'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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勝利数
12月16日時点1567勝
天皇賞は2着も… 今週は「好相性」の京王杯、みやこSへ!
2015/11/6(金)
またも藤原英厩舎とのコンビで巻き返し 天皇賞は2着惜敗
-:まずはステファノス(牡4、栗東・藤原英厩舎)で挑んだ先日の天皇賞、惜しかったですね……。私も好走できると思っていたものの、スローながらもあそこまで僅差に追い詰めると思いませんでした。レースを振り返ってもらえますか?
戸崎圭太騎手:正直なところ(同厩の)ストレイトガール(牝6、栗東・藤原英厩舎)がセントウルSからスプリンターズSでガラっと変わったような変わり身は感じなかったのですが、前哨戦を使ったことで着実に上向いている印象はありましたね。藤原先生とも作戦を立てて、思った位置どりにつけられました。あの枠なりに道中は思い描いていたレースはできましたよ。
-:先生との作戦会議ですが、レース後も囲み取材の中で、どんな策を練られていたのか、先生に伺ったのですが、笑顔ではぐらかされてしまいました。どういうプランだったのでしょうか。
圭太:まあ、それだったら言ってしまったら、先生に怒られてしまいますからね(笑)。どんなものだったかは秘密でイイんじゃないでしょうか。それに枠が枠だったので、やれることも限られていましたからね。
-:そうですね。レースを見直して、勝手に推測しておきます。ハハハ。そして、4角ではレース映像では見えないところ、パトロールVTRで見るとわかりやすいですが、大きな不利がありましたね。
圭太:ええ。ラチから3頭目くらいのところにいたのが5頭目くらいにふっ飛ばされましたから。あれは正直、ラフプレーですよね。
-:レース後にもその話は伺いましたが、あれがなかったら、ラブリーデイともっと僅差だったか差し切っていたかもしれません。
圭太:ホントそれくらいの不利でしたからね。
-:いずれにせよ、香港で2着の実績はダテではなかったですね。
圭太:ええ、僕も毎日王冠では結果を残せなくて、どうなのかな、と若干不安を感じてしまったのが嘘のような走りでした。
「相性の良さ」を見せられるか
-:続いて今週末のレースの話題です。まず、京王杯2歳ステークス(G2)のトップライセンス(牝2、美浦・尾関厩舎)はテン乗りですね。新馬戦はチェックされたと思いますが、印象を教えていただけますか?
圭太:これは追い切りに乗せてもらったんですよね。そして、映像と追い切りだけのイメージですが、センスが良くて乗りやすいタイプですね。それに、僕も相性の良いレースですからね。ハハハ。
-:自らその話題が出るとは(笑)。
圭太:「(京王電鉄イメージキャラクターの)けい太くん」ね(笑)。去年も今年のスプリングCも勝たせてもらっていますから、もう一丁と行きたいですね。
トップライセンスの調教に騎乗する戸崎騎手
-:騎手買いしないといけないレースですね。同じく土曜日に出走のアウトオブシャドウ(牡5、栗東・藤原英厩舎)は前走が惜しい内容でした。
圭太:前走はあえて後方からの競馬になったのですが、ずいぶん手応えが良くて、道中でビックリしたほどです。久々に乗って、だいぶ変わってきていましたからね、今回はもっと良い勝負になるんじゃないでしょうか。
-:逆に前に行ってしまうと脚を使ってしまうこともあると思います。今回、ある程度の位置で運ぶことで、そんな競馬にはならないですか?
圭太:いや、むしろ前回がリズムを崩した競馬で、あの結果ですからね。
-:それは心強いですね。ちなみに、先週乗られたロッカフェスタの兄弟ですね。
圭太:はぁ~そうですか。驚きました。芝馬という以外、そこまで共通点を感じていなかったです。
-:同じ日のダイワウィズミー(牝2、栗東・松田国厩舎)はダイワスカーレットの仔という血統馬です。
圭太:そうですね。騎乗停止で回ってきたようですが、あれだけの血統馬ですからね。調教量もだいぶ積んでいるようですから、楽しみです。
-:日曜は京都で騎乗。みやこS(G3)ではダノンリバティ(牡3、栗東・音無厩舎)に騎乗されます。
圭太:前走は2000m戦ですからね。もともと気性が難しいタイプですから、1F短くなることでレースはしやすくなるんじゃないかと思いますよ。ここまで重賞級であると、力は証明できていますからね。
-:前走を見ても気難しい印象ですね。やはり砂をかぶらない外枠の方が良さそうですね。
圭太:まあ、そうですね。その方が乗りやすそうです。
内枠、先行有利だった大井の馬場
-:今週は火曜日にJBCも行われましたね。その前のレースでも勝たれていましたが、まずはトロワボヌール(牝5、美浦・畠山吉厩舎)から振り返ってもらえますか?
圭太:あの日は前に行った馬、内枠が有利な馬場だったのですが、それだけのあの枠はこたえましたね。スムーズには運べましたが、内にも入り込めるシーンがありませんでした。
-:確かに朝からレース結果の一覧を見ても、特に前半戦は内枠の馬ばかりが勝っていましたね。
圭太:それでも、レディスCだけはペースも流れたのですが、結果的には内で脚を溜めていたホワイトフーガが勝ちましたからね。枠が厳しかったです。
-:一方、スプリントのレーザーバレット(牡7、美浦・萩原厩舎)は内枠でしたが……。
圭太:こちらは先行力があるタイプではないですからね。それでも、リズムを崩さないよう前々を意識しましたが、あそこまでが精一杯でした。ただ、馬は相変わらず良い馬で、すぐにでもチャンスは回ってくるのではないかと思います。
大外枠がこたえたトロワボヌール それでも3着に踏みとどまった
-:馬場の差もあり、ペース的にもスプリント、クラシックは前有利な結果でしたね。その中でもユーロビート(セン、大井・渡邉和厩舎)は頑張っていました。
圭太:そうですね。中央時代にも乗せてもらったことはあるのですが、当時よりも成長を感じました。スタミナ系の馬なので、もう少し馬場が力を要する状態か、距離が長いか、そんな条件ならばもっとやれたと思いますが、あの相手に頑張ってくれましたよ。
-:最後に、アルテミスS(G3)はビービーバーレル(牝2、美浦・中舘厩舎)とのコンビでした。
圭太:ハナにいったメジャーエンブレムは残ったものの、先行していた馬たちが壊滅状態だったように、前崩れの展開でしたね。古馬だったとしても、先行勢にはプレッシャーの掛かる厳しい展開でしたよ。
-:結果は残念でしたが、馬そのものの乗り味はどうでしたか?
圭太:こちらも乗りやすくてどんな競馬でもできそうでしたよ。
-:そして、次週はエリザベス女王杯(G1)でルージュバック(牝3、美浦・大竹厩舎)とのコンビ。楽しみな騎乗が続きますね。引き続きお話をよろしくお願いします。
圭太:ハイ、ありがとうございます。
※次回は11月13日(金)に更新予定です。
今年のマーキュリーCの勝ち馬ユーロビート しぶとさを見せた
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。