'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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勝利数
12月16日時点1567勝
好枠を追い風に ストレイトガールとG1・2勝目へまっしぐら!
2015/10/2(金)
好枠を引いたストレイトガール あとは捌くだけ!
-:いよいよ秋のG1第一戦、スプリンターズS(G1)ですね!
圭太:いよいよやってきましたね。よろしくお願いします。
-:よろしくお願いします。そのストレイトガール(牝6、栗東・藤原英厩舎)ですが、1枠2番からの発走になりました。
圭太:外よりも内枠が良いと思っていたので、良いところですね。あとはボクが捌けるかどうか、です。
-:もともとセントウルSの前にも内枠の方が良いタイプという理想も仰っていましたよね。ただし、今回の枠順の並びを見ると、ハクサンムーン、ベルカントが4枠に並び、その外にアクティブミノルが入りました。
圭太:どんなレース展開になるか、どの馬がハナに立つのかは正直、ジャッジし辛いですね。いずれにせよ、先行馬が脚を使わないといけない枠順なので、ある程度は流れそうな枠の並びだとは思います。
春秋G1制覇を狙うストレイトガール
-:ペースが差し向きになれば、前走よりも心強いところですが、中山の芝の状態はいかがですか?
圭太:比較的前残りのイメージですね。芝の状態も良好ですし、そういう意味でも、この枠は良いと思いますが、土日の傾向はしっかり見ておこうと思います。下が悪くなるようなことがなければ、この馬にとって問題はないでしょうからね。
-:前走のセントウルSも僅差の4着。あと一歩でした。
圭太:そうですね。少し馬場に脚をとられるところもありましたし、反応も少し鈍いところがありました。4角では外に振られる格好になったのも痛かったのですが、中間の動向を耳にすると、着実に上向いているようですよね。
-:この後は香港遠征のプランもありますが、ひと叩きして、目標としていたスプリンターズSというローテを考えても期待が高まるところです。
圭太:ええ、凄くチャンスだと思いますし、力の入るところです。ベストを尽くしたいですね。
課題はあるが 力を見せつつあるダノンリバティ
-:私も楽しみにしております!そして、土曜日はシリウスS(G3)でダノンリバティ(牡3、栗東・音無厩舎)とのコンビです。
圭太:ダートになってからの成績が2着、1着ですからね。課題はつきないのも事実ですが、力や適性は示してくれていると思います。
-:前走もスタンド前の雰囲気を見ていると、折り合いは大丈夫なのかと心配になりました。それに、砂を被った時の不安もありますね。
圭太:そうですね。もともと気性面が難しいところもありますし、それを克服させながら結果を残していかないといけないのですが……。
-:左回りのここ2戦は内にササっていました。逆の右回りになって外に張らないかという懸念もあります。
圭太:ええ、まだまだ改善しなくてはいけないところはありますが、距離も問題ないでしょうし、古馬と混じったここでもやってくれるのではないかと期待はしています。
ダートで一気の重賞制覇なるか ダノンリバティ
ルージュバックとエリザベス女王杯に
-:先週の話題に移ると、神戸新聞杯(G2)のマッサビエル(牡3、美浦・小笠厩舎)は厳しい結果となってしまいました。距離適性のアドバンテージはあったでしょうし、初めての重賞挑戦とはいえ、僕の印象では意外な結果でした。
圭太:そうですね……。課題であったゲートも「やはり」という出方で、腹をくくって後方から脚をはかろうかと思ったのですが、結果的には伸びるところもなく、脚をはかる以前に見せ場なく終わってしまいました。もう少し良いところをみせてほしかったのが本音ですね。
-:前走もスローの中をあれだけマクったので、緩いペースでもこなせるかと思いました。
圭太:春先の走りではなかったことは確かですね。それに、どこかスイッチが入っていないといいますか……。ただ、叩かれたことで良くなってくるのはないかと思っています。そんなタイプかもしれません。
-:同じ日の2歳未勝利、サウンドスカイ(牡2、栗東・佐藤正厩舎)は快勝でしたね。
圭太:跨った時点でダートは良いと思いましたね。芝スタートでしたが、ダートに入ってからも上手に走ってくれました。
-:距離は千四でテンのロスを段々と挽回しましたが、もう少し長くても良さそうですか?
圭太:どうですかね。距離はあれくらいでも良いのかとは思いますよ。
-:レディスプレリュード(Jpn2)のトロワボヌール(牝5、美浦・畠山吉厩舎)は2着。最後は突き放されましたが、右回りを克服してくれました。JBCへ向けて期待が持てる結果でしたよね。
圭太:これもマッサビエルと似たコメントになってしまいますが、休み明けですからね。ひと叩きすれば、という次につながる走りでした。それにしても、TCK女王盃の時は右回りでぎこちない走りをしていたので、どうかとは思っていたのですが。
-:その時も内を突いていましたが、ラチ沿いを辿れたことは関係ありませんか?
圭太:それはないでしょうね。あの時もそうでしたからね。
-:そして、この馬は柴田大知騎手が追い切りを担当していて、ベテランジョッキーが実戦で騎乗しない馬を調整する珍しいケースですね。
圭太:そうなんですよね。大知さんも「調教では右回りが問題ない」と言ってくれていました。それに、よく「頑張って」と声をかけてくれるので心強いです。
-:JBCでの逆転なるか、引き続き楽しみですね。そして、再来週の秋華賞での騎乗予定はどうなりそうですか?
圭太:結果的にその日は東京で乗ることになったんですよね。
-:その路線でいえば、ルージュバック(牝3、美浦・大竹厩舎)が秋華賞を見送って、エリザベス女王杯(G1)に向かうことになりましたね。
圭太:秋華賞も視野には入っていたようなので、京都に向かうかは流動的だったのですが、ルージュバックが回避したことで東京で乗ることになりましたね。エリザベス女王杯では何とか良い形で復帰してくれればと思います。
-:毎日王冠(G2)のステファノス(牡4、栗東・藤原英厩舎)、サウジアラビアロイヤルカップ(重賞)のイモータル(牡2、栗東・須貝尚厩舎)も含め、秋のG1へ向けての話題も増えてきました。今秋はG1での大活躍も楽しみにしております!
圭太:ありがとうございます。
※次回は10月9日(金)に更新予定です。
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プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。