元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
グランメゾン阪神
2019/12/4(水)
皆様、こんにちは!とうとう、師匠も走り出すほど忙しい年末の師走を迎えましたね。我が家も例外ではなく大掃除が始まりました。カーテンを孫が外し、全て洗い、また孫がつけて、その他にも布団や多くのもののクリーニングに毎日汗を流しています。そして、今クールのドラマ達も最終回に向かっていますね。私のイチ推しはグランメゾン東京ですね。本当に面白いドラマだなと思っています。前回も感動させられましたからね!特に及川光博さんの娘役で、フランス人とのハーフ“アメリ“ちゃんにはやられました!是非、最終回までには観てほしいドラマです!
シェフのドラマの話は置いておいて、パティシエ騎手川田君が見事に作り上げた栗ソベリルとのレースを振り返りましょう。先週の日曜日には、中京競馬場でチャンピオンズCが行われクリソベリルが3歳にして、尚かつ、無敗で中央G1を制しました。6戦目での古馬と走るG1勝利は最短となり、すごい記録が達成されました。昨年勝ったルヴァンスレーヴは無敗での勝利ではありませんでしたし、相手としてもゴールドドリームが出ている中で、まさに怪物といった印象を受けました。
母クリソプレーズはマリアライトに続くG1ホースの母となり、更にリアファルに続く重賞馬の母になりました。どこまで優秀なんだという子供たちの活躍に驚いています。これまで少しG1になると安全に乗りすぎていた川田君でしたが、今回は自信を持って無駄のない競馬をしたと思います。彼の中でも、人気に選ばれる中でこれでは勝てないと乗り方を考えることがあったのかなと思いました。世界の名手たちが揃っている今だからこそ、勝負に出たことが勝利の要因になったと思います。
2着にはゴールドドリームが入りましたね。前走は少し物足りなさを感じた内容でしたが、今回の調教でまだ大丈夫だなと思って見ていました。最後の直線で逃げるインティを捕まえに行ったとき、クリソベリルのスペースができなければこちらだと思ったほどでしたから。本当に馬主孝行な馬ですね。次走は分かりませんが、最後のレースになってくるのかなと思っています。3着には逃げたインティが入りましたね。前走で心配されたメンタル面をよく陣営と豊ちゃんが戻したなという印象でした。こちらはまだ粗削りなところもありますし、今後は馬具をつけてスプリント路線やマイル路線に絞ったら更に面白い存在になっていくのではと思っています。
今週は香港国際競走が行われます。情勢が気になる中、アーモンドアイが発熱のため回避となりましたが、それでも楽しみが沢山あります。中でもインティチャンプとビューティージェネレーションの戦いは本当に楽しみです。世界の中でもスプリント路線、マイル路線が本当に強い香港競馬で、日本の馬がどれだけ見せてくれるのか。日本では馬券の発売も決定していますし、是非、馬券を持って応援したいと思います。
日本では阪神ジュベナイルFが行われます。何と言っても注目は、グランメゾン東京ではないですが、グランメゾン阪神に出てくるアメリちゃんこと、リア“アメリ”アではないでしょうか。こちらはアメリカと日本のハーフになりますが、前走でも圧巻のパフォーマンスを見せてくれていましたし、2歳戦に強い中内田厩舎と波に乗った川田君とのコンビで、1着へとエスコートしてくれるのではないかと思っています。
更に良くなっているであろうウーマンズハートとビュイック騎手のコンビも気になります。先週は騎乗機会5連勝を達成した腕に、どこまでの化学反応を起こしてくれるかがポイントですね。その他にも岩田親子のG1対決は楽しみですね。最近、競馬を見ていても本当に上手くなった岩田望君がお父さん相手にどこまでできるのかに注目しています。さぁクリスマスに年末。お年玉などの資金作りはここです!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。