
パフォーマプロミス 1年前は有馬前日の同舞台で勝利 遅咲き6歳馬の挑戦
2018/12/16(日)
-:今回、2度目のG1挑戦となる有馬記念で、中山の2500mですが、宝塚記念より1キロ軽くなって、その点はちょっとプラス材料ですか。
瀬:そうですね。プラスだと思っています。
-:去年の同じ時期に、中山のグレイトフルSというレースで、コース自体は経験しているのですね。
瀬:あの時は戸崎騎手が完璧に乗ってくれました。好位からポンと抜けて、後ろの馬を完封したみたいな感じの競馬だったので、ああいう競馬がパフォーマの勝ちパターンかなと思っていたんですけどね。
-:この時の勝ちタイムが2分34秒1でしたね。
瀬:去年は準オープンだったんですけど、本当は(攻め専の調教助手)田代さんも「アルゼンチン共和国杯を使って、有馬記念に行けるレベルの馬じゃないか」ということを言っていましたが、調教師は「まだだ」みたいな感じでしたね。それでグレイトフルSを使って、時計だけ考えたら、有馬記念の6着でしたけど、やっぱりまだ足りなかったですね。そこから1年経って、どれくらいやれるのかなと思っていますよね。

-:宝塚記念は上回りたいですよね。
瀬:でも、宝塚記念よりもだいぶメンバーが揃う感じがありますよね。
-:ただ、この馬は成績が良い時季が冬に固まっているじゃないですか。11~12月は調子が良いですね。
瀬:ええ、暑いのがダメですね。
-:「サイズ的にも小さい」という話でしたけど、この間は+6キロで、輸送しても減らなくて、やや回復していましたね。
瀬:初めてあんな体重で出られましたね。輸送してガタッと減るんですけど、だいぶ精神的にも強くなってきたのかなと。調教師も色々なところで使って、馬に経験させてくれているような感じもあるし、「馬にとって大事なのはやっぱり経験や」と言っているので。
-:宝塚記念を使って、強敵相手と戦って、1回委縮して負けたみたいなところがありますけど、その経験を活かして今回、ということですね。
瀬:活かしてくれたら良いかなと。前走後もすごく良い感じでしたね。田代さんも「1本目の追い切りとしては十分」ということでしたね。競馬まで大体スケジュールが決まっているので、あとは調教師とキッチリ話をして。

-:この間の体重くらいで出られるのが理想ですね。
瀬:今の感じだと、馬が合わしているのかどうか分からないですけど、結局450キロくらいで収まっちゃうんですよね。デビューしてからもそんなに増えなくて、調教師も増えてきて欲しいみたいですね。確かにデビューした時から、大概パドックに行ったら見た目はそんなに褒められないというか…(笑)。
-:あまり毛艶が良い時はないのですか。
瀬:今でもあの馬にとってはだいぶ良い方だと思います。他の馬からしたら、やっぱり目立たないですね。でも、パフォーマなりには毛艶は良いと思います。
-:得意な時季ですしね。
瀬:やってくれると思いますけど、本当に油断は出来ないですけどね。本当にゲートを切って、ちゃんとゴール板を切るまでは。
-:トレセンでの普段の気性や性格はどんな感じなのですか。
瀬:もともとやっぱり賢いですね。けっこう、ヤンチャなことはしますけど、やっぱり人をよく見ていますよね。
-:ステイゴールドらしいヤンチャっぷりというのはありますか。
瀬:牧場やだったらすごく立ち上がったり、トレセンでもたまにやるんですけど、気を付けていれば、今のところは。でも、立ち上がったら、下りてこないですもん、ハハハ。
-:それだけ下半身というか、トモが強いのですね。
瀬:立ってひっくり返るような感じじゃないですね。

▲クリスチャン・デムーロ騎手が騎乗して1週前追い切り
-:ちなみに、今回はクリスチャン・デムーロ騎手ですね。
瀬:どんな乗り手でも、今のところ、大概「乗りやすくて賢い」と言ってくれているし、田代さんがキッチリ攻め馬をしてくれているので。
-:ただ、デビューから換算しても、けっこう良い状態で出られるんじゃないですか。
瀬:油断は出来ないですけど、今のところは。
-:「泣き」の体質なんですね。
瀬:逆に分かりやすいというか、すぐに見せてくれるので。
-:仮病かもしれないですね。
瀬:そうなんですよ。次の日に治っているんですよね。昨日は何やったんや、と思ってね(笑)。
-:男馬にはよくあることですね。
瀬:そうなんですよ。変に我慢されるよりは分かりやすいかなと。
「距離は問題ないと思いますね。個人的には出走出来て、勝ちが付いてきたら最高ですけどね。まずはちゃんと出走して、ちゃんとゴール板を切れることですね」
-:事前に察知した方が良いですからね。最後に、大一番の有馬記念に向けて、宝塚記念で4番人気ということはかなり支持していたファンがいると思うので、今回もう1回この馬を、と思っている人もいると思いますし、距離が延びますからね。
瀬:距離は問題ないと思いますね。でも、僕の中ではこの馬がちゃんと競馬で走れることが…。結果は馬が残してくれるので、個人的には出走出来て、勝ちが付いてきたら最高ですけどね。まずはちゃんと出走して、ちゃんとゴール板を切れることですね。
-:宝塚記念の時も「他の馬に気を使っていた」という話ですけど、パドックで今日は堂々としているなといった、何か目安みたいなものがあったら教えていただけますか。
瀬:僕もひたすらパドックは引っ掛かっているので、本当にパドックは地獄ですよ、ハハハ(笑)。
-:それは元気が良い証拠ですね。瀬戸さんがちょっと引っ張られるくらいの方が良いということですね。
瀬:そうそう。僕が引っ掛かっていたら、いつものパフォーマだと思ってくれたら良いですね。
-:その時は全力を発揮出来るということですね。アルゼンチン共和国杯の時もけっこうしんどかったですか。
瀬:常に、僕はすごい格好で引っ張っていると思うので、ハハハ(笑)。あの馬の時はいつも全力ですね。
-:2人曳きですか。
瀬:いや、なぜか知らないですけど、それで勝っているからか、田代さんにも「G1でも絶対に引っ張らへんからな」と言われて。G1でも1人で引っ張っていました(笑)。
-:瀬戸さんが苦労しているのを見れば、安心したら良いということですね。
瀬:そういうことだと思います。毎回、前の馬に乗っかりそうになるくらいの感じで引っ張っていると思うので。
-:それが好調のサインだということですね。
瀬:ちゃんと出走出来るように。
-:ありがとうございました。

プロフィール
【瀬戸 敬文】Takafumi Seto
大阪府吹田市出身。もともとスポーツが好きだった幼少期にラジオで偶然「オグリコール」を耳にして、競馬を知る。その後はダービースタリオンで競馬を覚え、高校生の頃から競馬の仕事を意識する。高校卒業後、大学進学も試みたが、結果的に乗馬クラブを経て愛知県のイクタトレーニングファームへ。JRA厩務員課程へ受かるまでは数年を要したが、20代半ばの時に合格。卒業してからは藤原英昭厩舎へ。
仕事上のモットーは「毎日当たり前に、1日に流れをそんなに変えないイメージでやっていますね。それで、何かおかしかったら、おかしいのかなと感じとるというか」と語る。今年は「良い馬をやらせてもらっていますもん」と謙遜するが、厩舎の中でも担当者別ではトップクラスの勝ち星を挙げている。