元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
これぞアレンパ
2024/10/3(木)
皆様、こんにちは!お米不足騒動がやっと治まった近頃ですが、秋の楽しみ新米が我が家でも出るようになっています。ついつい味の良さからあとちょっとを追加しているので、これが食欲の秋の怖さかと思っています。新米といえば、新人騎手・橋木君が初勝利を挙げましたね。やっと掴んだ初勝利の味は格別だったことでしょう。粘り強く、起用してくれた陣営の思いを考えると感慨深い瞬間でした。
先週行われたシリウスSを振り返りましょう。勝利したのはフランスから帰国後初の重賞奪取となった岩田望君とハギノアレグリアスのコンビでした。世間でよく聞いているアレンパですが、アレグリアスの連覇でまさにアレンパな勝利となりました。ジョッキーは馬の調子の良さを勝因に上げていましたが、彼の騎乗も素晴らしいものがあったと思います。
オメガギネスをターゲットに決めて内々につけると、息をひそめてずっと捕まえるタイミングを狙っていました。ここでしっかりと御しながら脚を溜められるあたりは流石の一言。直線でのムチの持ち替えの早さ、追っ付けと彼の良さが全て詰まった勝利でした。
スプリンターズSでは西村君の涙のG1初勝利もありました。強いメンタルと上に行くんだというハングリー精神を持つ彼がルガルを信じて辿り着いた頂。母や関係者への感謝を真っ先に口にする美しい勝利でした。
今週の毎日王冠も同厩舎とのコンビ、エルトンバローズで臨みます。個人的には小回りかつ右回りがよりマッチすると思っていますが、昨年制したレースで苦手ということはないはずなので、こちらも2週続けての連覇に期待しています!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。