'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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勝利数
12月23日時点1569勝
桜花賞馬レッツゴードンキと久々のタッグ 課題は折り合い一つ
2015/11/20(金)
敗戦の中にも光明みせたルージュバック
-:まずは先日のエリザベス女王杯(G1)、ルージュバック(牝3、美浦・大竹厩舎)はオークス以来と久々ながら4着。惜しい結果ですし、よく頑張りましたね!
戸崎圭太騎手:そうですね。久々だったのですが、雰囲気も良かったですね。テンの馬場が緩かったのか、少しノメるような感じになってしまったのは誤算でした。本来は中団あたりから進めたかったのでね。しかし、最後まで良い雰囲気でレースはできていました。敗れはしましたが、負けて強しの内容だったのではないかと思います。
-:あくまで私の意見ですが、立ち写真やパドック映像などを見ると、どうしても肉体的には本調子ではない、バリっとしていないなあ、と思っていただけにあそこまで来たのも驚かされました。
圭太:まあ、そこはこれだけ久々ですからね。しかし、前進気勢といいますか、走ろうという意識があったのは良かったですね。
-:お話の雰囲気から察するに、早くも次を睨まれているように思えますが……。
圭太:そうですね。有馬記念とは聞いています。
-:それは楽しみですね!ジョッキー自身も連覇の懸かる一戦です。続いて、武蔵野S(G3)のタガノトネール(セ5、栗東・鮫島厩舎)は惜しい2着でした。
圭太:そう、あそこまでいっただけに勝ちたかったですね。ハナ差ですから。
-:テン乗りだけに比較はつきませんが、どんな馬でしたか?
圭太:前走も交流のG1で2着しているように、力をつけているのでしょうね。スローペースで終いのキレを活かすよりは、長く脚をつかう方が良いタイプかと思いました。それに、コーナーは2つの方が良さそうですね。
マイルCS、東スポ杯と期待の三日間開催
-:そして、今週はマイルCS(G1)でレッツゴードンキ(牝3、栗東・梅田智厩舎)に騎乗されます。新馬戦以来のコンビですね。
圭太:久々ですが、新馬の時は乗りやすく、センスの良い印象でしたよ。
-:それが今や制御が利かないようなシーンも目立ちますね……。
圭太:そうですね。ずいぶん行ってしまうイメージですよね。詳しくは聞いていませんが、岩田さんも「けっこう行く」と仰っていました。
-:僕も秋華賞のレース直後、返し馬から全く制御が利かなかった、と話されているところを目にしました。ただ、2走前のローズSもあれだけのペースを残るのですから、潜在能力はあるのでしょうね。
圭太:ある意味、どんな感触なのか、楽しみですよ。枠や展開にもよりますが、どんな競馬をしようか考えているところです。
-:ここまでのメンバーと一変しますが、可能性を感じさせる走りをみせてほしいですね。
圭太:ええ、楽しみです。折り合いをしっかりつけたいと思います。
-:楽しみといえば、東京スポーツ杯2歳S(G3)のプロディガルサン(牡2、美浦・国枝厩舎)はデビュー前からの評判馬。再度のコンビです。
圭太:今週、追い切りに乗せてもらったのですが、力はつけている印象ですし、精神面の成長も窺えました。ただ、気の幼さは調教で出さないタイプといいますか、実戦にいってみないとわからない部分はありますよね。
-:前走もゴール前で抜け出してからモノ見していましたね。どれだけ集中できるかが課題と。
圭太:そうですね。良くも悪くもまだスイッチが入っていないといいますか、現状でどこまでやれるか、と楽しみにしています。
-:良い方にも逆の意味でも、まだ一皮も二皮むける余地があると。同じ馬主さんのラベンダーヴァレイ(牝2、栗東・藤原英厩舎)はいかがでしょうか?
圭太:新馬戦から高いパフォーマンスを見せられたので、ここでどんな競馬をしてくれるかなと思います。
-:そして、12月の香港ですが、騎手招待競走(2015ロンジン・インターナショナル・ジョッキーズ・チャンピオンシップ)にも選出されましたね。
圭太:初めての海外での騎乗なのでね、良い刺激になるのではないかと思います。
-:そうそうたるメンバーとの手合わせですね。
圭太:ライアン(ムーア)にモレイラらスゴイですよね。
-:「得意の」英語を発揮する舞台です。
※予てから英会話を勉強中
圭太:いやいや、そこまでの域にいっていないので……(汗)。
-:そういえば、ライアン・ムーア騎手といえば、歳下ながら戸崎騎手が尊敬するジョッキーですよね。先週から来日されて、お話はしましたか?
圭太:しましたよ!しかも、通訳さんのいない場面で。英語で話したというか、身振り手振りのジェスチャーみたいでしたが。
-:もしかしたら、通じていると思いつつ、通じていないという可能性も……。
圭太:まあまあ。それはあるかも。ただ、香港の話やライアンの怪我はもう大丈夫、なんて話はしましたからね。
-:それはちゃんと喋れている証拠ですね(笑)。12月は香港、有馬記念と楽しみな話題を控えますが、引き続きよろしくお願いします。
圭太:ハイ、よろしくお願いします。
※次回は11月27日(金)に更新予定です。
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プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。