キセキ 秋4戦目、前走はレコード 常識を覆しミラクル起こすか
2018/12/20(木)
-:中山の2500と言えば、今年の3月に嫌な思いをした日経賞という舞台と全く一緒ですね。
清:そうですね。舞台設定は一緒なのですが、キセキの精神面であったり、状態面であったり、今はあの時とは全然違います。毎日王冠からジャパンCまで3戦しましたけど、レースの組み立ても使い毎に非常に良くなってきているので。舞台設定が中山に替わっても、こういう過程を踏まえて今のキセキの状況であれば、ああいう日経賞のレースは参考にならないのかなと思っていますけどね。
-:僕らファンもあのイメージではなく、秋のキセキのイメージで有馬記念を予想すべきですね。
清:そうですね。そういう風に思ってもらう方がありがたいですね。
-:ただ、1年前から考えると、すごく回復してくれましたね。
清:苦しい部分もたくさんありましたし、もどかしいという思いを持ちながら、なかなか結果が出せずに、去年の菊花賞の後、ファンであったり、キセキに対する評価が非常に高かったので。そこから香港であり、また帰ってきてからのレースであったりというところで、その期待を裏切っていたもどかしさ、悔しさであったりところで…。
この秋は1戦を重ねる毎に、キセキ自身がみんなの気持ちを考える上で、そう復活を思わせる確固たる信用すべき存在だと思わすように、自分で掴んできたと思っているので。今回は、常識的にはやっぱり厳しいローテーションという中での最後のグランプリなので、心配するところもあると思うんですけど、今は出走する態勢を迎えたところでは、非常に良い雰囲気を継続していると思うので。ファンの期待を背負って、僕らもそこに応えていきたいという思いもあるので、そこを代弁して最後はしっかり走って欲しいなと思いますけどね。
「この後、目指すべきというのは先々ではありますが、こうやって出走に向けてスタッフの協力を得ながら、秋は毎日王冠から厳しいメンバーと戦いながら高い評価を得るところまで来たので…。年末の大一番なので、そこまでモチベーションの維持であったり、ファンの思いを代弁するべき状態にはあると思うので」
-:ファン以上に清山さんが一番、キセキに対しては何とかあと1戦は持ってくれという思いが強いと思うのですが。
清:この後、目指すべきというのは先々ではありますが、こうやって出走に向けてスタッフの協力を得ながら、秋は毎日王冠から厳しいメンバーと戦いながら高い評価を得るところまで来たので…。年末の大一番なので、そこまでモチベーションの維持であったり、ファンの思いを代弁するべき状態にはあると思うので。
-:秋は3、3、2着と来て、出来れば1で終われたら良いですね。
清:そこは僕もそう思います。やっぱり他の陣営も勝利を目指して挑んでくるので、土俵に上がればみんな一緒の状況だと思いますが、その中でもキセキの力をしっかり発揮出来る状態で送り出してあげるのが僕の仕事だと思うので。そこに集中して、今は残りの時間を大切にしたいなと思っていますね。
-:レースまであと何日かですけど、明日(12月19日)の直前追い切りを控えています。今のところどんなプランを立てているのですか。
清:これだけレースを重ねてきていますし、必要以上の激しい負荷というのはもう必要ないと思います。レースに向けての大事なテーマというのはやっぱり色々とあるのですが、リズムであったり、テンションであったり、事細かなこともたくさんあります。そういうことを確認しながらですね。
-:その「細かいこと」を少しだけでも教えていただけますか。
清:これだけレースを繰り返してくると、やっぱり賢いので、ある程度、速いところをやると自然と気持ちが乗ってきたり、スピードアップしようとしたりするところもあるんですけど、そのコントロールを上手く従順に従えるのか。あとは従った後のそういうリズムであったり、フォームであったり、体の使い方であったり、こちらが思うようにちゃんと体が使えるのかとか、手前の変換であったりですね。
-:手前の変換に関しては、左回りと右回りでの違いというのは何かありますか。
清:いや、この子はそういうところは全然ないので。
-:時季的にクリスマスが控えておりまして、輸送の時間とかそういう渋滞に関しては、馬運車の会社と相談して、渋滞を緩和する対策を何かするようなことはあるのですか。
清:いつもよりはちょっとだけ早めに出発させてもらおうかなとは思っているんですけど、輸送の道中は、賢くて無駄な労力を使わないのでね。輸送中も馬運車の中でカイバも食べれる子なので。出来れば、渋滞がない方がありがたいですけどね。
-:多分上位人気に支持されると思うので、最後の有馬記念でエールを送るボーナスを増やそうと思っているファンの方にお願いします。
清:ジャパンCでは2着に来て、馬券を買ってくれた方もいると思うんですけど、有馬記念はさらに盛り上がるレースだと思います。ファン投票でも支持を受けれるというのはありがたいことですし、その支持に応えられるように、キセキの走りをちゃんとしっかりしてくれれば。
レースを観て、感動出来るレースを提供出来る存在だと思うので、馬券も大事ですけど、寒い中でも競馬場まで足を運んでもらって、直に一緒に観てもらって、少なからずのたくさんいるファンと一緒に感動してもらえれば…。僕はそちらの方が一番嬉しいかなと思いますね。
-:忙しい時期にありがとうございます。
プロフィール
【清山 宏明】Hiroaki Kiyoyama
鹿児島県出身。競馬学校騎手課程第2期生で、同期には横山典弘騎手や松永幹夫調教師がいる。騎手としては重賞4勝を含むJRA通算141勝の成績を残し、2002年に引退。重賞の舞台で、人気薄ながら2度の逃げ切り勝ちを決めたロンシャンボーイとの個性派コンビでも名を馳せた。 引退後は領家政蔵厩舎から調教助手としてのキャリアをスタート。これまでにウオッカやディアデラノビア、ラキシスなどの調教を担当したことでも知られている。