元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
今週は3日間開催!
2015/10/8(木)
まず先週のレースを振り返りましょう。先週はダート重賞シリウスSに、そしてG1のスプリンターズSが行われました。シリウスSではダート転戦から2戦目のアウォーディーと天才豊ちゃんのコンビが人気のダノンリバティを退け見事優勝し、重賞300勝を収めましたね。平地で300勝することが難しいのにも関わらず、重賞だけでそれだけの勝利を収められたのは、飽くなき向上心と技術、そしてトップにいるという精神力があったからだと思います。これは偶然ではなく必然の勝利だったと思います。この勝利で12月に行われるチャンピオンCにも明るい道が見えてきましたし、当馬の今後にも注目したいです。そして、3着に敗れたナムラビクターですが、ゲートではウルサイ面がでてしまいましたね。しかし、今回の走りでかなりの手応えを私は感じました。ゲート再試験にはなるでしょうが、この馬の次走からは目が離せません。
日曜日に行われたスプリンターズSでは見事1番人気に答えたストレイトガールがG1・2勝目を手にしました。レースは、宣言通りハクサンムーンとアクティブミノルのハナ争いから始まり、かなり遅いペースとなりました。このペースでは前残りかな?と思いましたがハナ争いで脚を使った分、最後は後方から来た馬達が掲示板を占める結果となりましたね。その前に行われた特別とタイム的に変わらなかったことも今回のレースの特徴となりました。ストレイトガールの戸崎君はそのペースを見ながら、内でじっと構え、迎えた直線で弾けんばかりの脚を一気に開放し、少し狭い所を通り罰金にはなってしまいましたが、あの末脚の手応えを感じていれば出すのには躊躇しなかったでしょうね。
そして、2着には戸崎君とのコンビで今年重賞2勝しているサクラゴスペルが入り、まさに「桜坂」馬券を達成しましたね。私の安易なサインが馬券になると本当に競馬が私としては更に楽しくなりました(笑)。前にいた組で唯一掲示板に残ったミッキーアイルは本当に力をつけてきましたね。競馬の幅を増やし、筋肉量も増えたことで今後はマイルでもスプリントでもやっていけそうですしね。あとは気の悪さを抑えることができ、直線でも力を発揮することができれば、新たな短距離王への道も見えてくるのではないでしょうか。
それでは今週の競馬のお話をしましょう。今週は祝日のため3日間開催です!今回も暗示を感じているので、これはまた何かあるかも知れませんよ。まず土曜日には、いちょうSから名前が変わったサウジアラビアロイヤルCに私の注目馬が出馬します。兄はエックスマーク、そして同じ金子オーナーの所持馬イモータルが出馬してきます。新馬戦では、好意から自然と繰り出した32秒9の末脚はまさに怪物、もしくはジャスタウェイの再来を感じさせます。ここでも、圧勝があれば2歳G1はこの馬で決まるのではと?と期待しています。
日曜日には豪華なメンバーが顔を揃えた毎日王冠が行われます。こちらでの私の注目はアンビシャスです。ノーベル賞を日本人が取得したことでノーベルベルが入っている音無厩舎ということも背中を押している気がします。その他にも斤量も54キロというのも魅力ですし、今回から鞍上がミルコに変わったことも気が悪く引っかかる当馬にとってはプラスだからです。今回が初めての古馬との対戦ということもありますが、それでも相性の良い東京競馬場で3歳馬が古馬をなぎ倒すのではと思っています。2番手にはヴァンセンヌ、イスラボニータが続くような気がしています。その他にもう一頭注目しているのが、重賞6勝(V6)で7勝目(男女7人)のクラレントです。初めに語った暗示はここにかかっているのではと一人、またドキドキしています(笑)。
3日競馬の最後には京都大賞典もあります。こちらの注目は、春に念願のG1を制したラブリーデイになりますね。しかし、休み明けということを踏まえると少し不安が残るのも確かです。その他にもラキシスやカレンミロティック、サウンズオブアースなんかも気になりますね。斤量を活かし、好位抜け出しができればレコンダイトの一撃にも期待しています。
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。