'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
勝利数
12月16日時点1567勝
ダービー卿CTはテン乗りダッシングブレイズとタッグ!今後の騎乗スケジュールも!
2016/4/1(金)
高松宮記念 あの高速馬場にはジョッキーもア然
-:まず、先週は毎日杯(G3)をスマートオーディンで快勝!おめでとうございました!今年のJRA重賞2勝目ですね。
圭太:ありがとうございます。追い切りで良い感触を感じていたとおり、状態も良かったです。
-:一方であまり折り合いを苦慮することのない戸崎騎手ですが、道中の雰囲気や直線での走りを見ていると、少し距離の心配も感じました。抜けだしてからもソラを使ったりと……。
圭太:ええ。速い脚を使えるタイプは得てしてこういうところがあったりはしますが、確かに延びてどうかな、という心配はありますね。次は京都新聞杯(G2)。そこが課題になってくるのは明白ですね。
-:一方、高松宮記念(G1)のウリウリもテン乗りでしたが、9着と残念な結果に終わってしまいました。
圭太:やっぱり馬場に尽きますかね……。あれだけ速い馬場になるとはビックリしました。中京には日曜から乗りましたが、朝からすぐ異変に気づいたほどで、あそこまで(の速い馬場)とは思いませんでした。
-:芝丈も短くなっている印象を受けましたが、あれだけ馬場が急変するのは路盤によるものですか?
圭太:そうですね。芝じゃなく、まずは路盤の硬さ次第でしょう。まああれだけカッチカチになるものかと驚いたほどですよ。
-:ただ、結果的にはテン乗りながら「ウリウリは馬場が緩くなるほうが他馬との適性の比較からも歓迎」と言っていた通りの見立てでもあったわけですね。
圭太:そうそう。枠も外目かなとは思っていましたが、馬場さえ変わってなければと思いますし、正直、あんな馬場だと競馬も面白くないですね。
-:確かに左回りの広いコースといえば東京や新潟だってあるわけですし、そこと差別化出来るのは、中京の重い馬場質だからこそというわけですよね。
圭太:そう思います。幾らBコースになったからとはいえ、柵を動かしただけであんなに変わりませんからね。結果が残せなかったからというわけではなく、中京らしい馬場でやりたかったので、とにかく残念でした……。
こちらもテン乗りダッシングブレイズは好調キープ!
-:続いて今週末はこのコラムでも話題にしてきた馬もチラホラ見受けられますね。土曜中山から追っていきますと、安房特別のサブライムカイザーは前走、惜しい2着でした。
圭太:長い距離でもやれることが証明できましたね。一本調子な面もあるので、前走のような競馬にはなると思います。
-:前走は割りとスローに落とし込んでいる印象でした。もう少し流してもやれそうですね。
圭太:そうですね。前走も上手いこといきましたが、相手が悪かったですから。同じ条件であとひと押しに期待したいです。
-:続いて船橋ステークスのプレイズエターナルは中山がどうなのかと思い、前回は僕も伺わなかったのですが、前走は2着でした。
圭太:僕も中山は向いていないんじゃないかと正直思っていたのですが、頑張ってくれましたね。どうしても、ああいう競馬にはなりますが、今回も期待したいです。本音を言えば、直線が長いコースのほうが良いのではないかと思いますが。
-:最終レース(4歳上500万下)のアサマですが、堅実派だったのが少し着順を落としている印象です。
圭太:そうなんですよね~。もともと乗り味はスゴくいいモノを持っていたのですが、気難しさを出してしまってきていて、それから走りも変わってきてしまって。ずいぶん前の話ですが、ある時からどうも性格が変わってしまったんですよね。
-:それも珍しい話ですね?
圭太:なかなか珍しいですよ。走り方やら気性やら変わってしまって。普通ならばこのクラスにいる馬ではないのですが。
「ダッシングブレイズは見ていた通り良い馬だなという印象ですね。比較は出来ませんが、状態も良さそうですよ」
-:復調に期待したいですね。日曜中山の千葉日報杯からフルールシチーはどうでしょうか?
圭太:前走は「後ろにもう一頭いたか」という競馬でした。それでも、距離が忙しい感じはするものの、走ってくれていますね。
-:僕も正直、前走のシルヴァーコードに先着出来るとは思っていなかったので、先着した上に差されるとは、意外な結果でした。ここ最近は促しつつの競馬ばかりですが、本質的には距離も短いのでしょうか?
圭太:いや、良い意味でのズブさといいますか、あれでも競馬は悪い内容じゃないのでね。今回もチャンスだと思います。
-:ダービー卿CT(G3)のダッシングブレイズは追い切りに乗られましたが、テン乗りですね。
圭太:見ていた通り良い馬だなという印象ですね。比較は出来ませんが、状態も良さそうですよ。
-:前走はアクシデントもありましたが、その影響がないと良いのですが……。
圭太:また、実戦に行ってみないとわかりませんが、雰囲気自体は悪くなかったですよ。あとは僕の印象では広いコースの方が良さそうなイメージ。そこを上手く捌けるかですね。
今後は桜花賞、皐月賞、NHKマイルCに騎乗
-:ここまで話題にしていないレース回顧についてもお願いします。ロイヤルストリートはウリウリと同じ藤原英昭厩舎で千二、ディープインパクト産駒と似た条件ばかりで快勝でしたね。
圭太:こちらはむしろ速くなった馬場が歓迎でしたね。センスも良いですし、折り合いだけが課題でしたが、それもこなしてくれました。終いもしっかりしていて、完勝でしたね。
-:同じく中京からダイワウィズミーは着順を落としてしまいましたね。
圭太:う~ん、これは危惧していた通り、なかなかレースに集中しきれなくて……。
-:そういう傾向を示唆されていたヤマニンシルフは快勝。ダート替わりが良かったでしょうか?
圭太:そうですね。これはダートが良かったです。力は抜けていましたね。
-:土曜の話題ですと、甲南ステークスのタマノブリュネットは上位争いしてもいいかと思いましたが、見せ場なく終わってしまいました。
圭太:3~4コーナーで狭くなる場面もありましたが、それに怯むタイプでもありませんからね。結果的には前残りの馬場。乾いたダートでそこがこたえたかもしれません。
-:そして、今後のスケジュールもざっと伺いたいのですが、G1での騎乗予定があれば教えてください。
圭太:乗るのは皐月賞とダービー(ハートレー)、桜花賞(ラベンダーヴァレイ)、NHKマイルC(イモータル)、ヴィクトリアマイル(ストレイトガール)ですかね。
-:天皇賞は乗らないということで、ハートレーは皐月賞前に追い切りにも乗りますか?
圭太:ええ。もうトレセンに帰って来ているのかな。今週だったと思いますが、来週から乗せてもらいますよ。
-:最後に普段聞かないネタですが、近況報告などありますか?
圭太:う~ん……。ないですね。
-:そう来ると思いました(笑)。と言いつつ、トレセンではサングラスをかけ始めていますね。
圭太:まあ、そんな話題で良ければ(笑)。特に理由はないのですが、アシックス製のものでちょうど良さ気だったので試してみました。
-:レースで付けるものではありませんが、そんな小ネタもはさみつつ、今回はここまでとさせていただきます。次週からいよいよクラシック。引き続きよろしくお願いします!
圭太:ハハハ、よろしくお願いします!
※次回は4月8日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。