元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
悩んだ17年
2018/6/27(水)
皆様、こんにちは!先日行われた日本対セネガルの一戦は白熱した戦いの中、なんとか勝ち点1を取得することに成功しましたね!これで、次にセネガルが勝てば、自然と決勝トーナメント出場が決定し、引き分けならば、日本も引き分け以上で決勝トーナメント出場が叶います。そして、セネガルが負け、日本も負けた場合は得失点差になるため、非常にシビアな戦いになるであろうと予想しています。しかし、今大会で川島選手のミスが非常に目立ちますね。勝負を決めかねないミスや精細を欠いた動きには少し不満が残ります。しかし、川島選手のコーチングや気合もまた試合には必要な要素となるだけに、難しい選択になると思います。何が起こるのか。西野ジャパンの雄姿に期待しています。
それでは競馬の話に参りましょう。2018年前半戦を締めくくるG1レース宝塚記念が行われました。レースはサイモンラムセスが逃げる中、少し早いくらいのペースで進みましたが、2列目の最内を進んだミッキーロケットと和田君のコンビが見事な勝利をあげました。和田君にとっては17年ぶりのG1制覇となり、あの明るい和田君がゴール後に涙をぬぐうシーンは感動的でした。
思えば師匠であり、自分自身の最高のパートナー、テイエムオペラオーに意地でも乗せ続けてくれた岩元師の引退。そして、和田君と言えば、すぐに出てくるテイエムオペラオー。17年もの間、和田君と言えばテイエムオペラオーと呼ばれるのは非常に凄いことでもあります。そのオペラオーの死。その他にも、賞金記録もキタサンブラックに抜かれたことで、和田君としては一つの幕が何か下りた時だったと思います。その時にオペラオーに勝たせてもらったG1ではなく、自分自身がミッキーロケットと掴み取った勝利は、全てのお世話になった方々へ、騎手・和田竜二としての意地を見せてもらえたと思います。
和田君は騎乗数もかなりの多さです。それは一頭一頭関わる人達が、沢山の中から自分を選んでくれたからこそ、全てを受け入れているのだと思います。その中で、跨った時にこの馬では勝てないと思うこともあると思います。それでも、一つでも前に、一つでも笑顔が増えるように乗る。これをモットーにしているのだと思います。だからこそ、頑張っているのが分かるからこそ、多くの人が素直におめでとうと言えたのだと思います。
今週からは夏競馬開催です!中京・福島・函館の3場での競馬となりますので、お間違えないようにしてくださいね!そんな夏競馬初日には中京でCBC賞、福島ではラジオNIKKEI賞が行われます。CBC賞は秋のスプリンターズSに向けて、大事な一戦となるだけに注目しています。個人的に注目しているのはペイシャフェリシタです。勝ち上がる時のタイムといい、コースといい、今回は万全の条件ではないでしょうか。それに待ったをかけるのは森田厩舎のダイメイ兄弟、ダイメイフジとダイメイプリンセスが気になります。その他には斤量も魅力的なアサクサゲンキやアレスバローズにも注意が必要です。
そして、福島のラジオNIKKEI賞では負けなしのフィエールマンがここでも力の違いを見せてくれるのではないでしょうか。ただ、開幕週の小回りでは何が起こってもおかしくありませんから、軽量の先行組にも注目がいると思います。夏競馬はプチ旅行がてら見に行くのも一つのプラン!是非、夏競馬は競馬場へ!そして、和田君が作り出したような、人と馬が作るドラマをぜひ、その目で見に来てください!!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。