元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
花道を飾る
2018/3/1(木)
皆様、こんにちは!今回のオリンピックは例年以上に盛り上がりましたね。特にカーリングは大きな声援が飛んでいましたね。その中でも有名になったのが「そだね~」ですね。しかし、私を含めて北訛りが3人もいるせいか、我が家では当たり前じゃないの?というようになっていましたよ。多分、それは北海道の人たちも同じでしょうね。しかし、流行語大賞に選ばれるんでしょう。今回のカーリングは初のメダル獲得だけではなく、北海道を有名にしてくれた大会でもあります。よく考えれば、栗東にいる期間が長い私ですが、いまだに北海道を一番に応援していることに気づきました(笑)。
それでは、レースの話をしましょう。日曜日に行われた阪急杯ではレジェンドがレジェンドたる所以を見せつけたレースだったと思います。引退が決まっていた福島先生に引退の大きな花道を飾ったのがダイアナヘイローと豊ちゃんでした。レースはマイペースのレースを番手で進め、無理なく最終コーナーを迎えると、開幕週の前残りを上手く使ったレースで見事な勝利でした。2・3着にはモズアスコットや本番への前哨戦としては上々のレッドファルクスが入りましたね。モズアスコットに関してはここで賞金を勝利で稼げれば高松宮記念へと挑めると思っていましたので、非常に残念ではありますが、レッドファルクスに関しては少し疑問が残る競馬になったにも関わらず、素晴らしい脚を見せてくれたことで、次に向けて万全の準備ができたと思います。
中山記念ではウインブライトが見事な勝利をあげました。戦前、土曜日から芝のレースは必ずと言わんばかりの前残り。これはマルターズアポジーも面白くなるし、2番手に入ればアエロリット。そして、長い脚を使えるウインブライトが一番向くなと思っていましたが、まさに結果はその通りとなりましたね。特殊な展開でも、ジリジリと止まらない脚を鞍上の松岡君も掴んでいるだけに、狙うべくして勝ったレースだったと思います。
逆に展開に泣かされたのはペルシアンナイトとミルコだったのではないでしょうか。あの早いペースに前残りとなり、向正面で動き回れば必ず脚が止まっていたでしょうしね。車に例えるならばガソリン消費が早いうえにニトロダッシュが得意な馬がレース序盤にニトロを使ってしまえば、あとはレースになりませんからね。今回はそう考えればガソリン消費がほどほどで、遅すぎず速すぎない同じ脚が好位から使える馬が一番合ったと思います。2着にはアエロリットが入りましたが、あのペースで差し返す強さ。しかも今回はパドックからカリカリとしていたことからも、鞍上の典ちゃんは本当に上手くなだめ、レースをしたと思います。そして、休み明けで入りすぎた気合を少し減らせることで、春は再度G1制覇に近づいたと思います。
今週は楽しみな弥生賞が行われます。なんと言っても2歳王者ダノンプレミアムの3歳初陣になりますからね。それに対抗して出てくるのがワグネリアンですね。両者の無敗対決にオブセッションが加わることで、大変楽しみなレースになりますね。しかも、本番と同じ舞台だけに、仮想どころか皐月賞のような楽しみがあります。しかし、私はこの3強を崩す馬の出現にも期待しています。
その馬とはリビーリングを推奨したいです。新馬戦では圧巻のパフォーマンで勝ち上がり、前回は控える競馬に挑戦。しかし、私個人の思いではハナを取ることでこの馬の強みが活かされる気がしています。もう一頭がサンリヴァルになります。輸送しても体を増やすほどのタフネスに、結果も出している中山。そのうえに休み前に休み明けが一番楽しみだった一頭ですので、注目しています。皆様の馬券が当たればいいね~!そだね~!!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。