最内枠から負けて強しの桜花賞 距離延長で逆転だ ラッキーライラック
2018/5/16(水)
-:馬は難しいですね。
丸:でも、分かりやすいでしょ。人間はカレンダーを見て、明日早いなと分かっているけど、(馬は)おそらく分かっていない。ご飯を食べている時に「うわっ、みんな出て来たよ」みたいなね。それが若い馬には分からないし、これからそれを察知していくようにもなっていくだろうけど。
-:でも、若い馬にしたら、今のところは百点満点の頑張り屋さんですね。
丸:よく我慢していると思いますよ。頑張り屋さんですね。ちゃんと促せば出るし、競馬でも素直だなと。
-:レースではアーモンドアイとマッチレースをする訳ではなくて、他の16頭も一緒に走る訳だから、色々難しいこともあるでしょうけどね。
丸:多分、桜花賞でジョッキー心理としては、抜けて前に出た時にホッとしたのだろうなと思います。見えないところから一気にアーモンドアイが来ているでしょ。だから、それも踏まえてのあの心理ですよね。重圧が本当にすごかったと思うから。
-:でも、桜花賞が終わった後、石橋騎手が続投ということで、今の時代、2着でも乗り替わりが珍しくない世界ですから。
丸:敗因についてあまり言わなかったし「勝ち馬が強かった」とだけにして、それはやっぱりソッとしておこうというのがあったのでしょうね。だから、負けたのは早仕掛けがどうこうと言われるかもしれないけど、いやそんなことはないと。あの人気の1番枠で出さなきゃしょうがないし、包まれて終わってしまった方がもっと大問題になっているだろうから。
-:勝ち馬がアーモンドアイで、後ろで溜めていて差してきた馬だけど、それを石橋ジョッキーがレース中に分かって、アーモンドアイに合わせて溜めるというのは無理ですからね。
丸:ただ、担当馬だからなどじゃなくて、普通に競馬だけを観た時に、58秒で速かったけど、アーモンドアイは1秒遅く追走しているのにガッポリ空いていたのはなぜかと言うと、やっぱりラッキーライラックを見て競馬をしているグループがいるから、ガッポリ空いている訳で、競馬に参加しているのはこっちなんですよね。
-:もう1回、向こうはラッキーライラックを気にしながらの競馬になります。
丸:気にするかな。またアーモンドアイの競馬をするんじゃないですか。
桜花賞ではアーモンドアイが大外からただ1頭だけ伸びてきた
「負けたのは早仕掛けがどうこうと言われるかもしれないけど、そんなことはない。アーモンドアイが出て来てくれて良かった」
-:オークスと言えば、レッドディザイアも思い出の1戦です。
丸:ブエナビスタに負けているんでね。
-:あの時もブエナビスタがギリギリ来ましたかね。かなり際どかったですね。
丸:そうそう。
-:今度は幹夫厩舎が勝つ番ですね。
丸:勝って欲しいですけどね。負けはしたけど、やっぱりすごい馬だなと思うので。
-:対アーモンドアイを考えたら、先行している馬で良い感じの併せ馬でバテ過ぎず、頑張ってくれる目標になる馬が欲しくないですか。
丸:そうそう。
-:いつも、けっこう先に抜けられる力があるものだから。
丸:一瞬で出ちゃうからね。だから、もうちょっと頑張ってくれる馬がいた方が良いのかなというのはあるけど。桜花賞の時の4レースでジョッキーと会った時に、止めた馬(アマルフィコースト)が逃げる予定だったので、その後ろを思い描いていただろうから。
-:そこも、心理的に誤算だった訳ですね。
丸:そうそう。もう本当にしんどかったんだろうなと。そこで崩れなかったというのも、やっぱり評価してあげなくちゃいけないし。だって、桜花賞の1番人気馬ですからね。未勝利戦の1番人気馬とはちょっと違うのでね。
-:オークスではラッキーライラックの応援もしつつ、石橋脩の応援もしつつ、日本でもこういうコンビがでてきて嬉しいですね。
丸:そうですね。だから、本当にアーモンドアイが出て来てくれて良かったなと思って。ダービーに行くなどという話もあったみたいだから、出て来てくれて良かったなと。
-:もう1回やれるので、ここで白黒つけて下さい。桜花賞からずっと応援してくれているファンもいると思うので、最後にメッセージをお願いできますか。
丸:負けはしましたけど、力は見せてくれているので、まだそういうのを背負わせるには馬が若いかなと思うのですけど、馬も一生懸命頑張っているので、見捨てずに応援してあげて下さい。
-:パドックでの体を楽しみに応援しています。
丸:はい。
-:ありがとうございます。
プロフィール
【丸内 永舟】 Eishu Maruuchi
高校中退後の17歳から湖南牧場に7年間務め、24歳の時にJRAの厩務員過程に合格。栗東・山本正司厩舎でヘヴンリーロマンスを担当する。2007年に山本厩舎が解散し、ヘヴンリーロマンスの主戦騎手だった松永幹夫厩舎へ。これまでアウォーディー、ラニ、ラッキーライラックといった松永幹厩舎の看板馬を担当している。