
元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
素晴らしき挑戦
2025/10/8(水)
皆様、こんにちは。長らく続いた大阪万博も、いよいよ閉幕が近づいています。開催当初はパビリオンの建設遅れなど行方が案じられていましたが、結果として世界を知る最高の機会となったのではないでしょうか。マスコットキャラクターのミャクミャクもすっかり見慣れる頃には人気者となり、全体として大成功と呼べる内容だったと思います。

そんな万博でも人気パビリオンのひとつであったフランスでは凱旋門賞が行われました。日本からはダービー馬クロワデュノール、ビザンチンドリーム、アロヒアリイの3頭が挑みましたが、世界の壁に阻まれ跳ね返されてしまいました。届きそうでなかなか届かない頂ですが、挑戦なくして勝利はありませんし、日本馬が確実に勝利へと近づいていることを実感しています。
クロワデュノールに騎乗した北村友一騎手も大外枠から何とか前に馬を置きたいという意図があったと思いますが、結果的にハナを切る競馬となってしまいました。枠順に泣かされた結果とも言えますが、この経験もまたチームJAPANの血となり肉となると信じています。外から見ているのは簡単でも、世界レベルでは簡単な騎乗などありえません。
人馬一体となって世界一を目指し、どんな馬場や枠順でも対応できる馬づくりを日本のホースマンたちはこれからも目指してくれるでしょう。そして、いつの日か勝利を手にしてくれることを夢見ています。今回の大変な挑戦に私達は勇気をもらいました。本当にありがとうございます。


今週末は皆様のお財布にとって嬉しいか悲しいかな3日間開催となります。3日間全てに重賞競走が組まれており、非常に楽しみです。特に注目しているのはスワンSに出走予定のアドマイヤズームです。友道厩舎が立て直しを図ってくることは確実で、再度強い走りを見せてくれることを期待しています。
他ではウインマーベルやオフトレイルにも期待が高まりますし、距離適性から考えるとワイドラトゥールとソーダズリングも勝利を狙える力があると思います。挑戦しなければ万馬券は獲れません。是非、皆様も良い挑戦を!
プロフィール

松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。




