'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
勝利数
11月11日時点1556勝
土日連勝なるか?スマートオーディン&イモータルと挑む!
2016/5/6(金)
スマートオーディン&イモータルの勝算は?
-:それでは、今週もよろしくお願いします!しかし、先週は日曜東京3Rで落馬。JRA入りしてからはなかなか目にしないケースだったのでヒヤっとしました。
圭太:確かにこっちに来てからはほとんどないですね。何とか休まず居られたのが何よりです。
-:落馬後も5Rからすぐに乗り出し、今週は交流重賞にも騎乗されましたね。地方でのレースから振り返っていただけますか?
圭太:かしわ記念(Jpn1)のベストウォーリアは他にも前に行く馬がいるんじゃないかと想定していましたが、リズム良く運べたと思います。結果的には前が有利な馬場もあり、前残りの結果でしたね。もちろんコパノリッキーもハマった時は強いです。あれだけ着差もつけられましたからね。しかし、馬そのものは変わらず活気もありましたし、去年も2着とはいえ、1ターンが理想の馬。その差も出たかもしれません。
-:一方、かきつばた記念(Jpn3)のレーザーバレットは距離が延びれば、という話でしたが、3着でした。しかも、勝ったのが以前まで乗っていたノボバカラと見ている方も悔しい結果でしたよ。
圭太:そうです。この距離は良いと思っていたのですが、今回からつけた遮眼革が効きすぎましたね。これだけ効果があるなら千二で良いでしょうし、着けていなければという印象です。
かしわ記念では前走で後塵を拝したモーニンに先着したものの3着だったベストウォーリア
-:作戦面が少し裏目に出てしまった……と。さて、今週は土日で3歳重賞が続きます!NHKマイルC(G1)のイモータル(牡3、栗東・須貝尚厩舎)は新馬から3戦で手綱を執られてきました。一週前追い切りにも騎乗されたそうですが、いかがでしたか?
圭太:併せた相手が攻め駆けする馬なので、遅れたのは仕方ないでしょうね。しかし、幾らか重さを感じたことも事実。それは今週の最終調整で間に合ってくるかと思います。
-:共同通信杯以来というローテーションですが、当時との比較ではどうですか?
圭太:良い意味で大きな変化はないと思います。ただ、どちらかと言えば晩成タイプだと思います。まだまだ器用さに欠けるし、ゲートの不安もありますから。それでも、現状でこれだけ走っているのだから、高い素質の持ち主ですよね。
-:短距離路線から来る馬よりも、長い距離をこなしていることもアドバンテージですよね。
圭太:そうですね。あと、前回は割りと前を主張していったので、今回はマイルに戻りますし、リズム良く運べればと思います。もともとサウジアラビアRCでも僕のミスで負けてしまいましたが、マイルはこなしていますからね。距離自体は実績があって不足はありませんから。
-:そして、前走のレース後、検量室前ではかなりテンションの高いところをみせていました。レースで力が出し切れるように、落ち着きがあると良いですね。
圭太:もともとテンションの高さはあるので、そこは良くなってほしいところですね。いずれにせよ、チャンスのある一頭だと思うので、力が入ります。
-:土曜日は京都新聞杯(G2)でスマートオーディン(牡3、栗東・松田国厩舎)とのコンビですね。こちらも一週前追いに騎乗されました。
圭太:前にも話したかもしれませんが、凄く動くんですよね。とにかく凄いです。
-:確かにCWのあの大外を通って、あの時計。凄いですね。少し気になるのが、距離とコーナー4つの競馬が初めてという点です。ダービーを見据える一戦ですが、今回、テーマを持って挑むポイントがあれば教えてください。
圭太:まあ、そこは課題になってきますよね。どんな競馬になるかは先生ともまだ話していないので、具体的にはわかりませんが、直前に確認しあうと思います。
-:ただ、これまでも上がり3Fの32秒台を2度マークと瞬発力は類まれなるものを持っていますね。
圭太:ええ。そこがセールスポイントだと思いますよ。今回は条件もガラっと変わってくるので、どんな競馬になるかわかりませんが、ダービーを見据えたローテーションだと思うので、先に繋がる競馬をしたいですね。
-:日曜東京からブリリアントSのアポロケンタッキー(牡4、栗東・山内厩舎)は以前乗られていますね。
圭太:勝たせていただいたのですが、当時から上に行く雰囲気は感じていました。ここへ来ても連勝しているように、やっぱり素質はありますよね。レースぶりも進境が観られると思います。
-:昔はズブい馬なんて話もありましたが、そんな反応の馬ですか?
圭太:そうらしいですね。でも、僕が乗った時はそんなことなかったですよ。前回の勝ちっぷりからも楽しみです。
素質を再認識したプロディガルサン
-:先週の話題では、スイートピーSのフェイズベロシティ(牝3、美浦・萩原厩舎)は惜しくも権利を手にすることが出来ませんでした。
圭太:やはり現状は中山よりも東京が良いなと感じました。ただ、以前ならばゲートも出ないし、二の脚もつかなかった馬。それが流れに乗れてきましたからね。負けたとはいえ、成長は感じとれましたよ。もともと同年代の他馬と比較しても若さを感じるところはあったので、必然とも言えますけどね。それでも、直線ではフラフラしたりとまだ課題はあります。
-:そして、青葉賞(G2)のプロディガルサン(牡3、美浦・国枝厩舎)は4着。この結果はどう見られますか?
圭太:追い切りで緩さを感じた通りでしたね。折り合いを欠いているように見えますか?それも、その緩さがあるからでしょうね。返し馬では良い雰囲気を感じたのですが、やっぱり実戦となると、そう容易くはないですね。
-:ただし、約5ヶ月ぶりということを考えれば、上積みの余地はありそうですね。
圭太:そうですね。否定的なコメントをしたように思われるかもしれませんが、やはりいいモノは持っているんだな、と感じたことも事実です。一回使ってどれだけ変わり身があるかは判断し辛いですが、今後が楽しみな馬だと思います。
-:リアルスティールほどの実績は残せていませんが、リアルスティール、ラングレーとお兄さんたちも古馬になってから本格的に走り出していますからね。日曜は落馬直後に一鞍乗り替わって、2つ目のレースをストリクスで差し切りを決められました。
圭太:映像を観て、東京も合うんだろうし、出して行くよりはじっくり乗った方が良いんだろうなと思っていました。思っていたとおりに乗れましたし、最後もよく伸びてくれましたよ。
-:さて、次週はかねてから予定されていた通り、ヴィクトリアマイル(G1)でストレイトガール(牝7、栗東・藤原英厩舎)に、再来週のオークス(G1)にはチェッキーノ(牝3、美浦・藤沢和厩舎)とのコンビが決まりました。今週のイモータルも含め、春のG1でもチャンスが続きますね。
圭太:そうですね。責任重大なので、がんばります。ストレイトガールは正直言えば、どこまで変わってきてくれるか、という馬頼みなところもあります。新潟大賞典(G3)を回避したステファノス(牡5、栗東・藤原英厩舎)は鳴尾記念(G3)に向かうのですが、そこで乗せてもらうことになりましたよ。
-:大きいレースでの騎乗も続くので、落馬には気をつけつつ、引き続きよろしくお願いします!
圭太:ありがとうございます。
※次回は5月13日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。