったですね。色々な苦労というか、大変なこともありましたけど、やっぱりなって良かったなと思いますね。
-:ゆくゆくは減量が取れるように。そして、3月からはフリーということで。
森:そうですね。自分で減量を取れるように頑張ります。今年からフリーになりますが、自厩舎を手伝いつつ、色々な厩舎も回って、自ら乗鞍を増やしていきたいと考えています。
-:今回は長々とありがとうございました。今後も応援しています。
プロフィール
【森 裕太朗】Yutaro Mori
1997年3月2日生まれ、宮城県出身。競馬好きだった父の影響で福島競馬場に通い、競馬の魅力にひかれ、騎手になることを決意。小学校4年生の頃から乗馬クラブに通い始め、より乗馬経験を積むため、競馬学校のジュニアチームの入部を決意し、滋賀県に転居。中学校3年の頃からジュニアチームに入ると、幾多のケガに見舞われた競馬学校時代を経て、2016年に鈴木孝志厩舎所属でデビュー。通算29戦目で初勝利を挙げた。今後の目標は「自ら減量をとること。重賞騎乗」を挙げる。好きな女優、タレントは昔なら深田恭子、今は山本彩とのことだが、そこまで熱心なアイドルファンではないという。