
'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!

6月23日時点1629勝
軽ハンデで臨む府中牝馬Sは減量の成果が出るか!?
2025/6/20(金)
今週で東京開催も最終週。1週前は土日ともに他場での騎乗となったが、今週はいずれも東京での騎乗となる。中でも府中牝馬Sは軽ハンデで騎乗。2022年9月以来となる52キロの斤量に臨むだけにことさら結果が欲しいだろう。
52キロに絞って挑む府中牝馬S!
——東京は最終週となりますが、よろしくお願いいたします!まずは土曜のクリプトスやラムコークはどうでしょうか。
クリプトスは掲示板に入った実績はあるものの、全体的にレベルアップは欲しいところですね。ラムコークは新馬では上手に走ってくれており、追ってからもう一つ体を使えれば、という感覚でした。そこが良くなってくれれば期待できそうですね。
——エマージェンスは前回が4着でした。
体の緩さがありますね。毎回頑張ってくれてはいますが、そこは前進していってほしいです。
——オルグジェシダは3走ぶりに騎乗されますね。
追い切りでは成長を感じて、もう一歩のところまで来ていますし、勝ってほしいタイミングですね。
——ウィングブルーやエコールナヴァールといった新馬はいかがでしたか。
ウィングブルーは前向きさこそ強いですが、追ってからの体の使い方も良かったです。いいポテンシャルがあって、初戦から対応できそうな雰囲気がありました。
エコールナヴァールは1週前に乗せていただいたところ、馬場も重たくて動き切れなかったですね。ただ、芝に行ってからの方がいいタイプなんじゃないかと思います。体に緩さがあったりすると、そういった傾向もありますからね。まだ背腰の甘さはありますが、現状でどう出るかですね。
——アルメントフーベルは引き続き騎乗されています。
前回も能力は感じていたんです。あとは精神的な面に尽きますね。道中でリラックスしてムキにならなければ通用していいはずです。
——モンドデラモーレはNHKマイルCでも4着、ここに入ると期待が膨らみます。
G1のレベルに入れば、もっと良くなって欲しいところはあったのでしょうが、前走もいい走りでしたし、能力の高さを感じました。自己条件に入れば自ずと期待が高まります。
——アルーリングタイムは再び騎乗されます。
すぐに勝てる馬かと思っていたので、足踏みしているのは意外ですね。上手く導くことができれば。
——そして、府中牝馬S(G3)のカニキュルはどうでしょうか。
格上挑戦になりますが、上手くいければいい脚を使えるかと思います。
——距離が延びるだけに折り合い面が重要でしょうか。
一番は折り合いがポイントだと思います。距離自体は短い方が乗りやすいのですが、条件的にはいいかなと。短くなってあまり忙し過ぎると上手くタメが利かない可能性もあるんじゃないかと思っています。この距離でどんな流れになるかですが、速くなったらなったでそこは判断していければいいですね。
——以前は外枠の方がいいと仰っていた記憶がありますが、前回は内枠から勝利されました。
外より内の方で壁が作れればいいですね。
——以前は遠征して乗りにいかれました。どんなところがセールスポイントですか。
走る気持ちの強さですね。そこを上手く引き出せれば。
——このハンデはどうでしょうか。少し前から体重調整に取り組まれて臨みますね。
52キロ自体、斤量のベースが上がる前は夏に乗ることもあって余裕だったのですが、今は軽くても53キロですからね。そこは食事に気を付けていました。汗取りをすればいいのかもしれませんが、自分としては合わないですからね。食べるものを調整してきました。
3戦連続で関東圏以外に赴いたカピリナで重賞制覇!
——そして、先日の函館スプリントS(G3)はカピリナで勝利されました!

順調に返し馬ができました。条件的に開幕週で前有利、内有利だったのでスタートはポイントでした。ある程度、先にいくのはいたのでイメージ通の展開。あとは捌けるか、伸びるか、といったところ。しっかり反応もしてくれて、あの差で勝ち切れたのは良かったですね。
早い段階から能力を感じていたので、ようやく重賞を勝てたことは嬉しいです。ここ2戦は重賞でもまれたこともいい経験になったのかと思います。
——中山で勝たれた時は開幕週の馬場でした。今回も洋芝ながら開幕週の馬場で勝利となりましたね。
こういう速いタイムに対応していますが、今でもダートも合いそうと思っているくらいです。洋芝も合っているのかなと感じましたね。僅かな差かもしれませんが。

——そして、所属厩舎での勝利。厩舎スタッフの方は過去のノベルティも着られていましたね。
田島厩舎で勝てたのは最高でしたね。ここ最近も厩舎の馬が重賞で活躍して走っていたので、あとは勝ち切るだけ、というところでしたから。
——カピリナ自身、今後の伸びしろはどうでしょうか。
まだスタートも良くなって欲しいです。走りもノメっていたりするので、重心的に起きてほしいですね。そこが良くなれば、まだまだ上積みがありそうです。
——宝塚記念(G1)のレガレイラはどうでしたか。

大外ということもあり、スタートはポイントでしたが、置かれ気味で出てしまいました。ポジションは獲りたかったのである程度は出していきました。
——見た目にはわかりづらい面はありますが、先週も懸念されていたようにスタートは上手くいかなかったですか。
上手いスタートではなかったですね。しかし、出していった分、脚が溜まらなかったわけではなかったと思いましたし、収まりましたし、リズムも良かったです。ただ、それが馬場なのかペースなのか、有馬のような溜まっている感はもう一つでした。レースの早い段階で違いを感じました。
——間隔が空いた分と馬場でしょうか。
休み明けや馬場、骨折明けだったのかはっきりとしたところはわからないです。ただ、本来の走りはできなかったですね。ペースは大丈夫だったと思いますが、やはり良馬場の方がいいかなと思いましたね。パドック、雰囲気は問題なかったのですが…。
——重賞以外のレースでは、アメリカンマーチやアメリカンビキニはいかがでしたか。
アメリカンマーチはモマれると弱さがあり「行けるなら行ってほしい」という指示でした。ただし、行ってはみたものの、感触的に速い流れになってしまい、ひと息になってしまったね。今後、ペースや戦法に課題はありそうですね。
アメリカンビキニの場合、競られてしまいましたね。厩舎は異なるものの、同じような作戦でしたが、器用さに欠けるのでそういう戦法になるかと思いました。

——ムスクレストはどうでしたか。
オンとオフが激しい感じでした。まだ子供っぽさがあったので、そのあたり上手に走れてくれるといいですね。
——マイネルゼウスは勝てたかなと思いました。
すごく乗りやすくてあと少しでした。叩いて良くなりそうですし、今後チャンスはありそうです。
——サクラアドリアは以前も乗られていましたね。
緩さは相変わらずあったものの、少ししっかりしてきたかなと感じました。流れには乗っていけないけど、こういう形なら安定しそうです。だから馬場は差しがきいてくるといいですね。
——先日は楽天モバイルパーク宮城で始球式に登板されましたね。映像は公開されているだけにチェックされた方も多いかと思います。
いや~本当にメンタルが弱いですね。またノーバンといかず残念です。
——現場では貴重な体験もされたようで、また明かされていくと思うので楽しみですね。今週は久しぶりに52キロでの騎乗。終わったら何を食べたいとかありますか?
いや~普段はあまり食べないですが、ラーメンですかね。頑張った成果として。
——グルテンフリー的にも滅多に食べられないでしょうし、いい勝ち祝いラーメンとなるといいですね。次週はラジオNIKKEI賞でバズアップビート、七夕賞はドゥラドーレスに騎乗されるとのこと。今週もありがとうございました!
ありがとうございました!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。2025年5月よりYoutubeチャンネルを開設。