元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
これぞオールスター戦!
2016/10/27(木)
皆様、こんにちは! とうとう秋を飛ばし、冬景色が姿を見せ始めた週となりました。そんな中、我が家では、恒例の孫の音楽会に参加してきました。最後の小学校を楽しむかのように歌う姿を見て、1人ウルウルとしてしまいました。更に演奏では葉加瀬太郎さんの情熱大陸の曲を演奏し、思わず気持ちが上がってしまいましたよ(笑)。
それでは競馬の話に参りましょう。淀の舞台で行われる3000mの挑戦、牡馬クラシック最後の1冠を手にしたのは、サトノダイヤモンドとルメールでした!里見治オーナーにとっては初のGI勝利となり、喜びよりもホッとしたのではないかな?と勝手に思っていました。レースは、スタート直後、兄 藤岡佑介君の怪我により、急遽乗り変わった康太くんがハナを行く展開の中、外からサトノエトワールが行く展開になりました。これによりペースアップし、サトノダイヤモンドとしては、かなり有利な展開となり、折り合いも付きましたね。まるで凱旋門賞で見るラビットの様な感じでした。
迎えた4コーナーでは、サトノダイヤモンドが1頭違う手応えで上がってくると、見事な勝利をあげました!騎乗したルメールにとっては初のクラシック制覇と共に初戦から手綱を握った馬での勝利に、喜びは大きいでしょうね。そして、③着に敗れましたがエアスピネルに乗った豊ちゃんの騎乗は、今年の流行りで言うと神ってましたね!少し、噛むところがあったのが、最後のひと伸びに繋がりませんでしたが、適性とは離れた距離で見せた、あのレースはまさに豊ちゃんだったからだと思わされました。強い馬が勝つ!と言われた菊花賞。今年の勝者も間違いなく強い!と思わされました。
そして、今週はオールスター戦のように豪華メンバーが参加する天皇賞(秋)が行われます。今年は世界一にも選ばれたエイシンヒカリに、電撃のマイル王から進化を遂げた怪物モーリス、復活とリベンジのリアルスティールに、覇者は譲らないラブリーデイに怪物少女ルージュバックとこれぞオールスター戦。ここまで来れば、皆様にとっては好みでどうぞ!と思わず言ってしまうようなレースになりそうです(笑)。東京2000mはすぐにコーナーに入るため、非常に枠も重要なレースですし、アッと驚くレースもあるかもしれません。皆様、馬選びには是非、枠順にも注目して下さいね!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。