元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
小牧家の挑戦
2024/8/1(木)
皆様、こんにちは!あっという間に7月が終わり8月となりました。パリオリンピックも中盤を迎え、やっと観戦ペースが馴染んできました。劇的な勝利や興奮が多い中で、審判の誤審も目立ちます。競馬もそうですが、人の目で確認している以上、ブレは出てしまうと思います。これも醍醐味でしょうが、近い将来には目視でやってたの?と笑ってしまうようなAI判定が当たり前になると思っています。それまでは今の時代を楽しみましょう。
馴れてきたといえば、馬術選手からJRA障害騎手になった小牧加矢太騎手が新潟ジャンプSで初の重賞制覇をしました。飛ぶ技術や馬の教育は初めから備えていましたが、競馬の感覚や騎乗技術を当初は大丈夫かな?と心配していましたが、コツコツと努力を重ね、その成果が実を結びました。父の太さんは改めて園田の騎手になり『カヤタをよろしくな』と多方面にお願いされていたみたいですが、まさに結果で応えたような勝利でした。
障害だけでなく、平地の免許にもトライしたいとありましたし、可能性が0ではない限り挑戦は続きます。小牧家の挑戦心は本当に尊敬します。数年後には銅メダルをとった馬術代表に騎手としてカヤタ君がいるかもしれないですね(笑)。まだまだここから頑張ってほしいです。
挑戦といえば、新潟競馬では昼休みを長くする取り組みが行われていますね。海外のように午後だけレースをして、開催場所や日でレース数を調整するのも手かなと今回の取り組みから感じています。そんな挑戦を続ける新潟競馬場では日曜日7RにレパードSが行われます。名馬を出すレースだけに注目しています。
注目はミッキーファイトになります。今回は負けられない組み合わせで、戸崎君が夏を得意ということもあります。そこに待ったをかけたいのがソニックスターでしょうね。こちらも非凡な勝ち方に見えますし、復帰した川田君も身体が馴染んでくる頃かと思いますから。今週もお昼休みにはパドックを解放するようなので、是非とも競馬場に遊びに来てください!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。