元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
川田騎手でなければ……
2023/10/4(水)
皆様、こんにちは!つい先日、息子がコアップガラナが売っていたと買ってきてくれました。久しぶりに飲むガラナは美味しかったですよ。皆様には馴染みのない名前だと思いますが、北海道で売っているコーラに近い飲み物で、昔は瓶を箱で買っていたこともありました。なかなか北海道に行くことがないため、最近では飲んでいなかったのですが、久しぶりの一杯は本当に美味しかったです。ちなみに騎手からのリクエストでガラナを置いてある競馬場もあるんですよ。色々な種類があるのですが、コアップの瓶ガラナは絶品ですので、是非お試しください。
日曜のフランスでは凱旋門賞が行われ、日本でもお馴染みのクリスチャンが騎乗したエースインパクトが圧巻の走りで無敗の勝利を挙げました。海外だと強い間に引退をすることが主流ですので次走は未定ですが、それこそイクイノックスとの対戦を見てみたいなと心躍る走りでした。
日本からはスルーセブンシーズが挑戦し、4着という結果になりました。戦前エースインパクト以外には勝てるのではないかと思っていました。馬場も例年よりは軽くなったこともありますし、どういった馬場でも走れる同馬にはチャンスがあると思っていたからです。次走は日本での走りとなると思いますが、次も非常に楽しみに感じるレースでした。しかし、扱いが難しそうタイプだけにルメールの確保は大きなファクターになると思います。
日本では秋G1開幕戦スプリンターズSが行われ、ソダシの妹ママコチャと川田君が勝利しました。このレースは非常に面白かったです。特に3コーナーから4コーナーにかけての駆け引きは秀逸でした。内からナムラクレアが外へ出そうとするのを川田君がガードすると、そこでママコチャは少しハミを噛むような形となり、早めの展開に。さらにメイケイエールがナムラクレアに蓋をしたことで万事休すとなりました。
その展開から少し早めの仕掛けになってしまったママコチャで、ハッキリと今回は川田君では無ければ押し切れていないと思います。しかし、そこまで馬を動かすことができるからこそ、蓋をした上で噛んだのなら保たせてやるという技術が光ったレースとなりました。2着には内から最高のコースを通ったマッドクールが入りました。ここまで器用なレースができるんだと驚かされました。坂井君も間違いなく世界レベルへと近づいている騎手というのをアピールできたレースコントロールだったと思います。
今週は3日間開催になります。開催場を東京・京都へと変え、また楽しみなレースが控えています。重賞競走はサウジアラビアRC、毎日王冠、京都大賞典が開催されます。中でも注目はサウジアラビアRCになります。初戦で非凡な才能を見せつけたシュトラウスとボンドガールが激突します。ここでの勝ち方によっては2歳G1の行方も見えるだけに非常に面白い対決になると思っています。
この2頭以外が勝つ可能性はもちろんありますが、個人的には2頭で飛び抜けていると思っています。東京競馬場は実力が出しやすいコースでもありますからね。勝ち方次第では来年のクラシックまで繋がってきますし、是非チェックしてみてください!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。