'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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勝利数
11月18日時点1558勝
フェイズベロシティは前走の勝ちっぷりに手応えアリ!
2016/3/18(金)
デビューから4戦連続コンビとなるフェイズベロシティが上昇!
-:今週は三日間開催。スプリングS(G2)で騎乗予定だったサトノキングダム(牡3、美浦・国枝厩舎)は残念ながら、体調が伴わず回避。しかし、フラワーC(G3)ではデビューから手綱をとり続けられているフェイズベロシティ(牝3、美浦・萩原厩舎)とのコンビになりますね。そこからお話をよろしいでしょうか?
圭太:正直、新馬、未勝利の頃はもう一つの印象でした。しかし、前走は今までのイメージとは一変したといいますか、芯が入ってきた雰囲気でしたね。返し馬から良い感触を得た通りの結果でした。
-:ここでは書ききれない話題でもありますが、確かに以前の印象ではなかなかトーンが上がっていないイメージも、前走は少しエンジンをかけただけでアッサリと前を行く馬を飲み込みましたね。そのレース後はお話を伺ってなかったのですが、それだけ評価も一変していたわけですね。
圭太:ええ。あの手応えならば、ここでもやれて不思議ではないと思います。そうあって欲しいですし、僕の感触が間違いではなかったと言えるためにも、良い競馬をしてほしいです。
-:中山コースは初めて。東京以外での競馬自体が初めてですね。
圭太:そうですね。でも、あの勝ちっぷりならば、このメンバーに入ったら上位だと思いますよ。
▲曾祖母がエアグルーヴ、近親にドゥラメンテのいるフェイズベロシティ
-:改めて土曜のレースから語っていただくと、阪神のなにわSではウィッシュハピネス(牝4、栗東・沖厩舎)とのコンビですね。前走も休み明け、大幅プラス増ながら、見せ場タップリの4着でした。
圭太:ずいぶん久々のレースでしたが、頑張ってくれましたね。馬場も軽いほうが良いのかなとは思いますが、久々であることを考えれば、良いレースだったと思います。
-:馬体重はプラス40キロでした。やはりもう幾らか絞れた方が良いですか?
圭太:いや、そこは感じなかったですよ。それに展開も他馬にハナを切られたりと、なかなか思うようには行きませんでした。このクラスになると、能力が拮抗するだけに展開一つで結果も変わってきますし、上手く流れが向いて欲しいですね。もともと良いスピードを持っているので、ここでもやれると思っています。
-:日曜中山から 8R(4歳上1000万下)のデルフィーノ(牝5、美浦・高柳厩舎)、最終レース(4歳上1000万下)のタッチシタイ (牡6、栗東・音無厩舎)はいかがでしょうか?
圭太: デルフィーノはとにかく中山がどうか、に尽きますね。能力そのものはこのクラスでもやれると思いますが、本質的には広いコースが向いていると思います。僕が乗っていない時でも中山では走っていましたが、コースをこなしてほしいですね。前走も重い馬場を苦にせず勝ち切ってくれたあたり、期待はできると思っています。
-:軽い馬場が良いとは言っていたものの、前走も荒れた馬場を走りましたし、引き続き期待したいところです。タッチシタイは前走も惜しかったです。
圭太:そうですね~。なかなか流れに乗るのも苦労するほどなので、ペースが流れればいいわけではないですし、こちらもレース運びは難しいのですが、もうワンパンチというところ。前回も言ったように、これより長い距離だと微妙でしょうし、上手くハマってくれれば、今回も勝ち負けできるはずですが。
▲中山コースでも2度の3着があるデルフィーノ
-:月曜は未勝利、1Rのマーヤ(牝3、美浦・小笠厩舎) 、2Rのカンタベリーマイン(牡3、美浦・石栗厩舎)と勝機じゃないでしょうか。
圭太:そう思います。マーヤはモマれ弱さもありそうなので、枠なり、並びの条件次第でもありますが、気持よく走らせてあげたいですね。ダートも問題ないでしょうか。カンタベリーマインは千二になるのは良さそうです。未勝利を勝てる力は持っているでしょうからね。
-: 5Rのミスドバウィ(牝3、美浦・斎藤誠厩舎)は前走で 5 着でしたが、道中の雰囲気を見ると、よく 5 着に来られたと思いました。
圭太:ええ。周りの馬にすごく気をつかっていました。 1600 ならば、たとえば後方からも運べるでしょうし、前走のようなこともないでしょうからね。乗り味そのものはこのクラスは勝てる馬。力を発揮してくれればと思います。 2 走目で慣れと条件が変わったことで前進を期待したいです。
悲喜こもごもの重賞2着
-:そして、先週の中山牝馬S(G3)。断然1番人気に支持されたルージュバック(牝4、美浦・大竹厩舎)は年明け初戦を迎えましたが、残念ながら2着でした。レースを振り返っていただけますか。
圭太:敗れてしまったので、大きなことは言えませんが、思い描いていたレースはできました。とにかく結果が伴わなかったのは残念でしたが……。
-: レース後は落鉄が判明。出血もしていましたね。僕も現場で観ていて、ヒヤヒヤしました。
圭太:そうですね。どこで落ちたかわかりませんし、どこまで影響があったかはわかりませんが……。外枠なりにも上手く走ってくれものの、押し切って欲しかったという思いもあります。
-: ファンの方の写真やゴール前写真を見ると、直線半ばでは鉄が取れかかっていましたね。それでも、僕の意見としても、斤量差があったとはいえ、勝ち切って欲しかったという思いもあります。中日新聞杯(G3)のファントムライト(牡7、栗東・藤原英厩舎)はいかがですか?
圭太:そうだったんですね。馬場状態を考慮して、前目の競馬を意識していきました。結果的には外枠でスンナリ先行できたことも良かったですね。馬場も緩くてタフでしたし、枠と馬場で好走できたと思います。
-:開幕週でも、やはり中京は重い芝でしたか?
圭太:ええ、そうですね~。けっこう重いです。しかし、これだけの年齢でも安定して走ってくれるのだから、ファントムライトも立派ですよね。最後までしぶとかったです。
-: レース映像を観ていても、芝丈はけっこう長かったですものね。一方、ノボバカラ(牡4、美浦・天間厩舎)は遂に勝ち星を手にしました。
圭太:ここまでは連闘だったり、気性面の難しさを出したりとなかなか条件が合わなかったのかもしれないですね。思っていた以上の走りをみせてくれました。間が少し空いたことも良かったのかな。スタートも決まって、良い流れを作れました。
-: そして、火曜日は黒船賞(Jpn3)でニシケンモノノフ(牡5、栗東・庄野厩舎)に騎乗。一旦、やったかと思いましたが……相手が強かったです。
圭太:3~4コーナーでやりあってくれたので、しめしめと思っていたのですが、斤量差を考慮しても力差がありましたね。ダノンレジェンドが強かったです。
-:先週、話題にしたキャニオンロード(牡3、美浦・古賀慎厩舎)やフルールシチー(牝5、栗東・西園厩舎)はいかがでしたか?
圭太:キャニオンロードはハミのとり方がキツイとはお話しましたが、前よりも右にササる面が強くなってきましたね。フルールシチーは追ってからどうもモタモタしていた印象ですね。追ってからしぶといとも言えるのですが……。
-:そして、今週は栗東トレセンに行かれたとのこと。乗られた馬はスマートオーディン(牡3、栗東・松田国厩舎)、ダイワウィズミー(牝3、栗東・松田国厩舎)、ダノンサンシャイン(牡3、栗東・藤原英厩舎)ですね。 2 頭は次週のレースを予定していますね。
圭太:ダノンサンシャインはあくまで (藤原英)厩舎の手伝いですけど、スマートオーディンは一週前追いに乗せていただきました。松田先生の追い切りはあまり乗ったことがなかったのですが、力強いと言いますか、馬力を感じさせるタイプですね。調子も良さそうでしたよ。ダイワウィズミーもデビュー戦はまだまだの印象でしたが、良さが出てきた印象でしたね。次は変わり身も見られるのではないかと思います。
-:駆け足で振り返っていただきましたが、三日間開催で勝ち星量産を期待しています。今週もありがとうございました。
圭太:ありがとうございます。頑張ります!
※次回は3月25日(金)に更新予定です!
▲スマートオーディンの追い切りをつける戸崎騎手
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。