元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
最強×最強
2024/10/30(水)
皆様、こんにちは!知らぬ間に寒さが顔を出し、布団も夏布団から毛布が必要になってきました。もうすぐ我が家にはコタツが登場する予定で、じきにミカンの季節になりお正月と1年の早さに驚いています。そんな中で、アメリカでは最大の祭典ブリーダーズカップが今週行われます。我が家の長男(※競馬ラボで遠征記連載中)もアメリカに渡り、リメイクの最終調整をしています。スプリントの壁は非常に高いと思いますが、どうか良い結果となりますように。
先週行われた天皇賞(秋)のお話をしましょう。勝利したのはレジェンド武豊とドウデュースのコンビでした。レース後には豊ちゃんの手綱捌きに思わず「上手すぎる」と、漏らしてしまったほどです。相棒を信じ、あのペースでも折り合わせラストは32.5の鬼脚を引き出したのですから。レース後の「スタッフのおかげです」という言葉は響きました。そして、それは嘘でないと思います。
担当の前川君は角居厩舎から友道厩舎へと異動した敏腕。その上、この馬を豊ちゃん仕様にずっと作ってきました。豊ちゃんが使用している鐙を使ったりと細かいところまで考え、行動し、最高の仕上げを施したからこそのコメントだったと思います。最高と最高が重なり合った結果が今回の勝利でした。ラスト2戦 どんなレースをしてくれるか非常に楽しみです。
今週末のJRAはG1こそありませんが、複数の重賞が行われます。中でも注目は京王杯2歳Sです。いいメンバーが揃っており、どうなるか結果も楽しみです。まず注目はヒシアマンに集まると思います。しかし、2連勝中のエイシンワンドや今回こそはのヤンキーバローズにマイネルチケットもいます。朝日杯フューチュリティSに向けて距離適性も含め大事な確認になりそうです。
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。