元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
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2016/7/28(木)
それでは札幌ではなく、開催変わり最後の函館で行われました函館2歳Sの話に参りましょう。1番人気にはWSJSに参戦が内定している戸崎君騎乗のモンドキャンノが選ばれ、2番人気には三浦君騎乗のレヴァンテライオンが選ばれましたが、レースはそのレヴァンテライオンが見事に制しました。三浦君にとっては久しぶりの重賞制覇となりましたね。若い時に注目を集めたことで本人も色々なプレッシャーと戦い、そして壁にぶち当たっているように見えましたが、今回のこの勝利で一つ壁を登れたらいいなと思います。レース後には術後の矢作先生のためにもという言葉を聞いた時には、やはり人と人との繋がりも競馬の面白いところだなと改めて思わされたレースでした。
夏の中京では福永君が大暴れとなりました。先々週も多くの勝利を挙げましたが、先週はなんと土日で9勝を挙げる快挙を見せ付けてくれましたね。平場のレースを見ていても、他の騎手が動いていても手を止め、馬場の良い所に出してから追い出し、きっちり差し切るといったレースが多かったと思います。馬が良かったのもありますが、周りが動いていても、馬が強いと信じて乗れているように見えました。信じて乗ると言うのは本当に騎手にとっては難しいことでもあります。その一瞬の判断こそが勝利をわけますからね。その流れが今回の中京記念でも活きたのではないかと思っています。勝利したガリバルディは早くから注目を集めていた素質馬だっただけに、やっとか!という思いと共に、今回の馬場こそが一番の勝因だったのは?とも思います。流れを取り戻し始めた三浦君と流れを掴んだ福永君。この2人が参戦する札幌は要チェックしていきたいと思います。
夏競馬も気付けば一ヶ月が過ぎようとしています。今週からは開催が小倉、新潟、札幌へと舞台を移すため、ファンの皆様も間違えないようにしてくださいね!その中で、新潟と札幌で重賞が早々と行われます。まずは新潟では名物となりました1000mの直線勝負、アイビスサマーダッシュが行われます。注目といえば、やはりベルカントの連覇になりますね。前走ではドバイ帰りで立て直しが難しい中、粘っての③着に食い込みましたからね。そして、今回はひと叩きに加え、新潟千直が得意なミルコに鞍上が戻りますからね。個人的に新潟の千直といえば、ミルコと村田一誠君に注目しているんですよ。そして、2番手にはプリンセスムーンが選ばれるでしょうね。こちらも千直のスペシャリストで、②着以内を外したことがないですからね。その他にはネロなどが挙げられると思います。
札幌では牝馬の戦いクイーンSが行われます。ここでの注目はチェッキーノになりますね。今回が初の古馬との戦いになりますが、斤量も52キロと恵まれるため、まず信頼の置ける馬となりそうです。そして、こちらも鞍上には信頼のおける戸崎君となれば、注目するしかないですね。そして、2番手には先週3勝を挙げた若武者、松若君騎乗のリラヴァティが選ばれそうです。妹シンハライトのライバルだけに、姉としても負けられない一戦になると思います。その他には51キロで出てくるロッテンマイヤーにも注目しています。こちらは、馬の姉妹ではなく、調教師と騎手の兄弟コンビですからね。函館リーディングを獲得した勢いそのままに、一発を見せてもらいたいと思っています。流行にのってポケモンもいいですが、今週は皆さんで競馬場へGO!!!!!!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。