元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
Yellow
2021/3/18(木)
皆様、こんにちは!この間、久しぶりに遠くに住む孫と会うことができました!いつも写真や動画では見ているのですが、やはり本物は格別でしたね!プロの歌手の歌をCDなどで聞くこともいいですが、やはり本物は違いますからね。久しぶりの孫LIVEは楽しい反面、終わったあとにはドッと疲れが出てしまいました(笑)。
そして、花粉と言っていたら、次は黄砂という目や鼻にくるものばかりが飛び回っているみたいで、普通に外にいても濁って見えたり、鼻が痒いなんてことになってきています。昔はこれほどまでに花粉や黄砂と言っていなかったことを考えると、なぜ今はこんなに飛んでいるのか?はたまた、昔は分からなかったが発見されたのかどちらなんでしょうね。
それでは競馬の話に参りましょう。黄砂ではなく黄色が躍動した中京で行われた金鯱賞を振り返りましょう。今年はまさに黄鯱賞になりました。勝利したのは社台ファームの黄色に黄色帽子のギベオンと西村君のコンビでした。メンバーを見てもキセキはスタートや出た後の気合の入り方からも逃げる手は打たないだろうと思っていましたし、スタートを決めると一気にハナを奪う競馬を行いました。中京の今の馬場を見ても、前目にポジションを取ることが勝つためには必要なことを分かっていたのだと思います。
その後ろにサトノフラッグ、ブラヴァス、グローリーヴェイズにポタジェ、そしてデアリングタクトと続く形になりました。逃げたギベオンも無理のないペースで息が入り、素晴らしい展開になったと思います。3~4コーナーでは一瞬ここまでか?と思いましたが、後ろから突かれたことで走る気持ちを再度取り戻したことも大きかったです。
迎えた4コーナーでは、鞍上の気合に押し出されるように伸びはじめサトノフラッグにやられたか!?と思ったところから、グローリーヴェイズやデアリングタクトの追い上げを許さず、見事な勝利を挙げました。展開や馬場、全てが噛み合った勝利だったと思います。厩舎の仕上げに作戦、騎手の思い切りと諦めずに追い続けたという全てが勝利に繋がったレースでした。
負けてしまいましたがデアリングタクトにとっては収穫のあるレースだったと思います。もちろん、圧倒的勝利を求められていましたが、激戦の後で立て直してきてという一戦ですから、仕上げきってくることもないですし、能力差だけで勝ち切るには特殊でタフな馬場でしたから。勝てるポジションよりひとつ後ろにおり、他のベストポジションをとっていた馬達が届ききれない中、あの末脚を繰り出したこと、うるさい面が年齢と共に落ち着いたことは大きな収穫でした。
次は香港が目標となっていますが、是非共、結果にこだわるレースをしてほしいなと思います。性格が落ち着いたことから、前よりもズブさを見せることがあると思うので、鞍上としては追い出すタイミングの変化を今回のレースで感じたはず。そこを修正してくれば日本のトップホースとして最高の結果を得られることでしょう。
今週末は祝日と重なる土曜日にフラワーCとファルコンS、日曜日にはスプリングSと阪神大賞典が行われます。土日共に充実した重賞があるだけに非常に楽しみです。その中でも、注目はスプリングSになります。横綱ダノンザキッドの敗戦により、王座を虎視眈々と狙っている馬達が集まりました。と、その前に個人的には若葉Sのヴァリアメンテに注目しています。重賞でもないですが走りは本物ですし、皐月賞への穴として期待しています。
スプリングSはランドオブリバティに注目が集まります。三浦君もここで結果を出したい思いが強いはずで、気負わず強気に乗ってもらいたいものです。そうはさせまいと前走、猛時計を出したボーデンが立ち塞がります。前残りの馬場であればレインフロムヘヴンも侮れませんし、池添兄弟コンビで挑むヴィクティファルスも応援したいところ。抜けた本命が見当たらないレースですが、ここであっと驚く結果を出してくれる一頭を待ちたいと思います。黄砂ではなく黄色い声援が飛び交う競馬場に戻るように願っています。
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。