
元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
癖馬ハンター
2025/3/27(木)
皆様、こんにちは!桜の開花宣言が各所から聞こえてきました。ニュースでは満開は来週あたりではないかと流れており、果たして桜花賞まで持つのかと勝手に心配しています。桜といえば日本のお花としても有名で、騎手を引退したオリビエ・ペリエも来日したひとつの理由に桜を見に来たとありました。フランスからでも見に来る価値があるお花だと言われているようで嬉しく感じました。

先週の阪神競馬場では長距離レースの名物阪神大賞典が行われ、サンライズアースと池添君が圧巻の勝利を飾りました。スタートから気難しいところを見せながら走っているなと見つつもペースとしては勝つんじゃないか?と感じた2週目の向正面、内から岩田望君とマコトヴェリーキーがスっとハナを奪いました。長距離戦にとって変に緩めたりせず、正確にラップを刻むことが勝利に近いと感じた判断だったと思います。
しかし、前に馬が置けたことで集中できたのがサンライズアースでした。あの道中で落ち着いてから更に盛り返し、突き放すとは恐れいったという走りでした。天皇賞(春)でも力を出し切れさえすれば圧勝も見えてきましたが、この難しいところをどう癖馬ハンターが乗りこなすのかを楽しみにしています。

今年はドバイの開催日がズレたため、豪華な騎手が揃う高松宮記念が行われます。例年なら不在のルメールがいることが運命の導きになりそうなナムラクレアが本命になります。前走の勝ち方を見れば重い印を打つしかないと感じています。
しかし、G1は何があるかわかりませんし、他にも力がある馬が揃っています。サトノレーヴやG1馬のマッドクールにルガルがいますし、エイシンフェンサーにも頑張ってもらいたい。豪華騎手たちがどのような手綱捌きを魅せるか、春の短距離王者決定戦は今週日曜日です!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。