元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
グミ
2017/2/2(木)
皆様、こんにちは!最近、息子が買ってきたグミを毎日のように、3つほど食べるのが習慣になってしまった松田です。しかし、最近のグミというのは凄いですね。昔はコーラ味とラムネ味しかなかったのが、エナジー味やらジンジャエール味やフルーツ味など沢山の種類があり、硬さもそれぞれに違い、非常に楽しい食感となっています。私もこのような食べ物があれば、減量中に空腹にごまかしが効いたのになと、ふと現役中のご飯について思い出してしまった今日この頃です。
さて、グミの話は置いておいて、先週の競馬を振り返りましょう。まずはシルクロードSですね。レース前には雨が降り出し、適性が出てしまう馬場に変わってしまった中、勝利したのは勝ちあぐんでいたダンスディレクターと年男 豊ちゃんでしたね。管理する笹田先生のコンビで京都金杯に続く重賞制覇となりました。レースはソルヴェイグがスタート良く飛び出す中、ネロが競りかける展開になりました。1コーナーではネロが寄ってきたことにより、セカンドテーブルの進路が狭くなる危ない場面もありましたね。そんな前のゴチャつきを後方から眺めるように勧めたダンスディレクターが迎えた4コーナーでは、天才豊ちゃんの技術が光りました。
内でタメていた脚をスッと馬場のよい外へと馬を導くと、レベルが違うと言わんばかりのキレ味で全てを飲み込んでの勝利でした。ダンスディレクターにとっては去年からの連覇となり、昨年、体調が整わずに回避した高松宮記念に向けて、絶好のスタートとなったと思います。敗れはしましたが、ソルヴェイグにとっては良いトライアルになったと個人的には考えています。重めで使った上に、ハナはダメと分かりましたし、本番では人気が落ちたところが狙い目になると思います。そして、1番人気に推奨されたネロは、少し不完全燃焼となってしまいました。もう少し、自分の競馬に徹していれば結果は違ったように思えます。本番の高松宮記念では、巻き返してくれることを期待しています。
東京で行われた根岸Sでは、1番人気のカフジテイクが見事な末脚でゴボウ抜きの勝利を収めました。こちらは前走でも最高の末脚を見せていましたし、今回はまさに万全の態勢での勝利だったと思います。福永君も前の週ではインフルエンザでの乗り替わりになり、騎乗予定馬がことごとく掲示板に乗るのを見て、是が非でも勝ちたいところで勝てたと思います。こちらも本番フェブラリーSに向けて、楽しみになった一頭だと思います。コース形態も今回よりも向正面が長くなることで、この馬にとってはコントロールする時間を取れますしね。ベストウォーリアもコースが合っていましたし、最高の競馬を戸崎君がしましたね。その結果の②着ですから次は多くを見込めないとは思います。
今週も京都と東京では重賞が目白押しですよ!なんと言っても注目はきさらぎ賞のサトノアーサーではないでしょうか。デビュー戦こそ、ズブい面を見せ、競馬に不慣れな状態で、何とか能力だけで同着となりましたが、前走では圧巻の走り。レイデオロを脅かす存在になる一頭だと思っています。怪我から復帰の川田君が騎乗となりますが、彼の性格を考えても、乗るからには結果を出してくれると思っています。そして、2番手には馬場からもダンビュライトが挙がると思います。その他に出てくるのであれば、楽しみなムーヴザワールドにも注目したいです。
そして、東京新聞杯ではエアスピネルに注目しています。去年から、この馬はマイルだと思っていましたが、前走でも最大斤量での勝利となり、マカヒキ、サトノダイヤモンドがいなければ三冠も狙えた才能がここでも光輝くのではないかと思っています。2番手には前走は全く競馬ができていなかったヤングマンパワーに期待したいです。イメージとしても左回りのマイルがベストだと思いますし、口向きの悪い馬だけに乗り手を選びますからね。その点でも、今回は頼れる相棒の戸崎君に戻ることはプラスだと思っています。
その他にはブラックスピネルも選ばれるでしょうが、ここは、私は割引で考えています。前走は内枠で出来すぎくらいに恵まれた展開となった中で最大斤量のエアスピネルに負けたうえ、どうしても直線の長い東京が合うというイメージができないからです。今回は騎乗がミルコに変更になり、長く強く追える分がどう出るかですが、馬の適性としては疑問が残ります。ここにスマートオーディンが出ていればという思いもありますが、それは空想。皐月賞と安田記念に向け、まさに試金石となるレースだけに、ファンの皆様は是非、注目してみていてくださいね!皆様にとってメ・グミのレースとなりますように!!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。