元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
Yasunari
2024/12/18(水)
皆様、こんにちは!あっという間に2024年の競馬も残り少なくなりました。そんな師走に岩田康誠騎手の騎乗停止が発表されました。内容としてはYouTubeで音楽を聴いていたことが外部と連絡を取るメッセージ機能があるため、禁止ルールに抵触するという事由。今までの騎乗停止は外部に連絡をしていたからで、少し違う形となりました。
ルールはルールなので、仕方ないことではあります。しかし、本来は情報を外部に漏らさないことが目的です。今回はそれを違反したとは私は思えません。公正競馬という目的を果たすために何をどうすべきか、再度考えるべきだと思います。
競馬記者はトレセンで情報を仕入れて馬券も買える。こちらの方が今回のことよりも公正なのか?とすら思いますから。ルメールや坂井君がYasunariのロゴが入ったパンツを履き、レースに挑んだのは目的とルールを改めて明確にしてほしいアピールと、騎乗停止になってしまった仲間へのエールだったはず。岩田康誠騎手が帰ってくるのを待っています。
先週は朝日杯フューチュリティSが行われました。勝利したのは名門友道厩舎アドマイヤズームと川田君のコンビでした。かなりペースが遅く、これは前で決まるなというレースで馬と会話をし、理解し合ったからの圧勝でした。このレースでペースを読み、勝ちに動いた騎手は2人。クリスチャンと田口君だけでした。
枠順から内と外での違いがありましたが、この判断が勝つためには必要だったと思います。逆に豊ちゃんのように馬を信じ、動かないことも線として考えれば正しいと思います。しかし、この動いて折り合いをつけ勝負を懸けた2人の動きには、大きいレースを勝つために必要な挑戦を観られた気がしました。
今週は有馬記念が行われます。今年最後のビックドリームを掴むのはどの馬か注目が集まります。何よりもドウデュースの引退レースになり、秋古馬三冠が懸かります。何よりも相手は自分自身になると思います。
師走のグランプリに頂点を狙うライバル達もそう簡単には勝たせてくれません。圧倒的な相手がいる時のルメールの騎乗は目が離せません。ローシャムパークもコースが合いそうな気がしています。競馬界ではスマホ(携帯電話)問題が多発だったため、電話を発明したベルが入るダノンベルーガにも注目しておきます!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。