
'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!

5月12日時点1621勝
NHKマイルCはモンドデラモーレと初コンビ!
2025/5/9(金)
今週から東京競馬場で5週連続のG1が行われるが、その幕開けとなるNHKマイルカップではモンドデラモーレに騎乗することになった。既に重賞でも好走歴があり、上位争いの期待も高まる。この東京開催もここまで9勝をマークしており、さらなる勝ち星加算にも期待したい。
モンドデラモーレに週末の雨は歓迎!?
——東京開催3週目となりますが、日曜のNHKマイルC(G1)ではモンドデラモーレに初めて騎乗されますね。
2週続けて追い切りに騎乗させていただいたところ、素軽い走りはしていました。強いて言えば重心が起きて走れると、より良よくなるとは思います。
——操縦性や折り合い面はどうでしょうか。
口向きは聞いていたよりは大丈夫かなと感じました。レースでどうなるかは未知数ですが、上手くもっていければいいですね。
折り合いに関しては、決して課題がないとは言えませんが、そこまでの問題とは感じませんでした。そこはレースで乗ったことがないですからね。実戦でどう出るでしょうか。現時点では思っていた以上に乗りやすかったです。
——週末は雨予報もあります。道悪では早目の競馬で上位に粘ったこともありますね。
東京は速いタイムが出ていますが、凄く速くなるよりは時計が掛かった方がいい方に向きそうです。その点、前日までには雨予報もあるようなのでいい方に出てくれそうです。
——馬の精神面はいかがでしたか。
気性的には凄く大人しいですよ。普段もドッシリしているらしいので。あとは走ってから前向きな面がどう出るか、でしょうか。
——ワールドエースの代表産駒であるジュンブロッサムにも乗られたことがあり、共通点はありますか。
あ~、確かに似ているところはありそうですね。ジュンブロッサムの方が軽い馬場が得意そうな面は違いますが。
——重賞で4着、2着と実績も残しています。
能力自体はいいモノがありそうですね。それは成績的にも出ているので、1600mの距離に戻っていい走りをして欲しいです!
——土曜はジュンアサヒソラやミラビリスマジックは騎乗された経験がありますね。
ジュンアサヒソラは東京でいい勝ち方をしてくれました。自己条件で改めて期待したいです。長い距離に挑みましたが、乗りやすく、トビもゆったりしているのでそんな条件を使っていたのかなと思います。それでも、この距離でも対応できると思います。
ミラビリスマジックは凄くレースでは乗りやすいのですが、気持ちが強いので、そのへんをなだめていければ。
——青竜ステークスのプロミストジーンはどうでしょうか。
期待しています。追い切りも順調にきていると感じましたし、いい走りをして欲しいです。
——日曜のアラスカフレイバーやチェンジオブハートはどうでしょうか。
アラスカフレイバーは色々と条件はつきまといますが、惜しい走りをしてくれているので早く勝たせたいです。チェンジオブハートも条件はつきまとうのですが、上手くいけば走れると思います。
——ジョディーズマロンは東京で末脚が目立ちますね。
展開やリズム良くいければいいですね。切れ味のいい馬という印象です。
レイニングはダービーへの権利獲得とならず
——先週のレース回顧もお願いします。レイニングは残念ながら大敗してしまいました。
前半で力んでしまって、最後は反応もなかったです。ひと息で走ってしまいましたね。能力の高さは返し馬で感じただけに残念ですが、改めて期待したいです。
——アッシュルバニパルは初めてのブリンカー、初の距離でしたね。
ブリンカーは良かったと感じました。乗り味もいい馬でしたが、まだ緩さ、頼りなさも感じました。現状はブリンカーを着けて1600mが良さそうです。
——メリオーレムは惜しくも2着でした。
馬の雰囲気は良かったです。初めて着けたチークの効果があったようですね。前回は進みよくなかったらしく、馬具を着けて、この距離がベストかなと思います。
——カニキュルはスローペースながら着差をつけた勝利でした。
やっぱり道中は走る気持ち、ハミの強さは改めてありました。その中で能力を示してくれたので、まだまだ上を目指して欲しいです。今回、テンションは落ち着いていたのですが、走る気持ちが強い馬です。ペースが流れた方が少なからず競馬はしやすくなりそうです。
——アセンブリールームで勝利されましたね。
返し馬で背中の良さは感じました。走りがバラけそうな感じもあったので、リラックスしてしっかり走れればいい脚を使えるんじゃないかと感じていました。スタートに課題はありますが、いい走りでした。
——シャドウフューリーは相手も手強かった中で上位には食い込んでいましたね。
馬は良くなっているなと感じました。強いて言えば、一度強かった方が良さが出ると思いますし、次に期待ですね。
——アルメントフーベルは追い切りに乗られていましたが、先週、話題にし忘れてしまいました。
凄く能力を感じて期待をしていました。ただ、気持ちが表に出過ぎていましたね。力むというわけではないのですが、気持ちが高ぶっていました。直線まで上手くもっていければ違ったと思いますが…。
——オメガタキシードは道中で動いての3着でしたね。
条件はこの馬のペースに合っていますね。条件や相手関係が噛み合えば今後もチャンスがありそうです。

ウイントワイライトはいいスピードがあり、気持ちはありますね。センスは良くて、芝でも対応できそうです。
プロフェータは段々と気持ちも成長しています。リズムはよくて、2100mも合っていましたね。
——次週は新潟大賞典(G3)でレガーロデルシエロ、ヴィクトリアマイル(G1)でステレンボッシュとの再コンビですね。次週もよろしくお願いします!
よろしくお願いします。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。