元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
2019スタート
2019/1/9(水)
皆様、こんにちは!明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。まず私はと言うと、例年変わりなくお正月を迎えました。息子家族や娘家族が揃い、楽しくお正月を迎えることができました。毎年思うのは、この変わりのないお正月を迎えられることが一年の始まりであり、一年の中で一番ホッとする瞬間かもしれません。おせちを食べ、孫たちが遊ぶ姿を見られるというのは、例えようのない幸せだと思うようになりました。
さて、そんなお正月気分の前に去年の競馬を振り返りましょう。まずは何といっても有馬記念ですね。勝利したのは最優秀3歳牡馬に選ばれたブラストワンピースでした。デビュー時からこの馬はダービーを取ると思ってきた馬でしたが、運なく取ることはできず、それでも力は本物と信じてきましたが、ここで力を見せてくれましたね。謙一君にとっても非常に大きな勝利だったと思います。菊花賞では消極的なレースをしてしまったことを彼自身も反省しているかのように、今回は馬を信じきった乗り方をしたことが、馬の力を存分に見せられた要因だったと思います。このコンビで今年もレースを観られるのが非常に楽しみになりました。
ホープフルSでは新たな怪物が力を見せつけてくれました。12月はミルコと言わんばかりの活躍がありましたが、その中でもサートゥルナーリア、この馬は別次元にいる走りを見せてくれました。道中からミルコとしては初めての遠征競馬で中山、2000mということを考え控えた競馬をしましたが、逆に目標となることで4コーナーではスペースが無くなりました。しかし、その後が凄かった。馬自身が狭い間に頭を入れ込むと自ら抜け出していきました。これほどまでに自分の力を分かっていて、勝ち切る馬はそうそういません。アーモンドアイを見たときの衝撃と同じような感情を受けました。今年、一番の注目と言ってもいい馬と出会えたことで、復活する角居厩舎とミルコのコンビで世界へと挑戦してほしいと思っています。
今年に入り早速、東西で金杯とシンザン記念が行われました。その中でも注目していたのはシンザン記念の勝ち馬ヴァルディゼールでした。新馬の時の勝ち方はG1を狙えると感じていたのですが、2戦目にしてこの競馬はお見事でした。北村友一君も京都のここしかないという場所を狙った騎乗はお見事でしたし、安易に外々を回す競馬をしなかったことは、今後に活きる競馬だったと思います。楽しみなレースが盛りだくさんで選びきれませんでしたが、今年もよろしくお願いいたします。
そんな楽しみは今週も続きます。今週は何と3日間競馬!中山、京都では熱い戦いがあります。その中でも楽しみなのはフェアリーSですね。今回は登録に25頭あり2勝馬は2頭ですから、他の馬は全て抽選となるだけに、運も馬達にとって非常に大事になってくると思います。その中でも、入れば面白いのがタニノミッションですね。今回は川田君を鞍上に迎えることで、どう出るかでしょうが、難しい馬だけに0か100の競馬になる気がしています。
その他にもルガールカルムにとっては見直すための大事なレースになるでしょうし、アクアミラビリスの才能にも強く興味が湧いています。しかし、それもこれも抽選次第。強い馬には運もある。そういう思いで狙ってみてはいかがでしょうか?抽選次第では大荒れのレースになること間違いなしです!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。