元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
日本一!!
2022/11/3(木)
皆様、こんにちは!プロ野球の日本シリーズは関西人ということもありオリックスを応援していたのですが、ヤクルトに先行されるも見事な差し切りを決めてくれました!MVPにはラオウこと杉本選手が選ばれましたね。どの試合も興奮する内容で、非常に楽しかったです。ヤクルトとしては、まさかというエラーが続きましたがこれが日本シリーズの緊張感だったのかなと思ってしまいます。疲労の溜まった体に日本一を決める戦いは、想像を絶するほどだったのだと思います。両チーム共、お疲れ様でした。
本日はJBCが盛岡と門別(2歳優駿)で行われます。この中でも注目したいのがJBCクラシックです。人気はテーオーケインズが集めると思います。コースとしても苦手意識はないでしょうし、実績十分ですからね。しかし、天皇賞(秋)も3歳が制したように下剋上も期待しています。
何と言ってもクラウンプライドの応援には熱が入ります。前走は楽な手応えで勝ったか?と思った矢先に差されて敗戦となりましたが、あれで福永君も馬の特性をつかめたと思います。だからこそ、今回はテーオーケインズから王冠を奪い去る姿に期待しています。皆様も是非、お楽しみください。
先週行われた天皇賞(秋)を振り返りましょう。このレースで騎乗していた岩田康君が騎乗停止になってしまいました。レースを見る限り故意に斜行したわけではないですが、マリアエレーナのレースを潰してしまった責任が大きく、2日間の騎乗停止となってしまいました。過怠金10万円でもよかったかなと思いますが、やはり2日間が妥当でしょうか。
その中でどうしても気になるのがコースの形状にあります。阪神の外回りもそうなのですが、ラチを無くす場所を作ると定期的にこの様な事象が起こります。それは馬の特性や性格もあり、また展開やポジションによってです。だからこそJRAもただ制裁を下すだけでなく、今回の件でもコース形状についてもアナウンスしてもらえたらと思います。
パンサラッサがスタートからズルくなっていた馬を見事に厩舎が修正してきたことで大逃げの手に出ました。4コーナーでも大きなリード保ち、これは勝てるか!?と思った矢先、大外から3歳馬イクイノックスが物凄い脚で一気に差し切りを飾りました。よく考えると始球式に行っていたルメールがオリックスと共に差し切りを決めるという展開にビックリしました。お見事すぎる判断と技術、そしてG1での度胸。今年は例年に比べると重賞勝ちは少ないですが、その中でも凄さが垣間見えたレースとなりました。
今週はG1レースがお休みになります。また、ローカル開催が新潟から福島に変わりますのでお間違えなく!注目を集めているのは京王杯2歳Sのロンドンプランではないでしょうか。父は脚の怪我が無ければG1を勝っていたと思えるグレーターロンドンです。父から継いだ末脚は本物で前走の重賞制覇はとてつもない走りだったと思います。ただ一点気になるのが、12月の朝日杯FSを目指すのであれば、この1400mは負担になりかねないレースになるかもしれません。その辺りを含めて注目してみたいなと思います。
みやこSは引退回避し挑戦を続けているオメガパフュームの走りに注目しつつ、新生ウィリアムバローズがどこまで対応できるかを見てみたいと思います。楽しいイベントが続きますが、食欲・読書・スポーツ、そして競馬の秋を楽しみましょう!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。