元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
超一流の勝ち方
2024/9/26(木)
皆様、こんにちは!大好きな相撲が大の里関の優勝で終了しました。そして、最速で大関昇進をも決めました。初めて彼を見た時の衝撃はまるでディープインパクトを見た時と同じで、これはすごいとオーラが見えるほどでした。だからこそ優勝も大関昇進もまだまだ通過点だと思います。圧巻の日本人横綱に向けて、これからも戦ってほしいです。
相撲界もそうですが、横綱は海外出身というのは騎手の世界も同じかもしれません。川田君のような日本人でもトップオブトップの騎手もいますが、やはり日本競馬界での横綱はルメール騎手になると思います。先週行われたオールカマーではレーベンスティールとのコンビで見事な勝利を挙げました。前回の圧倒的レースが頭にあったからこそ同じ選択をしたのだと思います。
しかし、直線では併せの形になり、スペースが無くこれは空くのか?と見ていましたが、さすが横綱。そこは空くまで動かず、普通なら外に馬へ負担がありつつも慌てて切り替えて乗りがちなところを、勝つために無理をさせないように騎乗し、半馬身分空いたスペースを一気に突き抜けました。横綱の強さの中には、無理してまでは勝たせないという馬への配慮が含まれていることに関心しました。まさにレーベンスティールも横綱相撲で勝利しましたし、秋のG1に向けて楽しみが増えました。
今週から秋のG1シリーズが開幕します。まずは電撃の6FスプリンターズSが行われます。今年は香港からの刺客も参戦し、非常に楽しみな一戦になります。しかし、私の本命は変わりません。父ロードカナロアに近づいてほしいサトノレーヴにします。中山のスプリント戦ということで波乱もあるかもしれませんがそれでも力を信じています。
2番手はオオバンブルマイに注目です。前走で見せた末脚が炸裂するのではないかと期待しています。波乱の幕開けか大の里関のように圧巻の優勝になるのか、その結果はぜひ競馬場で!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。