
'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!

3月24日時点1601勝
ドバイ出発直前!次なる勝利を目指して中山へ!
2025/3/28(金)
先日はJRA通算1600勝を達成!注目度の高い重賞で節目を迎えられたのは何よりだ。今週末は土日いずれも中山での騎乗、日経賞ではコンビを組む予定だった馬の回避もあったが、15鞍を予定している。レースを終えると、ドバイ遠征を控えているが、また、次の節目へ向けて勝利を重ねていきたい。
ドバイへ弾みをつけたい今週末
——まずは土曜の話題からとなりますが、リクエイはどうでしょうか。
牝馬限定に入らなかったようですが、競馬自体は上手な馬ですね。あとはメンバーや展開次第でしょうか。小柄な馬ですが、パサパサの馬場の方が合っているように感じます。
——カラヴァジェスティは新馬以来の騎乗です。
当時はいい勝ち方でしたね。条件は変わるので上手く対応できれば。前回はテンションが高かったようですが、新馬で道中は進まずに最後に切れ味をみせると、次に影響する印象はありますね。この馬もそういう傾向だったのかもしれません。
——ベラジオワールドは格上挑戦となりますが。
能力はあるのですが、前走でも気性の課題を感じました。上手に走ってくれるといいですが、遅生まれらしく、緩さはあった印象です。そこが上手く変わるといいですが。
——パンジャは展開や馬場が向かなかったように感じました。
それにしても内容は良かったですね。自分からレースを作れるタイプではないでしょうが、あれだけやれたので引き続き楽しみです。
——ヴァナルガンドは善戦が続きます。
先々に行ってしぶとく、というタイプですね。最近、ゲートがうるさくなってきている点は心配ですが、間隔が空いても安定している印象です。
——アラスカフレイバーはモマれなければ、という内容が続きます。
今回もモマれ弱さはあると思うので、上手く組み立てられればいいですね。いい枠であったり、いい隊列の並びになって欲しいです。
——ニヴルヘイムはコースが替わります。
背腰が甘く、どうしてもポジションはとれなくて、展開に左右されるように課題はあります。上手に走ってくれるといいのですが。
——ソニックラインはどうでしょうか。
追い切りでは全体的に緩さがありました。もう少しメリハリがほしいですね。現級でも好走した実績はあるだけに、レースでいいところを出して欲しいですが。
——オメガキャプテンはコース替わりになります。
久しぶりですが、安定しないところもあって、気がかりな負け方をしたりしますね。条件は未知数なので上手く走る方向にもっていければいいですね。
——マーチS(G3)のスレイマンはどうでしょうか。
映像を見ても、大きくて不器用なのかと。しかし、浦和の1400mにも対応していましたからね。展開に左右されそうですが、力はあると思っています。
得意の!?重賞でメモリアルV
——先週はレーゼドラマでフラワーCを勝利されました!

切れ味より長く脚を使うタイプなので、前走で不甲斐ない組み立てになってしまいました。今回はそれだけは気を付けて、いいところを出してあげようと意識しました。ポイントとしては待ち過ぎず、自分から動いていく形で。この馬の力を出し切れたのかなと感じています。
——1週前のお話では控え目に聞こえましたが、未勝利では圧勝していましたね。
背中は良いのですが、線が細い感じが心配になりましたね。今回は強気に運んでどれだけ変わってくるかと。頑張ってくれましたね。
——あわせてJRA通算1600勝達成となりました。それにしても、重賞での達成は良かったですね。1200勝も重賞でしたが。
以前も地方競馬での1000勝が京浜盃だったんですよね。自分としては、そうなりそうなイメージはありますね。
——次のメモリアルはG2やG1で期待ですね。一方、愛知杯のカピリナはどうでしたか。
一番はコーナーの馬場が悪くて、脚はとられそうだと感じていました。外々を走らせたかったのですが、周りに馬もいた隊列だったので、内に押し込まれた。馬場の悪いところを走ってバランスは崩していました。そこから立て直して、スムーズになったものの、追い出してからも前のような反応ではなかったですね。使っている分の疲れなのかはわかりませんが。
——コーナーでもっと外を回れて、モタつかなければ結果は変わりましたか。
どこまで変わったかどうか、何ともですね。直線の弾みも良くなかったですし、反応も良くなかったので。
——アスクデビューモアで勝たれましたね。
具合の良さを感じていました。ゲートも出てスムーズについていけるかと。なかなか後方になってしまう分、こういう走りになりますが、前半のペースは遅かったのでロスなくいけたのは大きかったです。最後は伸びる馬で終いはしっかりしていますね。
——フェルメールはどうでしたか。
勝った時の良さはなかったですね。伸びて走ってしまっていて。立て直してこないといけないかと思います。
——ルチアーナは久しぶりのレースでした。
まだ緩さが変わってきていないですね。膝を骨折したからか、硬さもあって良くなるのはもう少し時間が掛かりそうです。
——ノヴァエクスプレスは変わり身をみせました。
ここ最近、引っ掛かってリズム崩していたので折り合いには気を付けました。リズム良くいけたのですが、そうして状態がいいと、本質的に1200mでは忙しいですね。テンションさえ大丈夫なら東京で巻き返していいのではと思います。
——アルレッキーノは精神面の難しさでしょうか。
精神状態が良くなかったですね。前半、テンション高く引っ掛かっているわけじゃないにも関わらず、最後は全く反応がなかったです。追い切りでもそうなっているようでした。何かを変えないといけなさそうです。
——ウインスティーガもメインレースのようなレースぶりでしたね。
もう、ゲートだけ気をつけていた。中もおとなしくて、スムーズに出て良さを出せる展開でした。
——次週はドバイ遠征、現地からも電話をいただけることになります。2週後のニュージーランドT(G2)はグーテンベルクが予定しているようですね。今週もありがとうございました!
ありがとうございました!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。