元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
ソウル フ(ラッシュ) バック
2022/4/28(木)
皆様、こんにちは!すっかり日が長くなり、暖かい日が増えてきました。そんな中、私が通っているタケムラ医院の先生からタケノコのおすそ分けがあり、大喜びの日々を過ごしています。付けをして煮込んだものやフライ、細切りにしてチンジャオロースにも入れたりと毎日タケノコを楽しんでいます。これだけ大量に頂いたので、来年はタケノコ狩りを手伝いに行くために今から桑の使い方を練習しておきます。
それでは、先週の競馬を振り返りましょう。何と言っても推奨させて頂いたソウルラッシュが思い描いた通りの脚を使い差し切ってマイラーズCを勝利しました。どこか荒れた馬場や勝負服、父ルーラーシップ、オレンジ帽子の勝ち馬写真を見ているとキセキの菊花賞がフ(ラッシュ)バックしたようなレースでした。直線外への出し方に関しては少し粗いところはありましたが、それでも抜群の末脚は見ごたえ抜群でした。本番でも少しタイムがかかる馬場になれば、チャンスが出てくると思いますので非常に楽しみです。
そして、このレースで一番ワクワクしたのがベステンダンクの逃げでしたね。直線のもしかしたら!と思わせてくれる粘りは10歳とは思えない頑張りで、まさに中年の星と自分に重ねて応援してしまいました。オジュウチョウサンといい、ベステンダンクといい、大ベテランの頑張りが目立つ最近の競馬界!人間界のおじさん達もまだまだ負けられないと感じた一戦でした。
世間はGWに向けて、準備万端といったところでしょうか。最大で10連休になる人もいるようで、コロナ自粛していた経済が動いてくれるのかなと期待しています。そんな中、競馬界では天皇賞(春)が開催されます。京都競馬場の工事に伴い、今年も阪神競馬場で行われますが、やはり馬場の状態が気になります。そんな中、注目を集めるのはディープボンドではないでしょうか。クリスチャンとのコンビを組み、海外を経験したことで馬がひとつ上のレベルに上がっていますし、前走の走りを見ても1番人気は間違いないと思います。2番人気にはタイトルホルダーが選ばれるでしょうね。こちらも、まだまだ底を見せていな菊花賞馬だけに楽しみです。
私は3番人気に選ばれそうなテーオーロイヤルを推奨したいです。今の馬場を見ていると、例年以上のスタミナ戦になる可能性がありますし、なによりイングランディーレの天皇賞(春)から影響を受けた菱田君にとっては最高の舞台が揃ったのではないでしょうか。あと1勝で400勝、師匠の管理馬、騎手になったきっかけのレース、当面の相手はイングランディーレに乗っていた典ちゃんの息子、とドラマ的要素が沢山詰まっています。そんな勝利を見てみたいからこそ、本命に選びたいと思います。
競馬の神様はどんなドラマを脚本しているのか、非常に楽しみです。ゴールデンウィークにゴールドシップとなるのであればマカオンドールからも目が離せません。ゴールデンウィークに当たり馬券で盛り上がりましょう!!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。