名牝ビリーヴの仔・ジャンダルム 中距離で産駒初G1制覇を狙う!
2018/4/8(日)
-:続いて、ジャンダルム(牡3、栗東・池江寿厩舎)ですが、G1馬ビリーヴの子ながら中距離に対応出来るという能力の持ち主ですね。お父さんはKitten’s Joyで、この産駒が池江厩舎に来ることは初めてですか?
兼:初めてですね。入ってきた時はまだ緩かったところがあったので、それでも追い切る度に少しずつ良くなってくる感触が、ハッキリと分かる馬でした。新馬戦の時もまだちょっと足りないなという中で、シッカリ勝ち切ってくれましたね。(3戦目の)ホープフルSの時は、1コーナーまで少し行きたがったところもありましたけど、上手くそこから立ち回って、シッカリ勝ちに行っての2着という感じで、大変評価出来る内容だと思いますね。
-:初めての長距離輸送と、初めてのコーナー4つということをクリアして、2着に頑張ったということですね。
兼:そうですね。そして、一息入れて弥生賞(3着)を迎えたわけですけどね。
-:弥生賞に関しては、ホープフルSから10キロ減って、デイリー杯から比べると同じで、この体重に関しては、どういう意図があってのことですか?
兼:ホープフルSの時に、お腹周りに少し余裕があると感じていましたので、直前の調整方法を弥生賞の時にはちょっと変えていこうという意図したところがありました。10キロ減ということに関しては、問題ないことだと思っていますね。
-:意図的に、それくらいでつくっていったということですね。つまり輸送をしても、それほど減らないと考えられるのですか。
兼:初めて輸送をした場合は減らない場合もありますし、読み切れないところがあるのですが、2回目となって、この馬の輸送した時のだいたいのパターンが、おそらく掴めているのではないかなと思います。今度は同じ(中山で)、次は3回目となりますけど、前回やった経験を活かして、当日はベストで出られれば良いなと思いますね。
-:そう考えると、この時季に中山を3回使うというのは過酷にも見えるけれども、馬体重など調整に関しては、プラスの面もあるということですね。
兼:そうですね。非常に経験にはなっていると思いますね。
-:「最初は緩かった」という話でしたが、2戦目からは重賞ですし、G1を使って王道の弥生賞と来ています。使いつつ、体の締まりなど成長度はどれくらい上がっていますか。
兼:弥生賞の時は、前哨戦としては十分な仕上がりという感触はありましたね。ただ、使ってから、確実に良くなっている感触はあったのですが、2週前追い切りの時に水口ジョッキーに乗ってもらって、時計はシッカリ出ているのですが、コーナーで少しモタれたりだとか、スッキリといかないところがあったようでした。ただ、その追い切りを消化してからグンと良くなって、今週も同じく水口ジョッキーに乗ってもらって「確実に良くなっている」というような感じで言ってもらえました。こっちの感じている感触と一緒だったので、それは、間違いなく雰囲気が変わってきたとは思っています。
-:順調よりも、上積みが期待出来るコンディションということですね。
兼:そうですね。順調に調整出来ている上に、上積みも確実に感じられるデキにあるのではないかというところですね。
-:そうなると、ホープフルSで負けた悔しさを晴らす絶好の舞台だということですね。
兼:そうですね。前走で折り合いは良くなっていましたからね。本当に上手く立ち回って、この馬の末脚さえ繰り出すことが出来れば、あとはユタカさんに託すのみですね。
-:レース自体は、本命候補のダノンプレミアムが出られなくなったことで、どの馬にもチャンスが出た反面、展開が難しくなるかもしれないですね。
兼:そうかもしれないですね。これから来週の投票を迎えて、枠順が出てから各陣営が考えることだと思いますけどね。
「使えば良くなるタイプかなと思っていますし、ここ最近は毛艶も良くなってきましたし、代謝も良くなってきていますね。ガッチリとした筋肉も付きつつ、メリハリが付いてきていますね」
-:ちなみに、寒い時季から走っていて、段々暖かくなってきているじゃないですか。体調の変化や毛艶の変化とかはありますか。
兼:基本的に、使えば良くなるタイプかなと思っていますし、ここ最近は毛艶も良くなってきましたし、代謝も良くなってきていますね。見た目もそんなに細く見えるわけでもなく、ガッチリとした筋肉も付きつつ、締まってきているというか、メリハリが付いてきていますね。
-:ホープフルSの時に感じたお腹周りの余裕というのは、今はそんなに感じないですか。
兼:そうですね。それがあっても、向こうへ輸送して、競馬を迎えるときにはスッキリとしているんじゃないかなと。もともと、スカッとするタイプではないかなと思いますけどね。その中でもこの馬なりにという、今のところの読みではあります。
-:ホープフルSというのは、折り合い面を考えてけっこう後ろから行かれていたのですが、弥生賞では若干ペースが遅かったので、前に付けたということですか。
兼:その意図は把握していないですけど、ある程度前目で、どのくらいの力差があるのかを図っておくというのがあったのかもしれないですね。その辺はユタカさんに聞かないと、僕には分からないですね。
-:ビリーヴの子はまだG1を勝っていないんですね。待望のタイトルがかかります。
兼:そうですね。この距離で使えるのでね。今週の動きも素晴らしかったし、馬自体は本当に良くなっていますよ。
-:最後に、ジャンダルム、キタノコマンドールの2頭のファンにメッセージをお願いします。
兼:何かと注目される2頭かもしれないですけど、このクラシックの晴れ舞台で、この馬たちの能力が最大限引き出すことが出来れば良いなと思っています。応援よろしくお願いします。
-:ありがとうございます。
プロフィール
【兼武 弘】 Hiroshi Kanetake
滋賀県出身。1983年3月6日生まれ。初めて観戦した競馬はダンスインザダークが勝った菊花賞。中学生の時に競馬好きの知り合いが多かったため、影響を受けてこの世界に入る。高校の卒業を待たずして、北海道の千歳国際牧場で修行。その後は滋賀の湘南牧場、トレセン近郊のグリーンウッドに勤め競馬学校に入学。卒業後、池江厩舎に所属。持ち乗りを経て攻め専の調教助手に。モットーは「馬1頭ずつ個々の個性を大切にする」こと。目標は「厩舎全体のことを把握できるように頑張る」こと。業界一といっても過言ではないビッグステーブルのムードメーカー的な存在。