元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
望んだ未来を手にした日
2024/12/11(水)
皆様、こんにちは!長引く風邪に喉をやられて声がほとんど出なくなってしまいました。また、この風邪のおかげか少し痩せたと言われて、たまには風邪も悪くないなとプラスに捉えるようにしました。当たり前な正常がどれだけ素晴らしいかを分からせてくれる風邪に感謝を感じつつ、早く治ってほしいと願っています(笑)。
それでは競馬の話をしましょう。まずは調教師リーディング争いが面白くなってきています。トップに須貝厩舎、2位に杉山晴厩舎、続いて矢作厩舎、友道厩舎と2勝差の中でひしめき合っています。どの厩舎もまだまだいい馬がいそうですし、最後の最後までリーディング争いが続くと思います。こちらの戦いから目が離せません!
先週は京都競馬場で阪神ジュベナイルFが行われ、勝利したのは岩田望君とアルマヴェローチェのコンビでした。岩田望君といえば京都XXや小倉XXといった競馬場の地名が入った重賞をよく勝つイメージだったため、初G1はここになるのでは?と思っていると、まさに!でした。直前に降った雨や馬場も味方となり、素晴らしい初G1勝利を挙げました。
他の騎手よりも恵まれた環境にいた彼がフランスへ渡り、言葉も通じない、移動は自分で長時間運転をする過酷さを経験し、今までになかった考えや気持ちを手に入れたからこその勝利だったと思います。6年目でというのは早い気がしますが、同期2人がG1を勝っていることから悔しい思いをしていたはず。まさにゴールデンエイジの勝ち頭として忘れられない勝利になったと思います。望み続けた未来を手にした瞬間でした。
今週は朝日杯フューチュリティSが行われます。荒れに荒れている京都の馬場を味方に付けるのはどの馬か、非常に難しいレースになると思います。その中でも本命はミュージアムマイルになるのではないでしょうか。鞍上(C.デムーロ)人気も上乗せされるでしょうし、勝っても不思議ではない一頭です。
そこに対抗してくるのがアルテヴェローチェやトータルクラリティ、パンジャタワーになってきそうです。馬場適性が重要になるだけに予想は難しいですが、高配当を望み、的中馬券を掴みましょう!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。