'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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1月27日時点1583勝
いよいよ今年初のG1!ベストウォーリアとのコンビで昨年の雪辱を晴らす
2016/2/19(金)
コンビ復活ベストウォーリアで中央の頂きを
-:いよいよ今年のG1戦線もスタート!フェブラリーS(G1)はベストウォーリア(牡6、栗東・石坂厩舎)と久々のコンビ。モーニンとどちらに乗られるのか、気になりましたが、率直に楽しみな一戦ですね!
戸崎圭太騎手:ええ、楽しみです。どちらも有力馬ですからね。幸せなことですよ。
-:大いにチャンスがある今年のフェブラリーSですが、ベストウォーリア自体は主戦ジョッキーでありながら、久々のコンビとなります。去年の3戦ほどは外野から見る形でしたが、レースぶりの印象はどう感じられていましたか?
圭太:「僕が乗っていないから」なんて意味ではありませんが、かしわ記念などはアレっ?という負け方。正直、古馬になってキャリアも積んでいたので、力が落ちてきたのかな、と感じていたほどです。しかし、プロキオンSも59キロの斤量であの競馬。南部杯も格が違うといった走りでしたし、JBCにしても、久々の距離とあの日の馬場の傾向を考えたら健闘していました。衰えなんてどころか、まだまだ健在でしたよね。
▲昨年もプロキオンS、南部杯で連覇を飾ったベストウォーリア
-:3着を外したのも、僅かのみ。それもいずれもマイルより長い距離でコーナー4つ。敗因は明確ですよね。
圭太:ええ、本当に左回りのコーナー2つの競馬は得意といいますか、大崩れしないですよね。
-:なおかつ戸崎騎手との相性も抜群です。しかし、昨年はコンビを組んで3着でした。敗因はどう感じられていますか?
圭太:見た目はスムーズではあるのですが、先行決着の中、外を回されたのが痛いですね。馬群の内に入れられたらとは思っていたのですが、結果的にはそこの差だと思います。
-:しかも、直線ではシルクフォーチュンにフタをされるようなシーンもありました。
圭太:そうですね。それでも、3着まで浮上してくれたように、敗れながらに力を証明してくれましたよ。
「今回は幸い行く馬も多そうですし、そのインで脚を溜められたら。可能性のある存在だと思うので、僕がしっかり乗ってきたいですね」
-:現時点では、まだ枠順も出ておりません。他馬の出方も未知数ですが、今年の展開はどう感じていますか?
圭太:おそらく速くなりそうですよね。その中で馬の並びや枠順もありますが、チャンスはあると思っています。
-:枠としては、脚を溜められて、闘争心を掻き立てられるような内枠のほうがいいですか?
圭太:そうですね。今回は幸い行く馬も多そうですし、そのインで脚を溜められたら。可能性のある存在だと思うので、僕がしっかり乗ってきたいですね。
-:なおかつデータを見ていても、休み明けも苦にしないタイプ。じっくりしたレース選び、ローテーションを組まれる厩舎だと思いますし、このローテも青写真通りかと思います。
圭太:休み明けも全然問題ないですからね。あんまりにも速いペースになれば、差し馬がいるので、そこは怖いですが、とにかく今回は楽しみですよ。頑張ります!
-:その他のレースについてもお願いします。日曜は7R(4歳上500万下)のデルフィーノ(牝5、美浦・高柳厩舎)と最終レース(4歳上1000万下)のマッチレスヒーロー(牡5、美浦・金成厩舎)。ここはいかがでしょうか。
圭太:デルフィーノは良い馬ですね~。どちらかと言えば、キレる馬なので、そんな展開になると良いのかな。そういう意味では先週のような道悪が残るとどうかと思いますが、それでも健闘していますからね。
-:たしかに戸崎さんが乗られた直後、内田博幸騎手が騎乗された時も決して良い馬場ではなかったですが、2着に来ていました。なおかつ現級勝ちの実績もありますからね。ここでは力上位かと。
圭太:センスがありますし、乗りやすいですからね。期待しています。マッチレスヒーローもチャンスは十分ですよね。戦歴通り堅実ですし、どこからでも競馬ができる印象です。
-:前走は仕上がりも完調手前だったと。ひと叩きの効果も期待できます。
圭太:前走も直線では良い脚を使っていますからね。惜しい競馬が続いていて、勝ち味に遅いのかもしれませんが、1400の距離も決め手が活きるかと。東京も良いですからね。
-:マイルよりもこちらの方が良いということですね。土曜は久々に京都での騎乗ですね。ほとんどがテン乗りですが、京都牝馬S(G3)はディープジュエリー(牝4、美浦・国枝厩舎)とのコンビです。
圭太:この距離の方が決め手は発揮できるんじゃないかと思います。テン乗りですが、そんな競馬を意識しようと思っています。
東京芝は前有利 傾向の見極めを
-:そして、先週の話題ですが、土曜日はクイーンC(G3)でコパノマリーン(牝3、美浦・斎藤誠厩舎)に騎乗しましたが、勝馬が強かったとはいえ、まさかの惨敗でした。
圭太:そうですね……。確かに勝ち馬は強かったとはいえ、あそこまで負けるとは。速い流れで勝ち馬についていったとはいえ、敗因がわからないですね。
-:それはメンタル、フィジカル、両面いずれも思い当たる節がないと。
圭太:そうなんですよね。馬を怖がるようなところがあるとはいえ、それでも、あんなにもなるとは。今回はわからないとしか言いようがないです。う~ん……。
-:新馬のリルティングインク(牝3、栗東・高野厩舎)は好スタートから押し切りましたね。
圭太:スタートは速かったですね!厩舎からもスタートが速いので、アオられないよう気をつけてほしい、とは聞いていたのですが、練習でゲートが速くてもレースに行ったら遅いパターンは多々あるもの。ただ、この馬に関しては違いましたね。
-:ロケットスタートでしたね。相手関係を見ても人気馬が大外にいたので、これは内からするする行けば、こんな結果もあるのではないかと思っていました。
圭太:まあ、馬場が悪くて、内側は芝が剥げていたほど。普通ならば外差し馬場になりそうなものなのに、それでも、前残りが多かったんですよね。
-:やはりそれは強風の影響ですかね?いつも「風の強弱は気にならない」と仰っていますが。
圭太:……かもしれませんね(苦笑)。いずれにしても、東京は前残りの傾向でした。
-:そういう意味では共同通信杯(G3)のイモータル(牡3、栗東・須貝尚厩舎)は少々、速めのペースでしたが、前々を意識した競馬。破れはしましたが、健闘されたと思います。
圭太:新馬とは雰囲気がガラっと変わって、ずいぶん入れ込んでいて、なるべく落ち着かせることを意識していました。それもあったので、前々の競馬はどうかとも思いましたが、覚悟を決めて攻めていきましたね。
-:直線では勝ったと思ったほど。惜しかったです。
圭太:レースに行ってからは制御もききましたし、良い競馬は出来たとは思うのですが、あと一歩でした。欲を言えば、落ち着きは欲しいところですが。
-:今週もまた傾向が変わるかもしれないので、そこは注視していきたいですよね。そして、次週からは再び中山開催。中山記念(G2)の乗馬も決定していますか?
圭太:フルーキー(牡6、栗東・角居厩舎)に乗せていただきます。
-:豪華メンバーですが、付け入るスキはありそうですね。最後の東京、得意の中山と楽しみにしております!
圭太:頑張ります!
※次回は2月26日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。