日本でも頂点を極める。ドバイ国際競走にアーモンドアイとレイデオロで挑むノーザンファーム天栄は、翌日3月31日(日)の大阪杯(G1)で、ブラストワンピースとステルヴィオのG1馬2頭を送り込む。ともに内回りの2000mという舞台設定が鍵となるが、木実谷雄太場長は「成長」をキーワードに挙げ、2日連続のG1制覇へ向けた意気込みを語った。(取材、構成=競馬ラボ・狩野)

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ブラストワンピース「回復具合はすごく良い」

-:ドバイ国際競走の翌日に行われる大阪杯(G1)には、ブラストワンピース(牡4、美浦・大竹厩舎)とステルヴィオ(牡4、美浦・木村厩舎)を送り出されます。ブラストワンピースは有馬記念の前に「以前よりレース後の回復が早くなった」とおっしゃっていて、見事にG1タイトルを獲得しました。

木:デビューから一貫して間隔を空けながら使ってきましたが、特に菊花賞の後は回復が早かったです。有馬記念の後も回復具合はすごく良いのですが、体質面での成長をこの馬にも感じています。

-:2500mの有馬記念を勝って、今春の目標を大阪杯に設定された経緯を教えてください。

木:天皇賞(春)は距離も長く、毎年時計も速いので消耗の大きなレースになる傾向があります。また菊花賞が京都の3コーナーからの下り坂を上手くクリアできなかったような負け方に感じましたので、大竹調教師と協議して今年の始動戦を大阪杯に決めさせていただきました。

木実谷雄太場長

有馬記念を制したブラストワンピース

-:距離に関してはいかがですか?

木:2000mは新潟記念を勝っていますし、1800mでも2勝していますから気にしていません。

-:コーナー4つの内回りコースに変わります。

木:ゲートの中で前掻きして出負けしたこともあるように、スタートに課題がある馬です。大阪杯は内回りで、コーナー4回のレイアウトですので、スタートから1コーナーまでにどのポジションを取れるかということが大きなカギになりそうです。大きな馬ですから、あまり狭いところに入るような形は得意ではない気がします。今回はある程度、マークされる立場ですからスムーズに運ばせてはくれないかもしれませんが、有馬記念のように自分のタイミングでスパートできる形が理想だと思います。

ステルヴィオは「ある程度の位置取れる」

-:昨年マイルCSを勝ったステルヴィオは、中山記念から始動して3着でした。丸山騎手との初コンビでしたが、振り返っていかがでしょうか?

木:最後は上位の2頭と脚色が一緒になってしまいましたが、上がりはメンバー最速でした。ジョッキーも初騎乗でしたし、本番に向けての試走という意味では上々の内容だったと思います。

-:こちらも距離が……という不安が聞こえそうなタイプですが?

木:普段は割とテンションが上がりやすいのですが、レース中は折り合いもつくタイプですし、距離に関しては心配していません。昨年は皐月賞の時をはじめ、後方からのレースが多かったのですが、最近はスタートからある程度の位置が取れるようになってきました。ブラストワンピース同様、1コーナーまでにある程度のポジションを取ることができればと思います。

木実谷雄太場長

マイルCSを制したステルヴィオ

-:マイルCSや毎日王冠など、直線の長いコースで末脚を生かす競馬で実績を残しています。小回りでも好走しているとはいえ、どちらが向いていると見ていますか?

木:実際に広いコースも小回りコースもこなしていますし、どちらがいいかということはないと思います。マイルCSでは内に潜りこむ競馬もできましたし、立ち回りのパターンを多く持っているのは武器になると思います。

躍進の秘訣は3歳時の「見極め」

-:現4歳世代は、アーモンドアイも含めて大きなアクシデントもなくG1馬まで上り詰めました。3歳の春までゆったりとしたローテーションを組んで使ってきた成果が出ましたか?

木:意識的に「ゆったりした」ローテーションを組んできたわけではなく、あくまで馬の成長に合わせていったらこのようなローテーションになったというだけです。以前からお話しているように、成長期における各馬のコンディションの見極めが、将来活躍させていく上で一番重要だと考えています。当然春のクラシックレースは日程が決まっていて、牧場サイドとしても勝ちたいわけですから使わなければなりません。その中で目標のレースにいい状態で臨むためにどのようなローテーションを組んでいくか。これからも馬の素質の芽を絶やさないよう、しっかりと見極めていきたいと思います。

-:2日連続のG1制覇がかかります。意気込みをお願いします。

木:やはり、どちらも出走するからには結果を残さなければ意味がないと思っています。当然両方勝ちたいですし、出るからにはどのレースにも勝ちたい気持ちを常に持っています。ドバイに関して言えば、国内だけでなく世界中から注目を浴びるわけですし、大阪杯の方もGⅠ馬の名に恥じないレースをお見せしなければなりません。それぞれの馬に携わる全てのスタッフが力を合わせてここまできましたので、是非応援していただければと思います。

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