元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
天才 岩田康
2024/7/18(木)
皆様、こんにちは!ワールドオールスタージョッキーズの騎手発表が行われ、日本を代表する名手達が選ばれました。昨年は岩田望君が初出場で初優勝の快挙を成し遂げましたね。今年はどんなドラマが生まれるか楽しみです。個人的には坂井瑠君に期待しています。どんな馬でもポジションを取り、勝つ可能性を上げる騎乗はポイント制でも有利だと思いますし、それだけ伸びてきていますからね。当日を楽しみにして待っています。
それでは先週の函館記念の話にいきましょう。岩田康騎手が騎乗したホウオウビスケッツが見事な走りで勝利しました。前走を見た時、馬が函館にマッチしている+岩田康君が入念に馬をつくってきていることがレースから感じ取れました。彼らしいアプローチが馬にいい影響を与えているなと見ていました。そのため、ここでも通用するのではないかと楽しみにしていましたが圧巻の勝ちっぷり。
前走はデキをMAXに持っていけない中で、逃げる競馬を選択。今回はその分で少し噛むところを技術で御して勝たせたという印象。馬の体調と気分をレースのみならず岩田康君と厩舎が融合させたからこその結果でした。「乗せてくれたことに感謝したい」と素直な部分が出たインタビューも素晴らしかった。口下手なので勘違いされることもありますが、職人として見てもらえたら新たな彼の一面が見えてくると思います。今後の活躍が楽しみになるレースでした。
さて、田口貫太君が今週のレースを終えるとフランス武者修行にいきます。そんな小倉最終週には中京記念が行われます。田口君にとっては師匠の大橋先生と挑むレースになります。小倉では負け無しのニホンピロキーフですが、春のデキからはもう少しなのかな?という印象。それでも勝ち切ってドラマを見せて欲しいと思っています。
ライバル筆頭はセオになるのではないでしょうか。この2頭から勝負してみたいです。実績最上位のエルトンバローズは斤量的にどうかなと感じていますが、結果を楽しみに予想しましょう!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。