元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
今週は夏競馬唯一のG2
2017/8/17(木)
皆様、こんにちは!世間はお盆休みですね。この様な休みを見ると世間のお父さんは大変だなぁ〜と毎年のようにテレビで渋滞情報を眺めています。競馬界にはお正月同様、お盆休みという連休は基本的には生き物相手だけにありませんので、どこか他人事のようなお盆休みです。
祝日から連休で迎えた先週の競馬では、新潟で関屋記念が行われました。レース前にはメートルダールが1番人気に推し出される形となりました。降級からの再昇級後、初めのレースとあって、さすがに人気しすぎではと思いながらレースを見ると、もう誰も止められない素早いスタートを決めたのがマルターズアポジーでした。競馬で唯一、他馬を気にせず出し抜けるのはスタートですが、まさにロケットスタートと呼ぶに相応しいスタートで先行すると、前半早めのペースも何のその、他馬を全てぶっちぎり見事勝利しました。
②着にはウインガニオンが入り、前半に逃げた2頭で前残りという印象を受けますが、これは強い2頭が前だったと言う方が正しいでしょうね。スタートからあのペースでいったマルターズアポジー、そこまでは計算通りだったウインガニオンも、あそこまで止まらないのか?と勝ち馬の強さに白旗をあげたレースだったと思います。両馬共、自分でレースを作れる反面、絡まれた時のモロさはありますが、まだまだ勝ち鞍を期待できる馬だと思います。1番人気のメートルダールはスタート後、あの高速ペースについていくことができず、脚をタメる暇すら与えてもらえなかったと言うことでしょうね。こちらが小倉記念に出ていればと思わされる結果となりました。
お盆休み明けも競馬は休みなしで続きますよ!札幌ではG1昇格を狙う札幌記念、小倉では北九州記念が行われます。何よりも札幌記念ではエアスピネルとルメールの新コンビに注目が集まります。秋の本番ではコンビを組めるレースが少ないことからも、ここを落とすわけにはいかないといったところではないでしょうか。
しかし、充実度では負けていないヤマカツエースもいます。力のいる馬場も合うでしょうし、あとは馬体重だけがポイントになると思います。その他には、モレイラマジックに期待したいマウントロブソンや、去年のように逃げ馬を他馬が軽視するならばロードヴァンドールやマイネルミラノも展開次第と思います!さぁ、休みで充電したパワーで、見事万馬券を手にしてください!!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。