ファインニードル 力も状態も去年とは違う! 真の短距離王へ視界良好
2018/9/23(日)
-:例えば、競走馬はどの馬もちょっと臆病な面があると思いますけど、メンコもしていますし、内枠と外枠ではどっちが競馬はしやすいですか。
鵜:コース形態によるかもしれないですけど……。「内で包まれてゴチャゴチャするよりは外の方が良い」とは言っていましたね。
-:ただ、スタートはけっこう良い馬なんですよね。
鵜:そうですね。去年のセントウルSもそうだったのですが、けっこう二の脚は速いみたいですね。
-:パドックでの好調の見分け方というのがあったら、教えて下さい。
鵜:普通に歩いているのが一番ですね。パドックでイレ込む訳でもないので。
-:1200mのパドックと2000mを使いような馬のパドックは全然違うと思うのですが、1200mを使うような馬のパドックはけっこうイレ込み気味でも良いと言えば良いじゃないですか。
鵜:先行するような馬だったら、多分そうでしょうね。汗かきでも。でも、落ち着いていた方が良いですかね。休み明けだとたまに発汗することもありますけど、基本的に大人しくて、落ち着いていますよね。古馬になって、なおさらムキになって行くことがなくなったというか、追い切りと競馬しか一生懸命走らないというか、あとは良い意味で、普通キャンターだと流して走っているような感じなので。それで競馬の直前になると、自分で体をつくってくるというか、自分で食べる量を計算しているのか、勝手に残したりしているので、選んで食べている感じですね。
-:頼もしい相棒ですね。
鵜:賢いですね。
「リズムだと言っていましたね。川田君(騎手)はいつも『リズム、リズムだ』と言っていますね。自分のペースを守れれば走れる感じですね」
-:関西もそうなのですが、異常に雨が多い最近の気候で、中山も晴れたら多分好時計が出ると思うのですが、この雨が残る可能性もあるじゃないですか。それでもこの馬にとっては別に苦にしないですか。発表は重でしたけど、下自体が綺麗だったから、実質稍重みたいな感じでしたね。
鵜:そうですね。前走は重でしたけど……。開幕週でもあって、それでも重で勝っていて、それから阪神の準オープンの時でもタイレコードは出していて、その時は57.5キロだったのですが、どちらでも対応出来るのかなと思っているんですけどね。それでマイペースで行けば、ポジションも気にしないし。
-:馬場云々よりもちゃんと自分のペースを刻めるかということですね。
鵜:リズムだと言っていましたね。川田君(騎手)はいつも「リズム、リズム」だと言っていますね。自分のペースを守れれば走れる感じですね。よく他の人にも聞かれているのですが、1200mなので1回不利があると、もう立て直しが利かないので、一番スムーズに来た馬が勝つと思っているんですけどね。
-:そういう面では、多分ファインニードルが1番人気になると思うのですが、状態もそうですけど、枠順や他の馬との並びが大きいですね。
鵜:そうですね。邪魔されたりしない、マイペースで行けるのだとしたら、外枠の方が良いのかなと思いますけど、何が何でも行かなきゃダメという訳ではないので。今回のメンバーは前に行く馬が多いんですよね。そういうのに巻き込まれないようにというか、そういう馬がいるんだったら、どうぞ行って下さい、と。
「けっこう『勝つ時と負ける時の差が激しい』と言われるのですが、僕の中ではけっこう負けている時の敗因がシッカリしているので
-:むしろこの間のセントウルSに近いレース展開になるかもしれませんね。
鵜:そうですね。そうなってくると、内側より外の方がみんなを見ながら行けるのかなとは思いますけどね。
-:厩舎も好調なので。今度は1番人気ですね。
鵜:あんまり人気は気にしなかったですけどね。とは言っても、高松宮記念の時は2番人気でしたし、1番人気でマークされる方が嫌かなと思いますけどね。
-:去年のスプリンターズSは6番人気で12着に負けたのですが、その時からファンの評価はガラッと変わって、格を上げられた訳じゃないですか。
鵜:格と言うより、けっこう「勝つ時と負ける時の差が激しい」と言われるのですが、僕の中ではけっこう負けている時の敗因がシッカリしているので。僕の中では、不利があった時と1400mを使った時とチグハグになった時以外は、ほぼ来ているので。だから、そんなに成績が不安定であるとは思っていなくて。
-:それが、川田ジョッキーが言われるリズムということですね。
鵜:そうだと思うんですけどね。それはハッキリしているので、不利があったらしょうがないという気はしますけどね。
-:あと1週ありますけども、来週はそこまで速い調教が必要ないくらいまでに仕上がっているということですね。
鵜:そうですね。「中2週なので、そんなにメッキリハッキリはやらないで使おう」ということにはなっていますけどね。
-:でも、今朝の追い切りが出来たくらい、疲れもなく順調に来ているということですね。
鵜:そうですね。無理せず、これだけ走れているという。
-:中2週だったら、もうちょっと軽い調整で出てくる馬もいるかもしれませんからね。
鵜:そうですね。週末もそんなにやらないで、来週サッとやってという感じになると思うんですけどね。
-:最初に聞かせていただいた通り「セントウルSはそんなに自信満々に挑んだ訳じゃなかった」というところから、上積みは見込めますからね。
鵜:そうですね。去年の時の方が勝ちたくて、勝ちたくて、しょうがなかったですけどね。今年は勝ちたいですけど、いい意味で負けても仕方ないかなという感じはしていますけどね。
-:2個目のG1を獲って下さいよ。
鵜:獲りたいですけどね。最後に表彰されたら、一番嬉しいんですけどね。それが一番ですね。
-:最優秀短距離馬ということですね。
鵜:はい。それが一番嬉しいですけどね。
-:勝てば当確じゃないですか。
鵜:そうなんですかね。スプリントのG1は年間2つしかないので、2つ獲れるのなら、それはすごいと思いますけどね。
-:スプリンターズSの先まで楽しみになるような馬ですね。
鵜:そうですね。年齢的にもまだ5歳ですからね。春に香港に行った後でも、スプリンターズSを狙うということはずっと決まっていて、何ともなければ、セントウルS~スプリンターズSということでした。体調が整わなければスプリンターズSに一本勝負、という感じで来ていて、それで今セントウルS~スプリンターズSを走るのですが、その後は何も決めていなかった状態なので、何もなければ、終わってから決めることなので。
-:とりあえずは1週間後のスプリンターズSに集中するということですね。
鵜:そうですね。その結果次第ですね。
-:ファインニードルを応援しているファンが大勢いると思うので、最後にメッセージをお願い出来ますか。
鵜:結局、今年は4戦して3勝しているくらい充実してきて、1番人気になりそうなスプリンターズSで勝ち負けして、最優秀スプリンターを獲れれば良いなというのが、今の一番の目標なので、それに向かって頑張っていくので、応援して下さい。
-:ありがとうございました。
プロフィール
【鵜木 陸宣】Yoshinori Unoki
北海道浦河町出身、実家が生産牧場で兄はノーザンファームで勤務している。
高校卒業後、BTCの研修を経て、アイルランドとイギリスにあわせて約3年の海外研修へ。アイルランドはアイリッシュ・ナショナルスタッドという国営の生産牧場、イギリスではヨークシャーの厩舎やニューマーケットのサー・マーク・プレスコット厩舎で経験を積んだ。それから競馬学校厩務員過程を経て、野村彰彦厩舎に配属され、現在の高橋義忠厩舎に。
仕事上のモットーは「Simple is best。あまり求め過ぎないというか、若かった時は色々ああしたい、こうしたいというのがやっぱりすごく一杯あって乗るけど、あんまり人間がムキになっていじり過ぎるよりは、必要最低限の指示を聞けるくらいの感じになっていれば構わないのかなと。あんまり人間が指示し過ぎても、けっこういじける馬もいるし、真っ直ぐ走って、コーナーを曲がって、止まって、スタート出来ればくらいに単純に考えた方が、シンプルに考えた方が良いのかなという気がしますけどね」と語る。