元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
Go Straight(5番55kg ストレイトガール)
2015/5/21(木)
先週の競馬の話に行きましょう。東京競馬場では牝馬の戦い、ヴィクトリアマイルが行われました。戦前の予想では強い4歳組、特にヌーヴォレコルトが断然の人気をしていましたが、臥牙丸関と同じように真っ直ぐと自分の競馬を貫いたストレイトガールが初G1を手にしました。まさに若いものには、まだまだ負けないとオバサンパワーが炸裂しましたね!!
本来、ストレイトガールは強い馬で、高松宮記念でも人気をしたりしていたのですが、いかんせん馬場に泣かされ、運のないレースが多かったのですが、今回は良馬場で、乗り替わった戸崎騎手の好判断もあり、勝った瞬間、やっと勝てたか!という思いがこみ上げてきました。一頭ずつのタイムで競うレースであれば、何個G1を取っているか分かりません。しかし、競馬は違います。その中で勝利できるのは全てが噛み合った馬だと思います。何度も何度も挑戦したG1の舞台で勝利した当馬は、詰まっていたケチャップがドバッとでるように勝利していくかもしれません。今後も目が離せない一頭となりました!!
そして、今回のレースではG1史上最高金額の馬券が出ましたね!その立役者は穴馬と言えばの江田照男君でした。江田君は昔から騎乗技術には定評があり、独特のレースセンスを持っているのが、この舞台で活きましたね。あれだけ早いペースで逃げていたにも関わらず、良く最後まで馬を粘らせた技術は、本当に素晴らしかったです。そして、人気していたヌーヴォやディアデラマドレには今回のレースは少し短かった印象でしたね。馬は、成長と共に得意な距離が変化したりするのですが、勿論、適性だったとは言えませんが、今回はその点が見受けられた残念な結果となりました。
牝馬の戦いは3歳牝馬の戦いへと移ります。牝馬クラシック第2戦オークスが今週行われます。前回の桜花賞ではストレイトガールと同じ馬主 廣崎さんのレッツゴードンキが単騎スローの逃げからの圧勝だったことからも、全ての馬の力比べができていない状態での第2戦となるため、予想もかなり難しいものになると思います。その中で、私の注目はクルミナルになりますね。前走では脅威の末脚を見せた馬ですし、何よりG1キラー池添騎手とのコンビからも、今回は長い直線を活かした競馬をすれば勝利が見えてくるのではないでしょうか。しかし、それに待ったをかけるのは桜花賞で断トツの1番人気だったルージュバックではないでしょうか。切れ味勝負では、こちらも負けてはいませんからね。その他にもアンドリエッテにミッキークイーンと選べないほど、良い馬がいますね。
しかし、最近のG1レースでは切れ味勝負と言うよりも、先行してからの抜け出しで決着することからも器用さも求められる戦いとなるかもしれません。そうなると怖い馬としてはキャットコインやクイーンズリング、さらに現3歳女王レッツゴードンキになるでしょうね。特にクイーンズリングが内枠を引けば、一発逆転も見られるかもしれませんね。今回のプレゼンターは浅尾美和さんに決定したオークス!前走のW藤原に告ぐ、サインは一体何なのか!?三重県出身の3和さんだけに3番?もしくは3ルコ?3ッキークイーン??にも注目してレースを勝ちとってください!!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。