元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
パワースポット効果?w
2022/12/15(木)
皆様、こんにちは!ワールドカップも決勝戦と3位決定戦を残すだけとなりました。決勝に残ったのは、今回が最後の代表になるかもしれないメッシ擁するアルゼンチンとエムバペ擁するフランスの対決となります。個人的にはフランスを応援しています。なぜならグリーズマンは最高の選手であると同時に馬主さんでもあるんです(笑)。今までだとオーウェン選手も馬を持っていましたが、現役選手で馬主さんというのは珍しいですからね。ただ、メッシに優勝カップを!と強い思いがアルゼンチンにもあるでしょうし、本当に楽しみです。
先週は阪神ジュベナイルFが行われました。前日まで川田君が乗れるか分からない状態になっていましたが、無事に騎乗できたリバティアイランドが圧巻パフォーマンスで勝利を挙げました。これで中内田厩舎の全G1勝利が阪神マイルという記録も更新されました。今回はライバル達に「私は違うレベルにいるのよ」と見せつけてくれた勝利だったと思います。
レースはスタートから外枠に入ったラヴェルやウンブライルが遅れる形となりました。リバティアイランドも決していいスタートではありませんでしたが、川田君は早めにポジションを取ることを選択しました。これが正解でした。逃げるサンティーテソーロも楽な手応えの中、一気に外から交わし切りました。この勝利にはやはり川田君だなという箇所が見受けられましたし、やはり彼が乗ると馬にとって大きなチャンスが広がるということだと感じました。
2着には1勝馬シンリョクカが入りましたね。当日、キタウイングと共に栗東滞在していた小島茂厩舎の鈴木君(※元ラボファミリー)が仏壇に手を合わせにきてくれたのですが、その彼がかつて担当していたレイカーラの子供ということにも驚きました。本人からすればキタウイングに力を貸してほしかったはずですが、我が家としてはパワースポットの名に恥じない結果になったと思っています(笑)。
残念ながら人気を集めていたウンブライルとラヴェルは全く競馬に参加できずに終わってしまいましたね。こちらは桜花賞までにどう立て直してくるのかが楽しみです。ブトンドールに関しては、ナムラクレアと同じ道を歩んでくれれば父ビックアーサーと同じスプリント王になることも可能な馬だと感じました。まだまだ2歳という戦いでしたが、将来が非常に楽しみで当たり年だなと感じるレースとなりました。
今週もまたまた阪神競馬場で朝日杯フューチュリティSが行われます。我が新谷厩舎からはウメムスビとニシノベストワンが出走予定。息子が所属しておりカペラSではリメイクが勝利しただけに、クラウンプライド2着の次はG1制覇を願って応援しています。しかし、アユサンの息子ドルチェモアが強敵になると思っています。力の要る馬場になってきていることも味方するのではないでしょうか。
ダノンタッチダウンは前回の反省を活かしたレースをしてくれば勝利もありえると思っています。また川田君が騎乗予定だけに、人気を集めるでしょうね。その他にも才能豊なレイベリングやオオバンブルマイがいますし、松山君に変わることで大きな変化を期待したいグラニットと続きます。牝馬に比べると印象は薄い牡馬達ですが、熱い戦いに期待しましょう。パワースポットからパワー全開で身内びいきの新谷厩舎を応援いたします!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。