元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
夏グルメまっさかり
2023/7/27(木)
皆様、こんにちは!外に出ると、汗が一瞬で出てくる気候になりましたね。暑すぎて例年より蛙さんも少なく感じ、気候が昔と違うことを実感しています。そんな中、息子が知り合いの方に頼んでくれ、新潟から湯あがり娘という枝豆が届いたのですが、これが美味しいのなんの。取れたてを送ってくれているからなのか、届いてすぐに茹で、塩を軽くまぶし食べるともう止まらない美味しさ。その日の主食はまさしく豆オンリーといった感じでした。季節の変わり目を食で楽しむというのは、本当に嬉しいなと感じました。
それでは競馬の話をしましょう。味噌カツ、ウナギが有名な中京では、今夏最後の開催に中京記念が行われセルバーグと中京リーディングの松山君のコンビが見事な勝利を挙げました。団野君が勝ったCBC賞といい、中京の重賞は逃げ切りが目立ったシーズンとなりました。勝ったセルバーグですが、勝利したレースでは全て早め先頭にいたことから分かるように、ジリジリと自分のペースで走ることができれば脚を使える馬と思っていましたが、今回は展開も含めてレースを作り上げた松山君の一本勝ちでした。
2着にはディヴィーナが入りました。こちらは中京の鬼適性を持っていることで素晴らしい走りができた印象です。今回のポイントとしては4コーナーに入る前にルージュスティリアを相手と見込んで早めに外に出し、相手の動きたいタイミングを防ぎました。そこで川田君としては鼻先を入れて外に出そうとするも内に入れられたため、前の馬につまずき後続馬に影響を与えてしまいました。
あれが無ければ3着と2着は逆の着順だったというポイントでした。ただ、ここのやりとりがなく、前をケアしたレースをしていれば1着と2着もまた変わっていたのではないかと思わせるポイントでもありました。勿論、後続馬としては前の展開次第のところもあるので一概には言えませんが、皆の意識が後続に集まったことでセルバーグが楽になったというレースだったと思います。
夏の福島・中京開催が終了となり、今週は変則の新潟・札幌開催になります。2週間のみ2場での開催となりますが、夏は小倉に行く騎手たちもどちらかに参戦するため、現地にレアな騎手を観に行ってみてください。新潟は茶豆や枝豆にノドグロと食も最高ですからね。その新潟では名物となっているアイビスサマーダッシュが行われます。このレースは枠順が非常に重要になるだけに、どの馬に注目しますか?と聞かれたら青帽より外という答えになるかなと思っています。
馬で注目しているのはスピード能力が素晴らしいジャングロになりますね。森厩舎の短距離となれば目を離せません。そこに前走1000mで結果を出しているファイアダンサーやトキメキなどがレース巧者ぶりでどこまで対応してくるのか楽しみですし、ヴァガボンドやシンシティやスティクスらにもチャンスがありそうです。非常に難しいメンバー構成と感じていますが、枠買いも今回は面白いかもしれません。先に書いた他にお米にラーメンもある新潟で超超超ド迫力の千直競馬を現地で観戦してください!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。