ラストラン終えた今、明かされる 生死をさまよった『空白の2ヶ月間』 デニムアンドルビー
2018/3/25(日)
デニムアンドルビー・小滝調教助手インタビュー(1P)はコチラ⇒
-:改めて小滝さんから見て、この馬のいいところはどこだったのでしょう。
小:気性でしょうか。最近でこそなくなりましたが、若い時から力が入っている時と抜けている時の差が驚くほど大きくて、手応えが全然変わるんです。オンオフがハッキリしているのがいいですね。どんな場面でも動じず、ジタバタすることが本当に少なかったです。身体能力も高いですし、馬場が悪かろうが自分のペースでしっかり走ってくれる子でした。
-:逆に、後悔していることはありますか?
小:屈腱炎を発症させてしまったことでしょうか……。何が原因かは分かりませんが、これが一番この子に申し訳なかったです。牧場でも一生懸命治療していただきましたが、やりようによっては発症せずに競走馬生活を送れたのかなと。何とも言えないところですけどね。後悔といいますか、申し訳ない気持ちです。本当に強い馬でした。
-:こうして5年の付き合いが終わりますが、デニムの存在はどのようなものだったのでしょう?
小:角居厩舎に移動してから色々な馬をやらせてもらいましたが、そうしているうちにデニムに出会い、クラシックを経験させてくれて、ジャパンカップ2着も経験させてくれて……。G1のパドックで引いたり、海外遠征も経験させてくれました。そういうところを使う感覚と言いますか、大きいレースに向けて調整する感覚は担当しないと分からないので、デニムは色々教えてくれました。
-:もう家族のようなものですね。
小:ハハハ(笑)。デニムが厩舎に帰ってくると「帰ってきたなぁ」という気分になります。ここまで長い間現役を続けてくれましたし、特別な存在です。
-:今後お母さんになって、子育ては上手そうでしょうか?
小:やってみないと分かりませんが、優しい子ですから、いいお母さんになってくれると思います。最近なかったですが、以前は年中フケが来ていたように、北海道に行けばすぐお母さんの体、気持ちになると思います。
-:子育てしているイメージは湧きますか?
小:うまくやってくれると思うんですけどね。写真撮影の時に「私のほうがかわいいぞ」と、子どもより前に出てきたら困ってしまいますね(笑)。聞き分けのいい、従順な性格を子どもが引き継いでくれればいいと思いますね。
-:やはりお母さんになったデニムに会いに行きたいですか?
小:そうですね、会いに行きたいと思っています。かわいい子が生まれると思いますよ。見てみたいですよね、お母さんと一緒で毛がモコモコ、お腹がデップリした子を(笑)。
-:いつか小滝さんが子どもを担当されることを願っています。
小:縁があればしてみたいです。なかなかこういう恵まれた機会はないでしょうから。担当したら感慨深いものはあるでしょうね。
-:改めて、寂しくなりますね。
小:寂しくなります。なかなかこうして大きなレースに連れて行ってくれる馬と巡り会う機会は少ないですから。何より可愛いデニムちゃんに普段から触れなくなるのは寂しいです。
-:今回、デニムの影響で小滝さんファンも増えたと思います。
小:家族や地元の友人から写真や記事が送られてきたり、友人から「俺の(SNSの)タイムラインが小滝とデニムで埋まったぞ」とも言われました(笑)。