
元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
継承
2025/12/10(水)
皆様、こんにちは。毎週の楽しみにしていたザ・ロイヤルファミリーも次回で最終回となり寂しさが既に押し寄せています。ドラマが普段見られない競馬の仕事を知るきっかけになってもらえたのではと嬉しくなりました。果たしてロイヤルファミリーは有馬記念を勝つのか…楽しみにしています。

ドラマでもキーワードになっている継承。これは馬にも人にも言えることで、先週行われたチャンピオンズCでは大井の坂井調教師の息子 坂井瑠星君とダブルハートボンドのコンビが勝利を挙げました。
早くから矢作先生と話し、海外修行に出て父から継いだ大井のやり方、自身で経験した海外の経験に、師匠の当たり前を疑って挑戦するスタイルを身につけた全てが今の彼にはあります。さらに日本競馬の経験と知識をインプットしたことが、今回の勝利にも繋がったと思います。1コーナーでシックスペンスに絡まれたシーンでは引くのには勇気がいったと思います。しかし、類まれなる経験から馬を信じて下げたことが勝因になりました。
2着は3年連続で入ったウィルソンテソーロと川田君でした。コメントでは「勝たせることができなくてすみません」とありましたが、今回のレースで1番上手く乗ったのは彼だと思います。あれ以上の騎乗があるなら見てみたいと思うほど。非常に痺れる叩き合いでまさに王者を決める戦いでした。ナルカミはコースや競馬場との相性で、仕方ない敗戦だったと思います。


今週は阪神ジュベナイルFが行われます。注目は坂井君騎乗のアルバンヌと良血アランカールになるでしょうね。2頭共に2歳馬らしくない走りをするので非常に楽しみです。距離が保てばスターアニスやタイセイボーグもいますし、出走できるならギャラボーグにサンブライトも力は拮抗しています。新たな継承を楽しみに3週連続の2歳G1を楽しみましょう!
プロフィール

松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。






