'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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勝利数
12月23日時点1569勝
AJCC出走のショウナンバッハ 好勝負のカギは展開が握る
2016/1/22(金)
末脚勝負に懸けるショウナンバッハ
-:詳細はまだ伏せますが、今週は他の企画でもご取材いただき、ありがとうございました!
戸崎圭太騎手:ありがとうございます。いや~良い機会をありがとうございます。
-:こちらは近々サイト内で公開されると思いますので、戸崎騎手ファンのみならず是非、楽しみにお待ちいただきたいと思います。さて、本題として、今週のレースの話題から伺いますと、日曜メインのAJCC(G2)にはショウナンバッハ(牡5、美浦・上原厩舎)とのコンビで挑みますね!
圭太:ええ。これまでにも乗せてもらって、終いの脚は良いものをもっているのですが、どうしても末脚を活かす形になる分、広いコースのほうが良いかなというところが本音ですね。
-:たしかに中央での戦歴を見ると、福島で勝った以外は東京、新潟だけですね。
圭太:正直、枠や乗り方、馬場状態云々ではなく、末脚勝負一択のタイプですからね。どれだけ展開が向いてくれるか、そこに尽きるはずです。
▲ショウナンバッハは流れ一つで勝負が決まる
-:ちなみに、ご覧になる上で弟のキタサンブラックと似ているところは感じますか?
圭太:えっ、そうだったんですか。しかし、全然タイプが違うんじゃないですかね~。まあ、オープンでのキャリアは浅いですが、展開が向いてどこまでやれるか期待したいですね。
-:土曜メインのキネオイーグル(牡5、美浦・高柳厩舎)は昨年、東京で勝たれてメモリアル勝利を挙げた馬ですね。
圭太:そうですね。新馬で乗せてもらった時は不器用さを感じるタイプだったのですが、去年は2度勝たせてもらいましたよね。その当時は初めて乗った頃と違い、器用さも出てきた印象です。
-:ここ2戦は東京で敗戦が続いていますが、東京コースに戻りますね。
圭太:まあ、同じコースでも勝っていますよね。ただ、昔に比べればクラスも上がっているわけで、敗戦も続いているように、能力だけでカバーするよりも、適条件を選んでいくべきなのかもしれませんね。
▲相性の良さを見せるキネオイーグル 5勝目なるか
-:その他の馬でビヨンジオール(牡4、美浦・的場厩舎)、ディプロムソング(牡5、美浦・的場厩舎)などはいかがでしょうか?
圭太:ビヨンジオールはもともと気性が荒くて、ノリさん(横山典弘騎手)もそこをなだめるように教えてきたんですよね。ただ、正直なところ展開や枠順に左右される面は否めませんね。あと一歩の競馬は続いているのですが……。ディプロムソングは中一週の間隔が気がかりですが、良い競馬をしていますからね。チャンスはあると思いますよ。
-:余談ですが、今週末はより冷え込むとの予報です。こういう時季の競走馬は馬によって、寒さがプラスに出る馬、そうではない馬もいますよね?
圭太:そうですね。こういうタイプが向くとは言い切れませんが、馬の筋肉の質によるんじゃないですかね。大型馬なんかは夏負けしますし、暑さで体がほぐれるタイプもいますからね。そこはある程度、過去の戦歴を見つつ、見極めるのも良いかもしれません。
負けて強しのメートルダール
-:先週のレースを振り返ってもらうと、京成杯(G3)のメートルダール(牡3、美浦・戸田厩舎)は3着でした。末脚も目立ちますし、負けて強しの内容だったと思います。
圭太:テンで行き脚がつかないタイプですし、内枠だったのでどうやって乗ろうかなと思いました。しかし、結果的にはロスなく運んで末脚に懸けようと。敗れはしましたが、一番強い競馬はしたんじゃないかと思います。ただ結果的には、負けてしまったので申し訳なかったです。
-:たとえが大雑把ですが、行き脚がつかないところは、過去にハーツクライが末脚勝負ばかりだったのが、古馬になってからは先行できたように、肉体面によるものが大きいですか?
圭太:そうですね。それに、競馬をもっと覚えていかないといけないとは思います。外に出せるシーンもなかったですし、そこまで外を強引に回って勝ち切るまでの競馬はできないと思っていたので、直線だけに懸ける形でしたが、能力は示してくれていますからね。長い目で成長を期待したいです。
▲負けて強しの競馬をしたメートルダール
-:ここ最近は負けたレースばかり伺ってしまっていたので、勝ったレースについてもよろしくお願いします。イマジンザット(牡3、美浦・斎藤誠厩舎)は2戦目で人気に応えました。
圭太:初戦も良い競馬をしていましたからね。ここは順当勝ちでした。
-:ちなみに、このイマジンザットが新馬で負けたサトノキングダム(牡3、美浦・国枝厩舎)は戸崎騎手騎乗でした。こちらの感触はどうでしたか?
圭太:良い筋肉の質をしている印象が強いですね。跨った瞬間から「良い馬だな」とわかる雰囲気でしたからね。追い切りではトビが幾らか縮こまるようなところがあり、それがレースでどう出るかと思いましたが、レースに行ったらそんな不安も吹き飛びましたよ。これはなかなかの雰囲気を感じますね。
-:距離はマイル前後のタイプになりますか?
圭太:いや、次が2000mで走るので、そこで傾向が見えてくるかもしれません。
▲良血サクラアンプルールは飛躍なるか注目
-:まあ、新馬だけで判断するのは禁物ですからね。楽しみにしています。また、サクラアンプルール(牡5、美浦・金成厩舎)は快勝。人気はしていたものの、ここまであっさりとは思いませんでした。
圭太:そうですね。僕も初めて乗った久々の前走と一変していて、驚いたほどですね。不安もなく強い競馬をみせてくれました。
-:何かその変化の理由は感じ取れますか?
圭太:う~ん、久々を使ったとはいえ、ガラっと変わってきましたからね。それ以外はわかりませんが、オーナーも大事にしてきたらしく、それがようやく花開いてきたのかもしれません。サクラメガワンダーの弟ですよね?血統も良い馬でしたからね。
-:昇級しても期待の存在ですね。今週も色々とありがとうございました!中山開催のラストスパートにも期待しています!
圭太:いえ、ありがとうございます。
※次回は1月29日(金)に公開予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。