元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
満を持して
2024/2/2(金)
皆様、こんにちは!大好きな大相撲の初場所が終了し、怪我のため休場していた横綱 照ノ富士関が優勝を果たしました。優勝決定戦で残念ながら負けてしまった琴ノ若関は惜しくも初優勝を逃しましたが、場所後に大関への昇進を決めました。父から継いだ名前で大関になるというのには感動しました。満を持しての昇進になり、来場所も楽しみになります。
それでは、先週の競馬の話をしましょう。複数重賞があった中、シルクロードSではルガルが初重賞制覇となりました。鞍上の西村君にとっては、この勝利や内容からもとうとうGI制覇が現実的になってきた気がします。今回のレースでは2着に入ったアグリが馬場を考えれば前で競馬したかったと思います。しかし、坂井君は今までのアグリの作り方を考慮し後ろからの競馬を選択しました。今の馬場ではルガルを交わせないと見ていましたが、まさにその通りの結果になりました。
しかし、坂井君の騎乗は次のレースを考えれば素晴らしい選択になったと思います。まさに点で考えず、線で考えた競馬だったと思います。勝利したルガルは重い馬場をこなしたことで、中京の馬場も合うことを証明できましたし、非常に収穫の多い勝利だったと思います。若い2人のそれぞれの考えが見事に出ている素晴らしいレースでした。
若い注目騎手は2人だけではありません。技術ならズバ抜けている岩田望来君が騎乗するマスクトディーヴァが今週の東京新聞杯に出馬してきます。他の期待されている若手が台頭してきただけに彼もここでは結果が問われます。
そう簡単にやらせないとライバルも着々と準備をしています。その筆頭がジャスティンカフェになるのではないでしょうか。常にいいレースをしている印象ですし、そろそろ爆発してもおかしくありません。その他にもウインカーネリアンやコナコーストあたりにも一発がありそうです。是非、結果は東京競馬場で確認してください!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。