元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
XXXノユメ
2015/6/25(木)
それでは早速、目的でもあった函館スプリントSの話をしましょう。当レースのイメージとしては、意外と古馬が頑張っていることが多いように感じていました。そんな中、勝利したのは、やはり古馬のティーハーフでしたね。函館でデビュー勝ちをした馬で函館2歳SではG1を2勝しているロゴタイプを4着に抑え、3着になっていた函館巧者(小回り)だったんです。それにしても、今回は良い脚を使いましたね。短い直線と小さいコースを考えた位置取りは素晴らしいの一言でした。
人気になっていたコパノリチャードは前半の速いペースについていけませんでしたね。洋芝が合っていないのか、それとも歳なのか不明ではありますが少し残念な結果となってしまいました。そして、残念と言えばローブティサージュでしょうね。馬群から抜け出せるスペースがなく、脚を残したまま終了してしまいました。例年でも多く見る、あの光景は少し残念な思いになりますね。勿論、馬が行く気にならず、ポジションを取れないということもありますが、今回は鞍上の判断ミスもあったのではと思ってしまいますね。馬の力としては、かなりの物があっただけに本当に残念なレースとなってしまいました。
東京のユニコーンSではノンコノユメが末脚を活かし、初めての重賞制覇となりましたね。ノンコとはオーナーのニックネームであり、ノンコノユメの母ノンコから引き継がれた名前で父の日に見事ノンコの夢を叶える親孝行者へとなりました。ルメールも馬の末脚を信じて構え、そして繰り出した上がり最速の脚は砂版のドゥラメンテと呼ぶに相応しいそれだったと思います。今後、この上がり勝負だけでどこまで通用するのか、どこまで勝てるのか見応えのある馬が出てきたなという印象でした。まだまだ続くノンコの夢を私も一緒に見守りたいと思います。
その他にも、阪神で米子Sが行われスマートレイアーが優勝しましたが、ここで私の気になる!が発動しました。今まで、評価は高い馬でしたがスタートが上手くなく、後ろから末脚勝負としていましたが、今回はミルコが騎乗となりましたが、スタート一番、スタートを出ると馬をグイグイと押していくと逃げるオリービンに次いで2番手のポジションへとつけました。騎乗後のコメントでは、やはり朝に降った雨の影響で重くなった馬場と短めの直線を考えた場合にあの位置を取りたかったと言っていましたね。そして、そのポジションを取ってでも上手く折り合える技術こそがミルコの特徴だなと改めて世界の技術を見せてもらえたレースとなりました。お見事なミルコにはアッパレです!!
今週は前半シリーズ最後のG1・宝塚記念が行われます。今年のプレゼンターは元宝塚の真矢ミキさんになり、真矢さんと同じ誕生日の女性ラキシスとデニムアンドルビーにも注目していますが、まず注目を集めるのは同一G1・3連覇がかかっているゴールドシップになるでしょうね。今回は典ちゃんがどのような競馬をするのか非常に楽しみにしています2番手には、ラキシスを挙げたいですね。前走の大阪杯ではキズナが止まったこともありますが、雨でぐちゃぐちゃになった、あの馬場であの脚を出せるんですから非常に楽しみですよね。その他にも穴馬として今回はディアデラマドレを選びたいです。前回にも紹介させてもらった藤岡康太君が前走の様な競馬をできれば一発もあるのではと個人的に楽しみにしています。上半期最後のG1にアナタノユメはどの馬に託しますか!?
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。