元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
WE ARE THE CHAMPION
2023/9/21(木)
皆様、こんにちは!阪神とオリックスのリーグ優勝に関西が沸いています。AREはリーグ優勝という意味らしいので、次は日本シリーズの名称を募集しようかなと岡田監督が言ってましたね。私としては「WE ウィー」を推奨したいです。Winng Evolution という勝利革命に、全ての優勝で本当の王者へとなるという意味にできますからね。WE + ARE + “THE CHAMPION” SOREなども候補に挙がっていましたけど、是非WEも候補に挙げてもらいたいところです。
先週はまたもや岩田望君がやってくれました。阪神競馬場で行われたローズSでマスクトディーヴァを勝利に導きました。レースは前半57秒というハイペースになったことで、後ろからの組で決まるなと見ていました。しかし、マスクトディーヴァと望来君は早めのレースを選択しました。正直、見ている側からすると早い!と思いましたが、前日も外から一気に押し切る競馬で最後まで止まらない結果が多かったことからも、この早すぎる!と思わされた判断こそが阪神競馬場の馬場にフィットしていたんだと思います。
それを身で感じ、勝つには大胆に動くことが必要ということを結果として見せつけてくれた勝利でした。WASJを制してからの彼は判断に迷いがなく、勝負を仕掛ける騎手へと変わった気がします。優勝という自信が彼の持っていた技術に大胆さをプラスさせ、一気にこの“WE“へと繋がった気がします。藤原調教師が小学生の彼に馬術を教え、それが現在の彼の元となり、父や母が体を整えて競馬を教えてくれたこと。そんな全てが彼の血となり肉となり、ここまで来ました。
これから必要なのは結果と自信、多くの経験です。それを増やしていくことが世界へと導いてくれることになると思います。2着にはブレイディヴェーグが入りました。こちらはまだまだ若いところもありそうですし、大事に使っていくことが第一でしょうね。日本人騎手の活躍が最近は非常に目立ちます。馬だけでなく世界に通じる人物がたくさん出てきていることも本当に嬉しいです。
今週も中山、阪神の2場開催になります。そこでオールカマーと神戸新聞杯が行われます。どちらも非常に面白いメンバーが揃って楽しいレースとなりますが、特に神戸新聞杯に注目しています。まずはハーツコンチェルトが人気を集めると思います。デビュー戦の衝撃からダービー3着で力があることは証明されているだけに、どこまで成長しているかが楽しみになります。そこにファントムシーフも虎視眈々と頂点を目指してきます。
私のイチ推しはナイトインロンドンになります。連勝中の力は本物ですし、現段階では距離が長ければ長い方がいいかなと感じており、ここで勝利することがあれば菊花賞でも本命を打っても良いかなと考えています。血統が魅力的なサトノグランツやショウナンバシット、サスツルギなどもチャンスがありそう。あくまで前哨戦ですが、ここで勝つことができなければタスティエーラを倒すことは難しいと思います。だからこそ、夏を超え、どう成長できているかが大きなポイントになります。ここでAREして、菊花賞でWEできるのはどの馬か!是非注目です!!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。